楽しげな会話
く「ご、ごめんね、その、その子本当は男の子なの、ち、ちなみに私は女なので、宜しくね。」
「…。」
「…。」
カシファと那奈はお互い見つめあい、しばしの沈黙が流れる。
「「エーーーー!!!!???!」」
その声は回りの人へ響きわたり、皆驚いた顔をしてカシファたちを見ていた。
「そ、そんなに大きい声出さなくても…。」
勇者の子は慌てながら二人の口を塞ぐ。
「いーじゃん大きい声出した方がスッキリするしな!」
一方アイドルのような子は、腕を頭で組みがら満面の笑みを浮かべる。
勇者の子は二人の口から手を離し、少しばかりため息をつく。
「あ、あたしそんな趣味の人がいたなんて、まぁ良いんじゃない?一人二人ぐらいそうゆう人がいても。」
那奈は、繕った笑顔を浮かべる。
「…あ、あぁ、まぁ…な、はは…。」
カシファも同じくひきつった笑顔でこたえる。
(…やっぱこいつらとは仲良くは出来ないな。)
「ち、違うのよ!勝手になったの、あなた達もそうでしょ?」
「まぁそんなフォローしなくても良いじゃん♪おねーちゃんニジオタなんだからさ!」
「な!なにいってるの!それは言わないでって言ったでしょ?」
「えーいーじゃん?」
「良くないわよ!!」
(…ニジオタ)
そう、その言葉が私にグサッとくい込む。
なぜなら私は…。
「と、とにかく、自己紹介の続きしましょう、それでさっさと武器を揃えて、旅を始めましょう!」
勇者の女の子は身振り手振りをしながら話を進めていく。
するとアイドルの男の子がニコニコしながら自己紹介をしだした。
「んじゃ!俺からー、俺の名前はアゲハでーす!ねーちゃんに勝手につけられちゃったけどさー、まぁよろしくー♪」
(…アゲハ………!!!)
その名前が私を離さない。
「えーっとじゃー私ね、私はライトです、よろしくお願いします。」
(…ライ!!!!)
(いや!!待て!心を乱してはダメだ!落ち着け…時季を待つんだ)
「えーっとじゃぁーあたしねー♪あたしはマカでーす!よろしくー♪」
那奈が自己紹介を終わり、いよいよ自分の出番になる。
「わ、私の名前はライムだ、宜しく。」
一通り自己紹介が終わり私があの話を持ちかけようとしたときだった。
「あの、ライトさん…。」
「ん?何?」
ライトさんがこちらを振り向いてニコッと微笑むと同時にまたしても音が鳴る
♪~♪~♯~♪
「あ、後で良いです。」
「ん?そう?」
(よく考えたら自分この人たちの年齢とか出身とかどういう人なのか全然知らないんだよな…友達でも、知り合いでも何でもないし…今こうして話してるのが不気味だ。)
そんなことを考えてると、コンピューターがまた話しかけてくる。
『皆様名前のご記入お疲れ様でした。それでは本編へ移っていきたいと思います。この世界の一番端の巨大な塔に魔王がいます。ここからでは遠すぎで見えませんが、近づくと見えますので時々確認してください。これから皆様は旅に出ていただき、是非魔王を倒して頂きたいのです。既に魔王に支配された町もあるので気をつけて下さい。なお、ゲームの途中で度々出てくるmissionをクリアすれば、賞金やアイテム等がもらえる時があります。私の役目はここで一旦終わりです。それでは皆様の健闘を祈ります。』
コンピューターが話終わると、皆一斉に散らばって行ったり、話し合ったりとバラバラになっていった。
私はライトさんの方を見ると、ライトさんもこちらを見てニコッと返してくれた。
「御免なさい何か用だった?」
「あ、いえ、何でもないです。」
「そう?これから宜しくね」
「こちらこそ。」
(…なんなんだ?この変に緊張した会話は)
私は皆から顔を背け、少しばかりため息をついた。
(…これから…どうなるんだろう?)
するとマカが話を切り出す。
「さーてどうする?まずは武器かな?買わなきゃいけないよね?でもお金が無いよね??」
マカが頭を抱えていると、アゲハが空気にパンチを打ち込みながら話し出す。
「じゃーさ!皆でモンスターを狩ってから、稼いで買おうぜ!レベルとかも上がるんじゃね?」
するとライトも手を顔の前で合わせて頷く。
「それは良いかもね!ここら辺のは弱いモンスターばかりだと思うから、素手でも行けるでしょ」
(素手!?)
