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玉露の秘薬と、妃の影 〜後宮の片隅で香と医術をひそやかに〜  作者: 楠木 シオン
第一章:翠華宮にて
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第6話:毒の痕跡と、揺れる信頼

夜更けの薬房には、静寂と緊張が漂っていた。シンファは手袋越しに細かな粉末を慎重に観察し、顕微鏡代わりの小さなレンズを通して成分の変化を探っている。


「これは……ただの茶葉じゃない」


彼女の声は震え、呼吸は浅くなる。成分に混入された微量の毒物が、確かに存在していた。



一方、李華は宮廷の闇を調査しながら、影で様々な情報を収集していた。


「後宮の者たちも、皆が味方とは限らない……」


彼の眉は険しく、信頼と疑念の狭間で揺れていた。



薬房に戻ったシンファは、沈婆の言葉を思い出す。


「おまえは一人じゃない」


しかし、誰が味方なのか、まだわからなかった。


その不安が、心の奥に冷たい影を落とす。



翌朝、茶葉の成分分析の結果を携え、シンファは李華と密かに会う約束を交わした。


「これはただの事件ではない。後宮の権力争いの一端だ」


李華の言葉に、シンファは覚悟を決める。


「共に、この闇を晴らしましょう」



しかし、その会話を密かに覗く者がいた。暗闇に隠れ、冷たい視線を向けるその影は、後宮の秘密に深く関わっている者であった。


「ふふ……おもしろくなってきた」


低く響く囁きが、闇夜に消えていった。

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