七話
「ここが、冒険者ギルドか・・・」
俺は昨晩、アリサとエイに挟まれた状態で寝ることになった。正直、寝れなかった・・・
「(今日は、三人部屋にしたい・・一人の方が落ち着く・・・)」
昨日は流石に参った。固定スキルを持っているはずなのに疲れてしまった。
「(まあ、今夜の事は後で考えて、今は・・・)」
俺は二人を連れて冒険者ギルドの扉を潜った。テンプレなどは特になくスムーズに受付まで進めたのはいい事だ。いや、テンプレを期待していたわけではないが・・・
「本日は、どのようなご用件でしょうか?」
「後ろの二人の冒険者登録をお願いしたい。」
「後ろの二人と言いますと奴隷の二人でしょうか?」
「ああ、そうだ。」
「かしこまいりました。それではこの用紙に記入をお願いします。」
そう言われ、二人に用紙を記入させる。エイは字が書けなかったようなので俺が代わりに書いた。
「これで二人の登録は完了です。」
受付にそう言われた。
「ところでレイ様は聖魔法をお使いになれるとか?」
やはり、冒険者ギルドには知られてしまっていたか・・・
「ああ、そうだけど・・・」
「でしたら、このような依頼はどうでしょうか?」
受付がそう言ってきたが
「すまないが、俺はEランクだ。指名依頼は出来ないぞ。」
「その件でしたら、レイ様はCランクまで昇格が可能です。」
「なぜ?」
話を聞く限り、魔力持ちで冒険者をする者が少なく、さらに希少な聖属性に関しては無条件でCランクになることが可能らしい。
「すまないが、昇格はなしで。Dランク以上にはなるつもりはない。」
「え?なぜですか?」
「指名依頼など受けたくないからだ。」
「中にはそう言った方もいらっしゃいますが、レイ様もそう言ったタイプですか?」
「ああ、そうだろうな。」
「そうですか。残念ですが強制はできません。ではDランクまで昇格の手続きをしてもかまいませんか?」
「ああ、それで頼む。」
それはそう言った。その後、俺はDランクのプレートを受け取り、冒険者ギルドを後にした。ギルドを出た俺たちは、まず近くの森に向かい、訓練の成果を試すためにモンスター退治をすることにした。
「ご主人様。モンスター討伐であれば、ギルドで依頼を受ければよかったのでは無いですか?」
エイにそう言われたが
「確かに依頼を受けた方が、依頼分の報酬も支払われるけれど、失敗した場合は違約金が出るから、必ず成功するもののみ依頼を受けた方がいい。依頼なしの討伐であれば、モンスターの素材だけ売ればお金になるから、俺たちが損をすることはない。」
それに今回は依頼より、訓練の成果を試したいだけだと、エイに伝えた。
「わかりました。頑張ります。」
エイがはりきってそう言った。
「(今のエイがどれくらい強くなったのだろう・・・)」
俺はそう思い鑑定を使った。
名前:エイ
種族:ハーフエルフ
性別:女
年齢:12
状態:健康
スキル:【通常】
料理:8
裁縫:7
努力:5
調合:4
短剣術:3 new
剣術:2 new
体術:2 new
【その他】
隠密
【固有】
なし
戦闘スキルが3つも増えている。これはいい事だ。その他のスキルも少し伸びている気がする。
「(やはり、エイは優秀だな。)」
俺は改めてそう思った。そして
「ご主人様。やりました。」
エイが俺に向かってそう言ってきた。
「おお、すごいな。ほんの数日前まで戦闘経験がなかったのに・・・」
エイの周りには3匹のゴブリンが倒れていた。
「まだ、ゴブリンくらいしか倒せませんが・・・」
「いや、初めてにしては上出来だ。そうだろう、アリサ。」
「ええ、初めてにしては十分ですが、もう少し肩の力を抜いたほうが、もっと良い動きが出来るはずです。」
アリサがそうエイに言った。
「わかりました。気を付けます。」
エイがそう言う。
「さて、今度は、俺の番か。」
俺はそう言って、刀を抜いて構える。
「以前より、少しはましになったはずだ。ゴブリンよ、少し俺の練習に付き合ってもらうぞ。」
俺はそう言って、ゴブリンに向かって走り出した。




