初戦闘
空は晴天
心地よいそよ風に綺麗な花たちがなびく。
そんな至って平穏そうな野原では数々のモンスターがいた。
「きゃー!可愛い~!」
白い大福餅のような形のモンスターに抱きついているのはマカ。
「おま!ちょっ!たおせないだろ!」
少しあたふたしながら鉄砲を持っているのはライムだった。
「マカさんは可愛モンスターが好きなんですね。」
そう言いながら次々とモンスターを倒していくのはライトだ。
「いや、ねーちゃん…そこ共感するなよー」
突っ込みを入れながら戦うのはアゲハ。
今四人は広い草原でモンスターと戦っている。
一名戦っていないが。
マカがモンスターと戯れている間、ライムがマカに近づくモンスターを倒していた。
「マカー、さっさと戻ってこいー。」
棒読みでマカに問いかけるライムは近くにいたモンスターに狙いを定めていた。
「はーい♪いや、それにしても可愛いなぁー♪連れて帰ってもいい?連れて帰ってもいい?」
「ダメだ!あと、二回言わなくても良いから。」
「えぇー!何で?こんなに可愛くて危害を加えないモンスターなんて、いないよー?」
そう、マカの言う通り、確かに今はマカに一切の危害を加えていない。
「ダメだ。」
「どうしても?」
「だめ。」
膨れっ面になったマカを見て、ライムは何事もないように近くのモンスターを次々と倒していく。
そして、同じく膨れっ面のモンスターはマカに抱かれ、次第に怒りをあらわにする。
「あーあー、可愛いのになー、モコモコしてて、あ!」
急に逃げ出すモンスターを二人は目で追いかける。
ライムはすぐさまマカの近くに寄り、いつでも戦闘できるよう体制をとる。
すると、モンスターはある程度距離をとり、マカの方を向くと、立ち止まった。
そこに二人も集まり、モンスターの様子を伺う。
モンスターは身体中から赤い煙を出しながら、力を入れ始める。
「何…する気だ?」
ライムが疑問符を口に出した。
だが、その場にいたみんなは頭を傾げるしかできなかった。
モンスターは力を入れる度にどんどん膨らんでいき、そして、赤い煙がモンスターの周りを覆い尽くした。
そして、巨人の歩くような物音と共に霧から出たのは、全長10メートルはあるほどまで膨れ上がった、先程のモンスターだった。
その大きさに四人は口を開けて、呆然としていた。
マカも地面にへたりこんだまま、モンスターと目が合うと、苦笑いを浮かべ立ち上がる。
その瞬間モンスターが四人に襲いかかってきた。
でかいわりにジャンプ力もあり、四人を踏み潰そうとしていた。
モンスターが地面に着地する度にその場所はひび割れ、大きな音を出していた。
「いやー!!可愛くないーーー!!」
マカもそう言いながら全速力で逃げ出す。
「マカ!さっきまで可愛いって言ってたじゃん!!」
そう言いながら、ライムもマカにつられて走り出す。
「大きいです~!」
「まぢかよー!」
四人はとりあえず距離を置くために全速力で逃げる。
「お!おい!マカ!魔法!魔法!」
「はい~!」
そうアゲハに言われ、マカは立ち止まり、呪文を唱える。
「待ちなさい!あんたの好きにはさせないわ!」
(いや、今まで好き勝手に抱いてたよね!?)
誰しも心の中でそう突っ込んだ。
そういっている間にもモンスターは襲いかかってくる。
「い!いくわよ!」
ドシーン
ドシーン
「…」
ドシーン
モンスターが目の前まで来るとマカはクルリと向きを変え、ライム達の方を向くと、全速力でまた逃げ出す。
「いやー、やっぱり無理~!」
「何でだーーー!!」
そう突っ込みを入れる三人も同時に逃げたし、先程と同じ展開に。
「おいマカ!どーするんだよ!」
「どーしようかー。」
「えぇー。」
ライはため息をつくと、立ち止まり、モンスターにむきなおす
「もーこれじゃ良知があかない!あたしが殺る」
そう言いながらライムは、持っていた銃を乱射した。
モンスターの体には幾つもの穴が開き、まるで風船が割れるかの様な破裂音と赤い煙と共に消えた。
「おー、さすが。」
感心するマカにライムはガツンと一発かまし、突っ込みを入れる。
「ちがうだろー!」
そんな突っ込みをアゲハとライトは見ながら笑っていた。
「もー、痛いな~、あーでも楽しかったな~。 」
「もーいいから~。」
三人に突っ込まれ、マカは少し照れ笑いを浮かべていた。
「まー、お説教はここまでにして、明日次の町を目指すか。」
ライムは皆の顔を見ると、遠くにある森を見つめた。
「そうですね。まだ武器も揃ってないですし…その方が良いと思います。」
「今日もここで宿に泊まるか。」
四人は装備のこともあり、とりあえず、今の町にとどまることにし、歩き始めた。
その時マカはふと、昨日の夜のことを思いだし、アゲハの方をみる。
アゲハはそれに気づくことなく、ライムと戯れていた。
(おかしーな。)
マカは疑問を抱きながらも、心のすみにしまっておいた。




