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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ポケット・バイ・クレープ

作者: 森川めだか

ポケット・バイ・クレープ


「少々お待ち下さい」

「どうせ居留守だ」

ホテルの一室に若い男と女が二人。

リヨン。

「取り次ぎますか?」

デンプシーは受話器を置いた。


共通の友人を介して二人は今ここにいる。

「説明するわね」

マヌカが切り出した。

「私の知ってる範囲だけど・・」

デンプシーはソワレの空を見た。

「ある大使が持ってる物を狙う。それには保険金がかけられてる。その保険金をもらう」

知人を介してだからどこかよそよそしい。

「私達には何の価値も無い」

「俺の取り分は?」

「山分け」

マヌカはベッドに足を放り出した。

「エクレア」

エクレア?

「三人で分けるから」

デンプシーは銃を取り出した。

「自分の手の内を見せておいた方がいいだろう」

マヌカは逡巡した。

「私はナイフを使う。銃より早い」

「ミラーは?」

「・・あいつは剃刀を使う」

ホテルの電話が鳴った。

デンプシーは銃をしまった。

「どんな手段でも」


「今どこにいると思う?」

マヌカに電話を替わった。

「ホント、静かすぎて怖いくらい」

デンプシーは箝口(かんこう)だ。

「どこそこ?」

マヌカは話しこんでいる。

「てっぽー」

マヌカはデンプシーをチラと見た。

「マージン?」

デンプシーはマネークリップを開けた。

マヌカがデンプシーの耳に受話器を押し当てた。

「タダ働きはしない。情報料。前払いだ」

高い電話代だ。

「現金持ち歩く趣味ないの」

マヌカはデンプシーの腕時計に目をつけた。

「それ、プラチナ?」

デンプシーは外して裏蓋を見た。

「腕時計に金かける神経が分からない」

「今、どこにいるって?」

「ダッカ」

受話器を取り上げると、マヌカは「死んでやる」と叫んで切った。


「プラチナはあんたが出す」

マヌカは指差して笑った。


デンプシーはその日のうちに銃を分解して旅行用バッグに詰めて空港に発った。


ダッカの空港に着くと、出た所でマヌカがもう待っていた。

「待ちくたびれた」

マヌカは小さな袋しか持っていなかった。

「ニコちゃん」

マヌカはデンプシーの旅行カバンのシールの所をわざわざ蹴った。

「ホテルの場所、私しか知らないんだもん」

手荷物検査で並ばされる。

デンプシーの荷物は無事通った。

「これは・・」

マヌカの袋から大振りのナイフが取り出された。

「いいわよ、別に」

「没収します」


「いいのか?」

「ナイフならどこだって売ってるし」

緑色の夏。

糠床みたいな街だ。

暑苦しい。


ホテルの一室で会ったミラーはいつもと変わらない暗い顔をしていた。

デンプシーは腕時計を外して渡した。

「狙うのはブラウニーっていう大使だ。そいつが肌身離さずねずみ色のドキュメントケースを持ってる。いいか、ねずみ色だ」

デンプシーは旅行バッグを横に置いて銃を組み立て始めた。

「ピス・・」マヌカが小声で笑った。

隠し小銃をホルスターにセットした。

「気分症なんじゃないの」

「室内ならミラー、至近距離まで近づけそうならマヌカ、遠距離なら俺が撃つ。どちらにせよ奪うのはマヌカだ」

「珍しく長く喋ったな」

マヌカは下唇に手をあてて考えていた。

「それでいきましょう」

「ラマダンの時期に当たる」

ミラーはレースカーテンから外を見た。

「名前を分けないと」

「ショコラでいい」

「簡単ね。私はクリームだからベンジャミン。ミラーはパンだけど?」

「シルバーロングかな」

「ブラウニーはジェラートね」

「下見に行こう」


三人はなるべく目立たないように街を歩いてスーパーに入った。

「ハラルされた物しか食べちゃいけないんだって」マヌカがカートを押している。

「許されたものって意味だ」

「ここで話せるのってシルバーロングだけよね?」

「豚が神聖な生き物だ。それだけは忘れるな」

じゃあブギも駄目なのか。

「お隣の国では牛でしょ?」

「牛も豚も肉は駄目らしい」

「ナマステ」マヌカがレジで両手を合わせた。


ショコラは煙草を吸う。

「あんたのその、あれはどうなの?」

「脳味噌まで吹き飛ぶ」

「私がやるしかないわね」


