第6話
はい、白状します。
天然素材使用のラブコメとは真っ赤なウソです。
合成着色料使用のギャグです。
恋愛ジャンルに投稿して申し訳ございません。
ラブコメ要素もちゃんと入れるから許して。
我は呪いの書。
中世ヨーロッパにて、魔女狩りを逃れたモノホンの魔女が、迫害をした人間どもへの復讐のため、生涯をかけて編み出した、様々な呪法が記されている黒魔術書である。
使用すれば相手はもちろん、術者本人も破滅する。
まさに禁忌の書物。
この力で今まで様々な災厄を呼び出してきたが――
「テメェ‼ 矢吹‼ ゴルァ‼ チン〇見せてみろ、ゴルァ‼」
……下半身を丸出しにした変態を呼び出したことはなかった。
って言うか、これ別に我が招いた惨状じゃねーし。
『変態だぁぁぁぁぁ‼』
叫ぶ愛実&龍幸feat男子生徒――たしか矢吹だったか?
まぁ、こんなん乱入してきたら叫びたくもなるわな。
(なっ‼ なんて破廉恥な‼ 人前で下部を晒すなど‼ ……以外と小さいな)
ちなみにロッカーに入っている怜香はと言えば、手で目を覆いつつ、指の隙間からしっかり覗いていた。しかも、結構失礼なこと言っている。
そういうことは言ってやるな。事実でも。
「あ、あ、青柳君!? なにやってんの!?」
「芳野ぉ‼ そいつを引き渡せぇぇぇぇぇ‼」
「とりあえず落ち着きなさいよ。ここには女性もいるんだから、パンツぐらい履いた方がいいって‼」
極めて真っ当な意見で、青柳を説得する龍幸。
そんな真摯な態度が高じたのか、青柳は冷静さを取り戻し、事情を話し始める。
「そいつが俺の彼女を寝取ったんだッッッ‼」
「なるほど……実際は?」
「いや、普通に告白されて、普通のお付き合いしてたんですが!? あと、知り合いがいやらしい目つきで見て困ってるって言ってました」
「なるほど。大変でしたね」
「お前、どっちの味方だよ⁉」
「少なくてもキミじゃない」
「ちくしょおぉぉぉぉぉ‼」
冷徹に言い放たれ慟哭する青柳。仕方がないだろう。
こんな変態の味方したら人間性を疑われる。
「だいたい、それでなんで下半身丸出しにして、追いかけてるの? それじゃあ、まるで変態じゃないか」
いや「まるで」じゃなくて、事実、変態だろう。
「それには深い事情があるんだよ‼」
「事情?」
「菜々美が俺以外の男を好きになる理由が思いつかなくってな……考えた結果、そいつのチン〇がエロマンガに出てくるマジカルチンーー」
「部長、帰りましょう」
「そうね。時間の無駄ね」
「聞けよ最後まで‼」
いや聞きたくねーよ。完膚なきまでに時間の無駄だわ。
二人のいちゃいちゃに水を差されて、我、ご立腹なんですけど?
いい加減、呪い殺したくなってきたんですけど?
