不思議な老婆
夜になり風は止み暗いのかは分からないが人々の声が聞こえ始めた。
月夜の光りも届かないこの町からはいつものように家の光で町が明るくなっているだけ。
段々と家の光が差し込むのを確認するとアゲハが立ち上がる。
「よし、じゃあ行くか♪」
「ボソッ何でそんなにノリノリなんだよ……」
「ん?」
アゲハが振り返るとライムは目線を反らし何事もないように振る舞う。
「だいたい、現実世界にも幽霊だのUFOだの言ってるけどなぁ、それはただのげ、ん、そ、うだ」
「あー、そうですか、宇宙人のモルモットにでもされれば?」
「プププ面白いねぇ、ライムさんは♪」
「今この場で殺ろうか?」
「あーいやいやぁ?それは遠慮しとく、とにかくさ
、武器屋にいって色々としてから行こうぜ?」
それに皆賛成をし、一行は宿を後にした。
亭主の聞いた話だと武器屋はすぐ隣にあり、今日は饅頭屋の娘が居なくなったと言う。
辺りは昼より少し暗いだけで一日を通してそんなに暗さが変わらない、やはり黒い雲のせいなのか。
武器やで色々調べ回り新しい武器を探しているときだった。
それぞれの所へ探しに行っているとき、アゲハは奥にいるお婆さんに目がいく。
(ん? 何だ?)
おばあさんはじーっとこちらを見ているようで、半分しか見えない瞳に吸い込まれるようにアゲハは近づき話しかける。
「よ! ばぁちゃん! なんかいい感じの武器ある♪俺でも使えるようなさ」
すると、おばあさんは手を差しのべそのまま止まる。
「ん?」
アゲハは何かよく分からず、おばあさんの手のひらに手をのせると、柔らかい光がアゲハを包む。
「……の呪文はのぅ……凄い呪文じゃ……使ってしまったら当分の間は体が動かんじゃろう……お主が一番ここだと言うときに使いなはれ」
老婆はそういうと手を退け店の奥へとゆっくりとした足取りで入っていくが、途中でアゲハに振り向く、そして振り向き様にこう言い残した。
「防御こそ人を守れる最大の武器なのじゃ。」
そういうと老婆はまた店の奥へとゆっくりと入っていく。
「は、はぁ……」
そういい残した老婆にアゲハは手を出したまま頭を傾げる。
「なになに?どうしたの?」
「あ、マカか、あの婆さんが……」
「ん?どこ?」
「え?あの……あれ?」
偶然同じ魔法グッズ売り場にいたマカが寄ってきて老婆のいた方を二人で見るがそこにはもといた男の定員しか居ない。
「……バグか……」
「??」
「……いや、なんでもねぇよ♪」
「う、うん、あ!あたしも新しい杖を買ったんだぁ♪」
「今度は盗んでねぇよな?」
「え、ち、違うよ! あれは借りたんだよ♪」
「借りたら返せよ♪」
そういいながら二人で色々と回りアゲハもあれ以外にも新しい防御を覚え、二人は店を後にした。
店の外には新しい装備をした二人が待っていてライムは黒い城と睨み合いをしていた。
「お待たせー!」
「ボソッもうちょっと遅くても良かったのに……」
アゲハには聞こえていないらしく、ライムはホッとしているが他の二人は半笑いの様だ。
「よし! じゃぁいざ参る!」
一番ノリノリなアゲハから続き一行は町外れの黒い城へと進んでいくのだった。
どんなモンスターが居るのだろうと心踊らせながら……ある1名以外は。
(……全く……何でこうならないといけないんだ)
ライムはライトの腕にしがみつきながらも一歩ずつ前へと足を踏み出すのだった。




