新たな歩み
「…お願い…一人にしないで…。」
その言葉が思い出したくもない過去を過る。
「…だって、マカ達が…どうんだよ!見殺しにするのか!?」
アゲハは窪みを指さし、泣いているライトの手を振るい離す。
「…ごめんなさい…でも、アゲハまで死んだら…。」
「…じゃぁ、…とうすんだよ…。」
「…。」
ライトは何もできない自分を悔やんだ…。
だが、人間が丸のみされた所を見たら誰しも腰が引ける。
「…!まだ、リセットもできないし…あいつらは生きてるんだ…今から行ったら間に合う。」
アゲハは走り出すと砂を手で掻き分け始めた。
「…ごめん…なさい。」
涙が溢れて視界が眩む。
こんなことしてる場合じゃ無いこともわかっている…。
早く二人を見つけなければならないことも。
泣いてる場合じゃ無いことも…。
全部分かってる…。
でも、力が抜けて立てられない。
泣くことしか出来ない…なんて弱い自分なんだろう…なんで。
そんな思いばかりループして顔を手で覆う。
その間もアゲハは手で砂を掻き分け、必死に問いかける。
「おい!!マカ!ライム!聞こえたら返事しろよ!どこにいるんだ!?」
何回も声掛するが返事はない…、やはりダメかと思うがそれでもアゲハは探し続けた。
まだ生きてる!大丈夫だと自分に必死に言い聞かる。
ライトもやっとの思いで立ち上がりアゲハの元へいき、二人で土を掻き分けた。
だが、どれだけたってもリセットは出来ない…。
夕方になり、おかしいと思ったアゲハは息を切らしながら一旦掘るのをやめる。
「…なぁ、おかしいだろ…なんで、まだリセット出来ないんだ?もう、こんなに時間もたってる…。」
ライトもアゲハを見上げ、地面を見つめながら考え出す。
「もしかして…もう…出来ないとか?」
「そんなわけないだろ?回数とか条件とかあるのかよ!」
「わからないけれど…こんなに経ってもなにも反応が無いのはおかしい…もし私のいった事が本当なら…。」
ライトはアゲハを見上げ、深刻な顔をして二人はお互いの顔をみつめあう。
もう二人は戻ってこない…のかも…。
「なぁ…もしも戻らなかったらどうなるんだ…。」
「…元の世界に帰れるか…それか…どこかにワープされてる…とか…分からないけれど…。」
「…まー、元の世界に戻れたら良いけどよ…後味悪くねーか…。」
「…そ、そうね。」
「とりあえずはまだ、探してみようぜ…まだいるかもしれねぇしな。」
「…うん。」
二人はそれからなにもしゃべらず黙々と土を掘るがいっこうに怪物に辿り着かない。
移動してしまったのだろうかと、思い手当たり次第辺りを探索したがそれらしい怪物は見つからず仕舞いで夜を越した。
朝日が登ってくるのに気づき、土まみれになった手を額にかざし日除けしながら空を睨むアゲハは腹いせに地面を蹴り飛ばす。
「どうなってるんだよ!こんなことって…二人はどうなっちまったんだ!?」
ライトはアゲハを見上げると立ち上がり、アゲハの手をしっかりと握った。
「…このままじゃいくら経ってもこのゲームは終わらないわ…だから…私たちは旅を続けましょう…。」
「…終わらせるって…二人は…。」
「…今の私たちには何もできない…現に今だってそうでしょ?…。」
「…見捨てるのか…。」
「…私だって嫌だけれど…このゲームが終わったら全て解説するかもしれない…もう、さんざんよ…こんなの…。」
「…。」
アゲハはライトと視線を合わせることは無いが、向こうの言うことも正論だと分かっている…。
「…分かった。」
ライトはアゲハの右手をしっかりと繋ぐと二人は歩き出した。




