差しのべられた手
「…
……真っ暗…、
あたし、どうなったんだっけ?」
暗闇の中ライムは膝を抱え込み、目を閉じて考える。
足の痛みは消えたが、どこにいるか分からない。
「そうだ…あたし、怪物に食べられたんだ、それに、マカと喧嘩して…。」
全てが甦り頭に浮かぶ。
そして、足を見るが真っ暗でよく見えない。
あたしマカに謝らないといけないのに…はぁ…何であたしはこうなんだろう。
昔の記憶。
お母さんが死んだ後すぐ日本に引っ越してきて…
<皆さん!今日から新しい友達になります、カシファさんです、日本生まれですが、お母さんは外国人で、お父さんの仕事の関係で長い間アメリカにいました、皆さん仲良くしましょう!>
「…。」
もともと内気だったあたしはクラスに一つも馴染めなくて…帰ったときにお父さんが作った試作品のゲームが唯一の楽しみだったな。
「おとうさん!面白いよ♪このゲーム♪ 」
「そうか!よかったよ、カシファに喜んでもらえて。」
でも、そのうち高校生になって友達もいなくて結局は中退…。
その後は通信高校に入って引きこもり。
パソコンのゲームが唯一の楽しみ。
そんな時に出会ったんだ…マカ…ううん那奈に。
そのゲームはオンラインでいろんな人と交流できたり、助け合って戦うゲームだけど、あたしは一人でいっつもしてた。
そんなときだった。
♪♪♪
「…チャット?」
開いたらそこには那奈と書かれた人からのチャットだった。
「…誰こいつ。」
<こんにちわ!!はじめまして!!中ボス倒せないから一緒に手伝ってくれませんか?>
「…まー、少しならいっか。」
<いいですよ。>
そこからよく、交流するようになったり、一緒にボスを倒しにいったりしてた。
<ねぇ!今度遊ぼうよ♪家も近いし!!あたしが行くね♪>
<まー、いいけど。>
<やったぁ!じゃあ!明日の朝に行くね!>
<早!>
そんな感じで実際にあってよく遊ぶようになった。
あたしにとっては唯一の友達。
大切な友達だったのに…
伝えたい…
言葉にしなきゃ伝わらないこの気持ちを…
ちゃんと伝えたい!!
あたしはなにも見えない真っ暗闇に手を伸ばした。
お願い!あたしにチャンスを頂戴!!
手を伸ばしているかも分からない暗闇であたしは必死に叫んだ。
「あたしは那奈に言わなきゃいけないんだ!!」
「ライム!」
「!!」
誰かがあたしの手を掴んでくれた。
聞き覚えのある声。
暖かい手。
(ああ、きっと幻でも見てるんだ。)
あたしはゆっくりと目を閉じた。
目が覚めたら謝ろう…。
謝って…また、いつものように…。




