十二話
「かしこ参りました。少々お待ちください。」
そう言って男性は奥に入って行った。しばらくして
「待たせたな。ワシがここの責任者だ。」
そう言って出てきたのがイカツイドワーフのおじさんだった。
「それで、これを売りたいと言っていたが本当なのか?」
「ああ、本当だ。」
俺は即答する。
「そうか。正直、この二本はどちらも国宝級の物だぞ。もしかして盗んだんじゃないよな。」
ドワーフのおじさんがにらんできた。
「いや、盗んでいない。疑うなら、門にある水晶で確認でもするか?」
この国に限らず、身分証が無い場合は水晶で犯罪歴がないか調べられる。
「いや、そこまで自信を持って言うのであれば、これは盗んだものじゃないのだろう。」
そうドワーフが言った。
「ふむ、この二本を買い取るとなると、それなりの金額になるな。」
「そうなのか?なら、この店で装備や武器を買いたいので、その二本の金額から引いてもらうのは可能か?」
「ん?ああ、それでいいなら問題ない。で、そう言ったのが希望なんだ?」
「今、仲間の二人が選んでいるから少し待ってくれ。」
俺はそれだけ言って二人の所に向かった。まずは
「主様。これなんていかがでしょう。」
アリサは騎士風の鎧をまとって現れた。白をメインとした鎧に青いマント。そして、片手剣。さすが元騎士団長なだけある。
「似合ってるね。それにする?」
「主様の気持ちはうれしいですが、さすがに・・・」
お金のことを気にしているみたいだ。もしかして、以前、騎士の姿を見てみたいって言ったから着たって感じなのかな?
「ああ、その鎧なら、さっきの武器で十分だ。むしろ、お釣りがくるくらいだな。」
ドワーフがそう言った。
「なら、それで決まりだな。アリサにはその恰好がなってるぞ。」
「主様・・・わかりました。これにします。」
アリサの装備が決まった。そして
「ご主人様。私はこれにします。」
「メイド?」
確かに、エイにメイド服を着せてみたいって言ったけど・・・これから戦場に向かうんだけど・・・
「ああ、そのメイド服なら戦闘も出来るぞ。見た目によらず結構、いい生地を使っているから破れにくく、燃えにくいときてる。実際、王宮の戦闘メイドなどは、その生地を使ったメイド服を採用しているようだ。」
さらに、ドワーフに捕捉された。
「あと、スカートは長いがちゃんと手を入れるよう切り口がある。そこから、短剣などを出して戦えるってわけだ。」
「なるほど・・・」
以外と凝っているんだな。俺は感心した。
「まあ、エイがそれでいいのであれば俺は構わない。」
そう言ってエイの装備が決まり。その後、ミスリルの剣と短剣をそれぞれ買い、最後に
「先ほどのメイド服の生地が残っているのであれば売ってくれないか?」
「ん?生地か?ああ、まだたくさんあるから問題ないぞ。」
その後、俺は白と赤の生地を買い店を出た。
「ご主人様。その布、何に使われるんですか?」
「ん?ああ、これか。実はエイにお願いがあってな。」
「私にですか?」
俺は、エイに巫女服を作ってもらう事にした。
「ミコ服?ですか?」
俺は簡単に前世の知識を利用し巫女服の形状などを説明した。
「・・・わかりました。やってみます。」
「ああ、頼んだ。」
そう言って俺はエイに生地を渡した。
「あとは黒染めかな?」
「黒染めですか?」
今度はアリサが聞いてきた。
「ああ、もう男装はやめにしようと思ってな。ただ、このままだと俺がアイリスの姿だとバレてしまう。そのため、せめて髪と目の色を変えたいと思ってな。」
髪型を変えるなど、いろいろ方法があるが、固定スキルのせいで、髪を切ってもすぐに元の長さに戻ってしまう。そのため髪型を変えることが出来ない。なのでせめて色を変えてわかりにくくしようと思った。
「それなら、道具屋にありますよ。」
「本当か!」
「ええ、近くにありますのでよって行きましょうか?」
「そうだな。」
俺はそう言った。
「ご主人様。私は先に戻っていますね。」
エイがそう聞いてきたので
「ああ、わかった。」
俺はエイにそう言って、アリサを連れて道具屋に向かった。
それから5日後
「うん、完璧だ!」
まさか、5日で巫女服を作ってしまうとは・・・さすがエイという所か・・・
「サイズもばっちり。見事に再現されている。」
俺はエイをほめながら刀を腰に差す。まあ、靴は革靴だが、ここは仕方ない。
「(向こうでは巫女服が好きだったからな。まあ、自分が着る日が来るとは思わなかったが。)」
今回だけは自分が女であることに感謝した。
「(だが、俺は諦めたわけじゃない。必ず元に戻って見せる。)」
俺はそう決意し、指定された場所に向かうのであった。
二章はここまでです。しばらく休載したします。




