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放火1
どうぞ
俺の家が燃えている。
元々たいして何も無かったが、別に何とも思わない。
自分の物は既に外に出している。
アパートの住人は俺以外に3人いるが皆外出している。
戻って来た人が泣いているのが見える。
人がここまで悲しんでいるのを見るのは久しぶりだ。
声をかけてみても俺を疑おうともしない。
俺が火をつけたのだ。
しかし誰もが何かの事故と思う。
最初から人を疑うことなど頭に無いのだ。
俺は悲しいふりをしていたが、心の中では無表情だった。
さて、これからどうするか。
みんな助け合おうとして、新しい家を見つけようとする。
俺は必要ないと断った。
どうも