翌朝になると、マヌカの服が脱ぎ散らかされていた。

ミラーはもう街中に隠れている。

雑踏の中を「いつも通る道だ」と教えてくれた。

デンプシーも外に出ると、そこには少年に化けたマヌカがいた。

レッドチェックのシャツにベースボールキャップ。

耳を出す。

目深。

薄く笑っていた。

「すっかりベンジャミンでしょ?」

クロップドパンツがカーゴパンツに見えた。

「それは目立ちすぎだろ」

「?」

「いや、すまん」

「光線の具合でしょ?」

マヌカがポケットに手を入れて歩き出した。

よく見える屋外の階段の踊り場に着いた。

殺しとハラルは似たとこがある。

一連の作業には正式な手順がある。

デンプシーはマヌカのベースボールキャップを追った。

ねずみ色のドキュメントケースを持った男に付かず離れず歩いている。

ジェラートが公衆トイレに入った。

ミラーが・・。

公衆トイレから出てきた。

照準を定める。

ジェラートがマヌカによりかかった。

不思議と抵抗しなかった。

すかさずドキュメントケースを奪って通り過ぎる。

隠し小銃をホルスターに収める。

浅緑。

ピルグリムの色も混ざる。

太陽がわざとらしい。

色に飽きた。

「パパ、パパ」イスラムの祈りが聞こえてくる。

目を閉じても聞こえてくる。

パジャマ姿でうずくまる母。

「マム」

僕も光線の具合かな?

マヌカが階段を上がってきた。

「ブイ」

マヌカは笑っていた。

「これで殺した」

手の平には血まみれの十徳ナイフがあった。

「安い命だ」

肩を叩いてやりたくなる気分だった。


パブでまずい酒を飲みながらささやかな祝杯を挙げた。

テレビのコマーシャルが終わると、各地の天気予報が始まった。

砂漠が映されると、誰かが何やら騒ぎ出した。

「何て?」

「カトマンズに雪が降る、だとさ」

「それがどうしたの?」

「雪を見たことがないのさ」

「雪?」

「とにかく白いんだ」

カカオのように白い。

「話すのが億劫なの?」

「こいつと話すにはテレパシーがいる」

ミラーの手首にはデンプシーの銀時計がはまっていた。


「この国は金さえあれば何とかなる」

ミラーはホテルのバックルームを借り切っていた。

あるのは電話とテレビだけ。あとトルソーが何体か。

おごそかにデンプシーはドキュメントケースを置いた。

「はてさて、何が入っているのやら」

ミラーが手もみして中央の留め具を外した。

マヌカが取り出す。

出てきたのはリーフレットだった。

「これだけ?」

ミラーがドキュメントケースを逆さにして振っている。

切った爪がバラバラと落ちてきた。

「汚ねえ」

三人でリーフレットを囲んだ。

「外はカリッと、中はフワッと。これは英字ね」

下には無数の数字の羅列が並んでいる。

「スカシが入ってる」ミラーは電灯に透かして見ていた。

「念のため、書き写しておいた方がいいんじゃない?」

「骨がいるな」

そこらにあったコピー用紙にそれぞれ複写していった。

エクレアは金庫に保管しておくことにした。

「大使館に電話」

「よもやこんな所にいるとは思うまい」

マヌカはスツールに座ってテレビをつけた。

テレビの青い光。

デンプシーはトルソーの肩を抱いていた。

テレビには泣き屋が映っていた。

「ブラウニーか」

「伏せられてるみたいだな」


ミラーは受話器を右肩に挟んだ。

「国は?」

「アカプルコ」

「よし。お前が今後窓口だな?」

「ヘラルドだ。duringはその中だな?」

「during?」

「いや、その中身だ」

「ああ、保険金をまるまる今から言う口座に振り込め」

「それは出来ない」

「なぜだ?」

「多額すぎる」

ミラーはほくそ笑んだ。

「じゃあ、引き渡し場所に来い。あのリーフレットと交換だ。ドキュメントケースも付けてやるよ」

「現金じゃ送れない」

ミラーもさすがに不審さを増した。

「じゃあどうして」

「小切手を送付する。その前にduringを・・」

「現金化してからだ」

ヘラルドはぐうの音も出ない。

「さっさと局留めで送れ」


「あのおしは?」

「煙草吸ってる」

「何で私達には話聞かせてくれないの?」

「一人だと思わせといた方がいい」

ミラーは急に疲れがきたように眉間を揉んだ。


象さんの鼻は真っ白。

口先で灰が白くなってゆく。

煙草を吸ってる時だけ罪悪感を感じるのか?

罪悪感を感じるために煙草を吸うのか?


