毒蛇
町を出て、広がるのは所々に木が生えた砂漠地帯だった。
「ダークネスボルト!!」
マカの威勢の良い声で右手から黒い電気を帯びた玉が発動される。
「いっけぇー!」
勢いよく送り出された玉は一直線に敵にむかう…が、あっけなく敵に避けられるのだった。
「あー!!!危ない!ライム!!」
「へぇ?…うわ!」
他の魔物と戦っていたライムに向かうがマカの呼び掛けで寸での所で回避する。
すると、ライムの戦っていた敵に当たり、取り敢えずは一体倒した。
「よしゃ!」
「よしゃじゃないからさ!危ないわ!死ぬわ!マジで!!!」
「ふふん!こんな言葉を知らない?結果終われば全て良し!」
マカはそう言うと右手でライムにピースを作り見事にスッキリとした笑顔を見せる。
「それ!結果良ければ全て良しだろ!」
「あ!そうか!…まー、全部一緒だよ♪ね♪」
苦笑いしか出来ない状態で二人が話していると二人の間をきれいに剣が通りすぎる。
「あー、すまねー、吹っ飛んだ。」
「だからやめて!って言ったじゃない!」
ライムはここにも不器用な奴がいたかと呆れ顔をしながら剣の飛んだ方を見ると、先程マカが取り逃がしたモンスターに綺麗に突き刺さっていた。
(なんか…変な所で命中力高くね!?)
内心驚いたが魔物が消えて落ちた剣を拾い上げる。
「すみません、マカさん、ライムさんも怪我は無いですか?」
「全然!」
「大丈夫だ。」
二人が無事なのを聞くとホッとして胸を撫で下ろすと、アゲハの方を向いて怒り出す。
「ダメじゃない!無闇に剣を振り回したら!当たったらどうするのよ。」
「大丈夫だって。」
そういいながらライムから剣を貰うとライトに渡して先に進む。
ライトも呆れ顔のようだ。
「…取り敢えず行くか…。」
ライムの声で三人はアゲハの元へと急ぐ。
「このゲーム…魔王を倒したら終わりって言ってましたけど…あとどれくらいなんでしょうか?」
「ううーん、まだまだありそう…」
「…お城もまだ見えないし…まだまだって感じだね…。」
「魔王にあったら、ギッタンギッタンにしてやる!!そんでもって早くゲームを終わらせる!!…そしたら皆で遊ぼうぜ!」
「いいね!それ!」
その時またまた、マカのいけない妄想が始まる。
(え!?本当に会うって事は…本当のアゲハに会えるんだ…ど、どんな人だろう…。)
ゲームクリアおめでとうございます!
「やったね!アゲハ!」
「おぅ!終わったな!!」
互いにハイタッチを交わすと現実の世界に戻り、目覚めた那奈は真っ先に約束の場所へと走る。
そこにいるのは会いたかったあの人…。
「アゲハ!…いいえ、貴方の名前は?」
「俺の名前は…」
「…カ…マカ?」
「ホへぇ…!!」
ライムに呼ばれて現実の世界に戻され、明らかににやけていた自分の顔をなんとか修正するが顔が熱い。
「遊ぶとしたらどこが良い…ってさ。」
「え、んー、そうだな」
目の前に広がるは潮風に揺れる髪。
真っ白な空。
広がる海。
「海!海が良いよ!!海ー♪」
そこにいるのはきっとあの人…。
「んじゃ決まりだな!」
さぁ、目を開けて!!
「マカ!前!」
パチ!
目の前にいたのはあの人では無かった。
一匹の巨大な蛇と目が合い、その瞬間マカの首に巻き付く。
「うわぁ!」
ビックリして大声を上げ、尻餅をついたせいか、蛇はマカの首筋を一噛みすると、一目散に逃げていった。
「大丈夫か!? 」
三人はマカに駆け寄ると、立ち上がるマカをみて一安心したようだ。
「大丈夫♪ちょっと噛まれただけだよ。」
「あー、もう!ビックリした…目を瞑って歩くなよな。」
ライムはそう言うとマカの服に着いた土を払い落とす。
「おいおい!マジで大丈夫か!?」
アゲハはマカの首もとをまじまじとみて怪我をしてないか確認すると腕を組んでため息をつく。
「うん!そんなに痛くなかったし…ビックリしたんだね♪ごめんねぇ!」
マカは姿の見えない先程の蛇に向かってそう言うと振り返り、皆の方をみる。
「…あれ?」
「どうしたんですか?」
ライトの方を見るがなんだか視界が歪んで見える。
気のせいだろうかと辺りを見回すがやはり視界が歪んでいる。
「ん、んー、何でも…」
その時急に体の力が抜け、その場へ倒れ混む。
「マカ!?」
「どーしたんたよ!」
「マカさん!」
三人の声は届かずマカはゆっくりと瞼を閉じた。




