前進
「ねぇちゃあぁん!」
鮮血を浴びるケンタロスはライトの腹部から腕を引き抜く、と同時にライトはその場へ倒れ混み、アゲハは何も出来ずライトへ駆け寄る。
「ねぇちゃん!おい!」
「…!だ、大丈夫…アゲハは先にいって…。」
」
精一杯力を込めながら起き上がり、腹部を押さえながらアゲハにそう言うと剣を地面に刺し、立ち上がろうとする。
「で、でも、ねぇちゃん…怪我してるし。」
震える手でライトを支えようとするが視界がぼやけ、なかなか手を差し伸べることができない。
「大丈夫だから…ね?先にいってマカさん逹を呼んできて?」
「で、でも…。」
「先にいってて…お願い。」
怯えた顔のアゲハの頭にゆっくりと手を添え、精一杯の笑顔でライトは送り出す。
アゲハも頷き、涙を我慢しながら走り出す。
(早くライム逹を読んで来ないと!!)
ただそれだけを考え走り始めた。
ライトは振り返り、ふらつきながらも立ち上がる。
ケンタロスは容赦なくライトに向かって体当たりをするが、ライトはふらつきながらもなんとか避けると、剣を振りかぶり、頭へと突き立てる。
「え?!」
消えた。
確かにそこに居たはずのケンタロスが。
あたった感触はした。
どこかにまだいる…そう思いライトは辺りを見回す。
「どこ?!」
腹部の痛みはリアルに刺されたように酷く痛む。
地面に膝をつけるように力なく座り混み、下をみると土に血が滴り落ちて、染みていた。
(あぁ、なんだか…こんな光景…前にも…見た…ような。)
ライトはそう思いながらその場に倒れ混んだ。
「…!!ねぇちゃん!?」
胸騒ぎを感じたアゲハは走っていた足を止め、振り返る。
(どうしよう…このままライム逹に会うか!?それとも…)
考え込む時間は無い。
アゲハは地面を蹴りあげ、勢いよくライトの元へと戻った。
何も考えないまま…ただ姉の無事を案じて。
脳裏に過る事は全部悪いことばかり、それを振り切りながら微かな希望だけを追い続けていた。
もう少し!
もう少ししたら!!
先ほどの場所へ出る。
そこには敵はいないが…ライトは地面に倒れていた。
「!ねぇちゃん!」
最悪の事態が起こってしまった。
アゲハは涙を拭くことも忘れライトに近寄る。
恐る恐る肩を揺らしてみる。
「大丈夫か!?ねぇちゃん!」
「…愁?行ったんじゃ…」
どうやら大丈夫のようだ。
だが、深傷を負っていて歩ける状況では無いことくらい誰でも分かる。
これから先どうやって進もうか?でも深傷を負ったねぇちゃんをここに置いていくわけにもいかない…二人が来るのを待つか?…いや、それも駄目だ…一定の所に居たら敵との遭遇率も上がるだろう…かといってどうする?俺は武器を持ってないし…ねぇちゃんは戦えない…。
頭の中が整理出来ないままアゲハはライトを背負う。
「ちょ、なにする気?」
「俺が背負ってライム逹との合流地点まで行く!」
「そんなこと、できるわけ…」
「いや!出来る!しないといけないんだ!」
「…。」
アゲハはそう言うと重い体を両足でしっかり支え、一歩ずつ確実に足を踏み出した。
もし敵が来ても…ねぇちゃんの武器を使って戦えばなんとかなる!なんとかしないたと!
頭の中でそれだけを考えながらアゲハはライトを背負いながら歩き始めた。