するとマカも賛成し、何が嬉しいのか目を輝やかせていた。
「良いね!素手で戦うなんてかっくぃーーー」
(ここはちゃんと言わなければな)
「あのさ。」
「どうしたの?」
「素手は無理じゃない?まだ操作とかも慣れてないし、どんなのが出てくるか分からないし。」
するとライトはまた考え出す。
「そうよねー、どうしようかー」
「んー」
「ンー」
皆考えてる中、一人考えていないような?まーいい。
アゲハはまた綿菓子のおじさんの方を見ていた。
考えてるのか考えてないのか分からない。
私は、皆から提案が出ないのでとりあえず、今思いついたことを言ってみる事にした。
「あのさ、いきなり戦うんじゃなくて、まずはこの町を散策するってのはどう?そしたら武器がどれくらいするとか、お金の価値も分かるし、怪我したときはどこに行けば良いかも分かるんじゃない??」
私が一通り説明すると、皆は感心するような顔で止まっていた。
「イーじゃんイーじゃん!!冒険らしくなってきたな♪」
「いーね!それ!!」
「頭きれますね♪すごいです!」
皆が次々に私を誉めるなか、内申少し照れていた。
「…い、いや!たまたまだったし、じゃー目標も決まったし、動くか。」
「よーし!じゃーグループ名考えようよ!あと決めポーズ!!!」
(ハ!?)
いきなりのマカの発言に私は少し戸惑った。
(え?今なんつった?決めポーズ?…何で!?)
するとアゲハは目を輝かせながら、パンっと手を叩く。
「お!いいねー!勝ったときの勝利のポーズとか決めたいよねー!」
(そしてアゲハ君話に乗らないで)
私は内心アゲハ君に突っ込みを入れるが、話はどんどん膨らんでいく。
するとマカがくるっと一回転してポーズを決めながらはつらつと言う。
「なんかさー、必殺技のポーズとかー!!あと、登場のポーズとかさー!」
(マカ…そんなのいらないから。)
するとライトさんがマカに近づき、両手を前で合わせて、話に乗り出した。
「良いですね♪楽しそう!何にしますか?まずはグループ名?」
(ライトさん以外と乗り良いな。)
「ジャーさー!◯◯◯◯◯!とかは?」
アゲハが言ったその言葉は、ほんとにヤバイ言葉だった。
著作権的な意味で進めなくなる!!
「あーそれいいねー!でもさー◯◯◯◯みたいに決めポーズとりながらっていうのもいいね!!」
「それだったら◯◯◯◯◯とかはどうでしょう?格好いいと思うのですが。」
「ふーやっぱりねーちゃんはアニオタだから選ぶのも違うねー!」
「う、うるさいわね!あんただって◯◯◯好きなんだから、良いのあるんじゃないの?」
「あたしもパソコンとゲームで生きてきたからなー、決めポーズなら沢山知ってるけど。」
「あら?マカさんゲーマーなんですか?」
「イエーッス!その名の通り!」
「それじゃーライムnさんも何か好きだったりするんですか?何だか趣味が合いそうで。」
「わ!私?…アニオタ。」
(あ!言っちゃった…。)
「やっぱりそうですか!?何だか同じオーラを感じてしまって!良いですよね!二次元の世界は♪」
こうなったら手がつけられない。
(あーもーいいやー!)
「だよね!特に◯◯とかさ!もう感動するんよ!」
「もう二期見ましたよー♪◯◯◯◯最高です!」
「あーあ!また始まったよー、そういえばマカはなんのゲームとかしてるの?」
「私はねジャンルはなんでもありだけど最近は◯◯◯◯とか◯◯◯◯とかにはまってる!実況とかもしてるんだー!!」
「いいなー、俺の親うるさかったから勉強ばっかさせられて、ゲームなんてさせてくれなかったんだー。」
その言葉を聞いてマカは思った。
(?…何で過去形?今は居ないのかな?お母さん)
少し気になりはしたがそんな事は聞くもんじゃ無いしと、心の奥底に疑問としてしまっておいた。
「そりゃーつらいねー、でも◯◯◯は分かるよ!ゲーム出てるし、何回もしたから。」
「マジで!?最近はバ◯◯◯が気に入ってんだー!!チョーかっこよくね!」
「かっこいいよねー!特に歌い手さんの◯◯とかもう最高じゃない?!」
「分かる!!俺もあんな高い声出してー。」
色んな話が飛び交う。
楽しくて、皆今までに無い一時だった。
皆気分が有頂天だった。
するとマカが皆の顔を見渡して、左手をあげて音頭をとる。
「よーっし!これからの旅頑張るぞー!!」
「「「「オーー!!!」」」」
四人は満面な笑みだった。
これからこの四人の旅は始まる。
色々とやばくなった!
まー、いいよ。