「英語できる?」

マヌカはナイフを買いに来た。

「少しだけなら」

ショーケースに並んだナイフを見る。

「これ見せて」

マヌカは渡されたナイフを瞬時に開いたり閉じたりした。

親指で切れ先を確かめる。

「チタニウム合金なのがいいんだけどねえ」

「それなら・・」店主が選んでる途中、飾られているショットガンを見た。

「チキン野郎!」蹴っ飛ばした。

バタフライナイフを選んだ。

「護身用ですか?」

「サバイバル」

マヌカは片頬だけを膨らませて笑った。


ミラーが疲れた足取りで郵便局から帰って来た。

「誰にも見られなかったか?」

「ご丁寧に」

茶封筒には封蝋がしてあった。

ミラーは透かして見た。

癖らしい。

ポケットから剃刀を取り出してサッと切れ込みを入れた。

「チッ」

封蝋を開けた拍子に指を切ったらしい。

マヌカが取り出す。

デンプシーは首を傾けた。

「法外だな」

「超常的な利益」マヌカは息を呑んだ。

ミラーも血の付いてない方で持った。

「どっからこんな金が」

「カムパニー。この会社、知ってるよ。石油産業だ」

「怪しいな」

「金にしちゃえば同じでしょ?」

「地元銀行じゃ」

「目立つ」

三人は座った。

「私が飛んで現金化して来る」

「持ち逃げしないって保証は?」

三人は一瞬、睨み合った。

「じゃあ、どうするっていうの?」

「受け持ちを決めよう。受け渡しはデンプシー、電話番は俺、現金化役はマヌカ。デンプシー、このドキュメントケースいつも持ってろよ。分かりやすい」

デンプシーは腹にドキュメントケースを抱えた。

「この小切手も金庫に入れる。誰も開けられないように適当に回そう」

金庫を開け、duringの下の段に差した。

順番にダイヤルを回した。

「互いに監視することになりそうだな」つまらなそうにミラーが呟いた。


アイスコーヒーの溶けた物はぬるかった。

今夜も砂漠の映像が映された。

デンプシーはドキュメントケースを持って立ち上がった。

バスに乗って繁華街へ向かった。

デンプシーが降りると、背後でバスが爆発した。

振り向いた。

「ブーブー」幼な子が指を差す。

母親がその手を優しく握った。


ラマダンが明けて、クリスマスのような賑わいだ。

「俺が話す」

ミラーから電話をもぎとった。

「番号は?」


「ありゃ、一体何だ」

「duringか?」

「最初だけ教えてやる。外はカリッと、中はフワッと」

「スコーンだ」

「スコーン?」

「スコーンって何だ?」ミラーが横から口を出す。

「イギリス式のパンだ」半分怒鳴るようにして言い返した。

「後の数字は?」

「ハラルだ」

「ハラルか」

「ハラルだ」

「なんでスコーンにハラルが必要なんだ?」

電話は切れた。


「これ、なかなか効くぜ」

ミラーはハシシを吸っていた。

「煙草で充分だ」

「お待たせ」マヌカがクルクルと回って来た。

白いパナマシャツにガウチョ、頭にはつば広帽を被っている。

すっかり女だ。

「どっかの貴婦人かと思ったぜ」

「レディに失礼よ」

影を作る女。デンプシーは煙草を咥えた。


パパ、パパ。

デンプシーはトルソーを眺めていた。

いいから服着ろ。

今夜も「カトマンズに雪が降る」。


「痺れを切らしたんだよ、先方が」

「どういうことだ?」

「もうあんたらと交渉する余地はない。とっとと消えろ」

かけ直してもつながらなかった。


「ということらしい」

「私達にはもう何の価値も無い」マヌカはしゃがみ込んだ。

「小切手の失効期限はまだだろ? ボロ儲けだ」

「なぜ逃げない?」

ミラーは渋い顔をした。

「渡航規制がかけられてる」

ミラーはため息を吐いた。

「豚肉の腸詰めだ」


なんか苦しい。デンプシーは襟首をゆるめた。

デンプシーは外で煙草を吸っていた。

刈り込まれていない芝が黄色く変色している。

倦怠感もある。

処方されたアンナカを飲んだ。

傍らにはいつもドキュメントケースがある。

ネイビーとグレー。

灰が黒に見える。

礼拝所が極彩に見える。

屈折。

光、色。

色に疲れた。

デンプシーは目を閉じた。

鼠径部が痒い。

夢中で掻いていると、「エチケット」とマヌカの声がした。

目を開けると立っていた。

「デリカシーがないのよね」

デンプシーはうなだれた。

「暑い」マヌカは服を脱いだ。

「ププッピドゥ」

二の腕の辺りを気にしている。

「ブツブツが出来てる」

赤い発疹になっていた。

足が萎えてきた。

デンプシーは棒につかまって立った。

「油断できないのはミラーよ。あいつが話を持ち掛けたんだから」

デンプシーは何も言わないで立ち去った。


パブで咳をしているのはデンプシー一人だけだった。

砂漠の映像が映されない。

代わりに、ワールドニュースが流れた。

理解できるのはデンプシーだけだろう。

