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プロローグ Episode.1
それは見たことのない摩訶不思議な超常現象だった。
これまでに上空を流星群が通過したり、偶然にも最も近い北西の大陸に隕石が飛来するところを目の当たりにしたりしたことがあるが、今回飛来したのは、明らかに異質なものであることは一目散だった。
そういえば小さい頃、遥か北の大陸で"光のカーテン"を見たという冒険を描いた絵本を読んだことがあった。俺はこのような現象に興味を持ち、当時祖父にどうしたらこんな現象ができるのか、目を輝かせながら質問していたのをふと思い出した。
おそらく今俺が目にしているのは、この光のカーテンに似た現象なのだろうが、好奇心なのか、それとも恐怖心なのか、手が少し湿っていた。
そして、光のカーテンの先で赤く燃え上がっていた大きな火の玉が、この大陸に降り注いだ。