九話
「お久しぶりです。アリサ団長。」
レイチェルがそう言って頭を下げた。
「久しぶりですね。レイチェル。ですが今の私は団長ではありません。主様にお遣いする奴隷の1人です。」
アリサがそう言った。そして
「レイ殿と言いましたね。アリサ殿を・・・」
レイチェルがそう言おうとしたところ
「奴隷からの解放は望んでいませんよ。」
アリサが先にそう言った。
「ですが・・・」
レイチェルが何か言うとするが
「私は、主様に出会わなければ、すでにこの世にはいませんでした。主様が私を救ってくださった。だから私は主様に一生の忠誠を誓いました。なので解放は望んでいません。」
アリサがそう言った。
「アリサ団長・・・貴女は昔からそうでしたね。頑固なところは・・・」
レイチェルの諦めたかのようにそう言い
「アリサ団長を救っていただきありがとうございました。」
レイチェルが俺に頭を下げた。
「別に大したことはしていない。それよりも・・・」
「そうですね。今はもっと大切な話がありました。」
そう言い、レイチェルは俺たちに席に座るよう指示した。
「先ほどは失礼しました。それでは本題に入ります。」
そう言ってレイチェルが話を始める。
「現在、我が軍はローベル国の要請によりサウス帝国との戦争に後方支援という形で参戦しています。また、現在は前戦にジン殿がいるため、戦争自体は優勢でありますが、それでもサウス帝国の兵がいくらかこちらに流れてきている状態です。」
レイチェルが話では、サウス帝国の兵が日に日に増えてきているとの事。そのため、怪我人が増えてきているため、回復要員を送って欲しいと要請したとの事。
「それで、俺たちが呼ばれたと。」
「そうなります。」
そうレイチェルが言った。
「付け加えるなら、貴女が他の人よりも高位の回復魔法を使え、また戦闘も可能という事が分かって言うため、今回、貴女に来ていただく様ブラッド殿に相談させていただきました。」
「なるほど。」
俺は頷いた。
「今後は、我々の陣にて待機し、重傷者を中心に回復魔法をお願いします。」
今後、戦いが激しくなると予想し、重傷者を中心に治療、軽傷者に関してはポーションなどで回復したり、後方で回復魔法をかけてもらうなどしてもらう予定だ。
「わかった。」
俺はそう言った。その後は今後の予定や現在の戦場の様子などを話、この日は解散となった。
その夜
「少しお時間をいただいてもよろしいですか?」
レイチェルが俺たちのテントにやってきた。
「構わないけど・・・」
俺はそう言ってレイチェルを向かい入れた。
「ありがとうございます。」
レイチェルはそう言ってアリサの方を向いた。
「先ほどはあまり話が出来ませんでしたが、ご無事で何よりですアリサ団長。」
「レイチェル。私はもう団長ではないと言ったでしょう。」
「そうかもしれませんが、私にとっては団長です。」
レイチェルがそう言った。
「アリサ。少し席をはずそうか?」
「いえ、このままで構いません。」
アリサがそう言ったので、俺とエイはそのまま二人の話を聞いていた。どうやらレイチェルはアリサの部下だった様で、帝国の戦いの話をしているようだ。
「しかしアリサ団長は、あの時、我々を逃がすために囮になったはずでしたがどうやって、生き残ったんですか?」
レイチェルの問いに
「生き残ったと言っていいのかどうか微妙でしたが・・・」
アリサの話では、あの後、帝国の援軍によって、成す術なく捕まってしまったそうだ。その後は以前アリサが話していたように、奴隷にされ、最終的にあの状態で売られてしまったそうだ。
「その後、主様に出会って傷を治していただきました。そして、私の新たな主として忠誠を誓ったのです。」
そうアリサが言った。
「そうだったんですね。」
そうレイチェルがいい
「レイ殿は、相当の聖魔法の使い手の様ですね。」
「そうなのか?」
確かに俺は聖魔法を最大まで上げたけど・・・
「ええ、話を聞いた限りでは団長の傷は普通の回復魔法では治らないでしょう。なのに完治させてしまったのですから、これはすごい事です。」
「そうか・・・」
勢いよくレイチェルがそう言ったので俺は苦笑いした。
「ではエイ殿もそのときにレイ殿の奴隷に?」
「はい、私もご主人様に傷を治していただき、それからは一緒にいさせてもらっています。」
そうエイが言った。
「そうですか。良き主に出会えたんですね。」
その後、俺たちはレイチェルを含め、親睦を深め合った。