「一部ショッキングな映像が流れます」

大量の牛が死んでいるのが流された。

現地リポーターと中継がつながっている。

「実験場の牛はこの通り狂牛病様の症状を呈し死にました。新しく開発されたビールスでヘリカの毒と呼ばれます」

リポーターがマイクを向ける。

「興奮して口から泡を吹く牛もいますが、半分はおとなしいもんです」

「立てなくなり、脳が海綿状になるのを待つだけですね?」

「患部移植で治るまさに生体実験ですな」

「こちらの映像をご覧ください」

元気に歩き回る子牛がいる。

「成功例です」

カメラがリポーターに向けられる。

「ウシヒト感染。当局は正式に否定していますが、事の詳細は定かではなく生物兵器に利用される可能性も・・」

一連の作業には正式な手順がある。

スタジオに戻された。

「作用機序が分かれば毒は薬にもなりますから」息がかかっている専門家がおとなしく言った。

だからカトマンズを選んだのか。

牛がいるから分かりにくい。

デンプシーは松葉杖で立ち上がった。


「これはヘリカの毒の批准書だ」

デンプシーはバックルームのドアを開け、複写したduringを広げた。

「毒?」マヌカがテレビを消した。

「数字はその化学式だ」

デンプシーは倒れ込むようにして壁を背にした。

「一杯食わされた。封蝋を解いた瞬間にもう感染してたんだ」

「宿主はジェラートか。収容されたんだよな?」

「石油産業との蜜月、引き換えに」

「カトマンズを砂漠にする」

「ジェラートはプレーンだ」

エクレアは二つあったんだ。

「治るの?」

「移植で治る」

「何で誰もみんな知らないんだ」

「箝口令がしかれてる」

「代案を二つ以上出せ。俺が精査してやる」

「マキャベリの資本論だ」

話し疲れた。

「随分、落ち着いてるのね。ミラー?」

「真実しか見てないから」ミラーの目は冷たかった。


アンナカを飲んで野っぱらに横になった。

乳母車を押した女が子供に語りかける。

「メエエエエ」

パパ、パパ、起きてよ。

――と、誰かが言った。

「ジュテーム」

夢だったんだ。

俺のベンジャミンは青い服を着ていた。


マヌカに会いに行った。

「力になりたい」

マヌカは微笑した。

「頭吹き飛ばしておくべきだったな」

「その内、渡航規制もとかれるでしょう」

「雪が降ればな」

雪合戦が始まる前に。

「脳味噌の成分はほとんど水、タンパク質、脂質、糖質・・」

「頭が性格でしょ?」

デンプシーは空を見上げた。

「スポンジになったら頭蓋骨がいらなくなるな」

「もうスポンジになってんじゃない?」

マヌカの顔がパッと輝いた。

「謝礼は渡すわ。ポケットマネーで充分でしょ?」

歩いている内にヘリカの毒が降り出した。

雪より白い。

敗色。

豚に雪は似合わんなあ。

「リトアニアで換金する。私の生まれ故郷」

初めて見る雪に大はしゃぎ。

「バルトが買えるかもね」

確か「は?」の海だった。

「あんたは? デンプシー」

多分、イングリッシュマフィンを食べる。

「あんた、身持ちでしょ」

マヌカはデンプシーの腕を引いた。

「息子がいる」

「何て名前?」

「ヨシュア」

マヌカは軽く肯いた。


しゃがんでバックルームに入った。

暗い中、ミラーは電話の前で寝ていた。

「電話線を切れ」

マヌカは十徳ナイフを取り出した。

血は固まったら茶色くなる。

ニッパーで配線を切る。

「仲よしこよしか」ミラーが首を伸ばした。

二人は立ち上がった。

デンプシーが電灯をつけた。

ミラーの目が充血している。

「もう立てないんだろ?」

近寄る。

「全部燃やしたよ」

「耳を貸すな」

マヌカがバタフライナイフを開いた。

ミラーも背中から剃刀を出した。

後ろから腕をひねる。

ミラーの手首から銀時計をもぎ取る。

マヌカがミラーの腿を刺した。

「痛い?」

ケチャップが溢れ出す。

首を絞めて、右手で銃を取り出す。

熱いものが右手に触った。

銃を取り落とす。

「おおあま」

マヌカが笑っていた。

腱を切られた。

「丸腰だ」そのまま柱にもたれかかった。

マヌカがミラーの首にナイフを当てる。

その腕をミラーが掴む。

剃刀の先もマヌカの首に当たっている。

「そうねえ」

水かけ論。

近くから遠くを見る。

搾りたての夕日。

それいゆ。

窓の下は雪。

デンプシーは尻ポケットから二丁目の拳銃を取り出した。

ドール・ビエン。

パントマイムが始まるよ。

息を二回吐く。

影は死んでいる。

目が黒い。


It's a small world after all.

Shall we gather at the river?

I see, you know.


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