「見つけたぞー‼ 青柳ぁ!」
「無駄な抵抗はやめなさい‼」
「もう素直に自首してくれ‼」
そんな時、ちょうどタイミングよく猿渡教諭と山南・月島コンビがさすまたや縄を持って突入してきた。
どうやら、この変態を確保するために走り回っていたようである。
ご苦労様です。
「確保ぉーーーーー‼」
「おらあああああ‼」
「ぐあーーーーー‼」
猿渡の持ってきたさすまたで壁際に張り付けられ、月島の手で簀巻きにされる青柳。
「先生‼ 月島君と山南さんも‼」
「遅くなってすまん‼ こいつ、すばしっこくって‼」
「ウキー‼ ウキー‼」と興奮した猿のように暴れまくる青柳を拘束しながら、猿渡は言った。
「これ以上、この学校の不祥事を増やしてたまるか‼ いい加減、校長の髪の毛がなくなるぞ‼」
「教頭先生に至っては胃潰瘍ですからね」
「これも世の乱れか……」
いや、むしろ呪われてるだろ、この学校。
元凶は我じゃないけど。
「とにかく、青柳‼ お前はしばらく停学だ‼ 反省しろ‼」
「だってよぉ‼ 先生‼ こいつが俺の彼女を‼」
「いや、完全に筋違いな僻みでしょうが。素直に罪を認めなさいよ」
そう言って山南が青柳を立たせようと手を伸ばす。
「ほら、こんなバカなことやってないで、ちゃんと反省して新しい恋を探しなさい」
口では仕方ないと言いつつも、手を差し伸べる姿勢、嫌いではない。
相手は選ぶべきだったが。
「ガブッ‼」
『………………………………』
その瞬間、一同は凍り付いた。
青柳は差し伸べられた手を握るどころか噛みついた。そして……
「カカカカカカカカカカカカカカカカッ‼」
「おぎゃああああああああああああああ‼」
千切らんばかりに噛みまくるッ‼
山南は悲鳴を上げて、転倒。
血まみれになった手を抑えながら、悶える。
「手がぁぁぁぁぁ‼ 手がぁぁぁぁぁ‼」
「山南さんんんんん‼」
「山南ぃ‼ しっかりしろぉ‼ 傷は浅いぞぉぉぉぉぉ‼」
負傷し倒れる山南に駆け寄る拓郎と猿渡。
拘束が緩んだ隙を見逃さず、青柳は逃走。
矢吹と愛実の方向へ駆け出した。
「どけぇぇぇぇぇ‼」
「うわぁぁぁぁぁ‼」
「こっちくんなぁぁぁぁぁ‼」
矮小な【モノ】を揺らしながら突進する青柳と悲鳴を上げる二人。
万事休す。そう思われた瞬間、龍幸が間に割って入り――
「させるかぁぁぁぁぁ‼」
「ちょうしゅうううううう!?」
見事ラリアットが炸裂‼
グリンと一回転し、ダウン‼
白目を剥いて失神KO‼
「今だ‼ 取り押さえろぉぉぉぉぉ‼」
「死ねぇぇぇぇぇ‼」
「オバキルッ⁉」
手を噛まれた恨みを晴らさんと、顔面に山南がエルボードロップ。
そしてそのまま、胴上げの態勢に持ち込み、青柳を連行。
【お粗末さん】をプラプラさせながら、廊下へと出て行った。
「部長、大丈夫ですか?」
「え、えぇ……龍幸は?」
「えぇ、僕も大丈夫……?」
そう言って手を上げようとするも上がらず、見れば腕がプランとしてる。
……どうやら、ヤっちまったようである。
「あああああ‼ 折れたぁぁぁぁぁ!?」
「龍幸ぃぃぃぃぃ!? 先生ぇぇぇぇぇ‼ ドクタープリーズ‼」
「落ち着いて‼ 俺が龍幸を運びますから‼」
今になって痛みを感じ、悲鳴を上げる龍幸と慌てて保健室に連れてく愛実と矢吹。
そして、誰もいなくなった部室で一人、小泉はロッカーから出て呟く。
「なぁに? これ?」
我も聞きたい。
・小泉玲奈 87/61/87
とある退魔組織の期待の新人。
やる気は人一倍あり、成績優秀・スポーツ万能の次期生徒会長候補だが、どこか――かなり抜けてる。
あと、むっつりスケベ。
名作はダイパ。リメイクは認めん。
・青柳
ド変態極まりない男子生徒。
拓郎とは同級生でオカルト研究部にエロ本を隠してる。
勝手に告白し、勝手に脳破壊し、勝手に珍走しこの度、めでたく停学。
・矢吹
一番の被害者。
これから先も苦労が待っているが、がんばれ! 超がんばれ‼
面白いと思っていただければ、お手数ですが「いいね!」もしくは、下の☆☆☆☆☆から評価ポイントを入れて下されると幸いです。
むしろ、両方やってください!
この作品の大体の世界観が分かる作品のあれこれ
追放されし者たちの話
https://ncode.syosetu.com/s1979f/
作者の人間性が大体わかる作品のあれこれ
世にも奇妙な王道ファンタジー
https://ncode.syosetu.com/s6617g




