二人の秘密事項
「いや!!!来ないで!!!」
「ねーちゃん!!」
「!!」
アゲハは起き上がり、またかとため息をつく。
「…」
カーテンを開けるとそこには昨夜と、同じく綺麗な月が顔を出していた。
「…」
一人孤独に浸っている時だった。
後ろから小さく声が聞こえる。
「寝れないの?」
驚いたようにアゲハが振りかえると、そこにはマカが優しそうな笑みを浮かべていた。
「…いや、ただ目が覚めたんだ。」
「前も…じゃない?」
「…そうかもな。」
俯くアゲハにマカはかける言葉も見つからないそのまま、時だけが過ぎていった。
「…何かあったの?」
意を決したようにマカから問いかける。
すると、アゲハは再び月を見上げ、しばらく考え込むと重々しく口を開いた。
「実は俺さ…」
「…う、うん。」
そこで真面目な顔をしたアゲハがマカの方を振り向く。
マカはそんなアゲハの顔を見て、真剣な話なんだ、と自分に言い聞かせ、マカも真剣な表情でアゲハを見つめる。
「好きなんだ。」
そう言いながら、アゲハはまた月を見上げる。
「うん、…へ?」
マカは間抜けな顔を見せて、今さっきアゲハが言った言葉を頭の中でもう一回リプレイする。
(え!?何が?あ、あたしの事が??!嘘だよね??!だって会ったばかりだし!それに!!ゲーム中だよ!!!?え!!!?でもさ!!!えーーーーーーー!!!!!)
マカの頭の中は混乱状態でてんやわんやになり、挙げ句の果てには頭がパンクしその場にぶっ倒れる。
「♪月がな♪…ん?マカ?」
アゲハが笑いながら振り返ると、マカは目を回しながら顔を赤らめて倒れていた。
「おーい、マカー?…何だ、寝たのか、さー、俺も寝よーっと、マカもベッドで寝ろよー。」
そんな間抜けた言葉もマカには届かず、アゲハも自分のベッドにはいると、腕を頭で組み、天井を見つめていた。
「なんてな、本当は月なんて大っ嫌いだ。」
そうアゲハは小さく呟く。
目を閉じたらまた思い出すだろう。
あの日のことを。
そんなことを思いながらアゲハは寝返りをうち、再び瞼を閉じた。
一方マカの方は完全に何かにうなされていた。
その日の朝。
「マカさん…」
自分の名前を呼ばれ我に戻ったマカは飛び起き、辺りを見回す。
すぐ横に心配そうに顔を覗くライトがいた。
「…あれー?あたし…なんで、こんなところで。」
「大丈夫ですか?朝起きたらマカさんが床で倒れていたので心配しました、何があったんですか?」
ライトはマカのベッドの方を見ると、視線をマカにもどした。
「昨日?昨日は…あーーー!!」
急に大声を出し、立ち上がるマカにライトはビックリし、身を縮こめる。
「ど、どうしたんですか!?」
「ライト!!」
急に顔を赤らめて、縮こまったライトの手を握り、顔をこれでもかと近づける。
「は、はい!」
「…あ、あたし…どうしたら良いと思う?」
「え?えーっと何を…で「そうよね!!やっぱりそうよね!!?」あ…はい、そう思います。」
分かったわ!!と右手で拳を作り、立ち上がると何かに燃えていた。
それを見たライトはぽっかりとその光景を見守っていた。
その時マカの大声で二人が起きる。
「マカはいつも元気だな。」
ライムが不機嫌そうに呟くとマカも普通におはようと挨拶を交わす。
すると、アゲハが近寄ってきておはようと三人に声を掛ける。
「マカおはよ「おはよう!!!!」え?あ、うん、おはよう?」
あまりのマカの威勢の良さにすこばかり後ずさりをし、近くにいた二人も少し驚いていた。
生き生きとアゲハを見るマカの顔は何を訴えているかはわからないが、とてつもなく輝いて見えた。
宿を出て、次の町へ進んでいく四人。
いくつかのモンスターに遭遇するも、難なく倒し旅は順調だった。
その時アゲハがマカに近づきこそこそと話をしだす。
「なに?」
「昨日のこと誰にもいうなよ!」
「そんなの言うわけ無いよ!!!」
「え?…あ、うん。」
「あ、あたしは…いつでもウェルカムだけど、も、もうちょっとお互いの事を理解した方が…」
「…?」
顔を赤らめながら素っ気なく視線を反らし、何でもないと走り去るマカを見て、アゲハはポカンとしていた。
「…どしたんだ?」
アゲハはそんな事を考えていると、背後からモンスターに襲われそうになり、寸前の所で交わし、モンスターとの戦いに専念した。




