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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

地球征服の為に高校生に擬態していた宇宙人、異世界に勇者召喚されまして

作者: 山田広

佐鳥はもちろん本名じゃないです

わぁ、これが噂の異世界かぁ。

佐鳥(さとり)宇宙(そら)は感慨深げに目を細めて目の前の人間達を眺めた。

いつもの様に周りを洗脳しながらありふれた地球の日本人男子高校生の日常を送っていたのだが、足元に突然魔方陣の様な物が現れて光だし、気付いたら如何にも魔法使いですというローブ姿の集団と、甲冑に身を包んだ如何にも騎士ですって奴等と、創作物でよく見る恰幅のいい如何にも王様ですって感じの王冠被ったおっさんがいました。

瞬間的にテレパシーを使い母星と連絡を取ったら、先程までに居た地球及び母星が存在する宇宙(世界)とも違う場所に飛ばされた事が解った。佐鳥がここに来たことで母星が場所を把握し、あと数日もすれば行き方も判明出来るとの事だ。

それにより、佐鳥の任務が地球征服ではなく、この世界の調査となった。

因みに母星と連絡とっている間の会話は全てテレパシーで言動に出しておらず、長々しい偉そうな王様の話を真剣に聞いてる風を装っていた。内容を母星に報告しつつ、通信係と「地球人の妄想が具現化したわ(笑)」「すげぇな地球人(笑)」と会話(脳内)してた。


要約すると、テンプレ勇者召喚だった。

魔王退治ですって!

しかもいきなり拉致った事を悪いと思ってないし、態度でかいし、これはあれだ、よくあるこの国王が悪な勇者召喚だわ。てか、心の中覗いたら正解でした。


そして、面白い事をもう一つ言おう。

それは佐鳥の隣にいるもう一人の召喚者だ。


そう、召喚者はもう一人いたのだ。


佐鳥が最近通い出した高校の男子生徒だ。

因みに学校関係者全てに『佐鳥宇宙は1年生の時から在籍している』と認識を書き換えている上に写真なども捏造してる。

友達も多い陽キャなイケメンで、スクールカースト上位にいる。

前の所は陰キャなデブオタクなロールプレイしてたらイジメられた。悲惨な虐めだった。

イジメて来た奴等をどんどん追い詰めて、最後は精神崩壊させたのはとても楽しかった。母星へ送ったので、今頃は永遠の命を与えられて良いインテリアになっている事だろう。

まぁ、それはさておいて。

数回続けてイジメられっこなスクールカースト底辺を演じていたので、今回はハイスペックイケメンになってみたわけだ。

そこで向けられるのは憧憬や羨望ばかりではない。


嫉妬。


このもう一人の召喚者は、教室で一人本を読んでいる地味な生徒だ。

佐鳥に嫉妬を抱く中でも断トツに嫌悪に近い嫉妬心を向けてきた。

文学少年よろしく教室では難しい本ばかり読んでいるが、実際はライトノベル好きで、教室で読んでるふりをしながら自分を主人公にして妄想してる。

突然異能に目覚めて現代で活躍したり、異世界召喚されて活躍したり、俺TEEE展開がお好きな様で、更にはざまぁも大好きらしい。

彼の頭の中で佐鳥は何度もざまぁ対象になった。話したことないし、捏造した記憶も特に関わった事もないはずなのだが、どうやら彼の【本来なりたかった自分】に佐鳥がなっていることに嫉妬したらしい。本人はチャラチャラしてて頭軽そうな奴と心の中で見下してるつもりだが。


そんな彼の現在の頭の中・・・



『キタキタキタシタキタキタ!!!!ここはやっぱり俺巻き込まれ、に見せ掛けて俺最強な展開が良い!!!!この国王、カンジ悪いし、きっと魔王は良い奴展開だな!だったら追放されて、佐鳥より実は俺の方が強かった、後悔してももう遅いだな!!!!佐鳥はボロボロに負けてざまぁ!!!!』





まだ負けてないのだが。

そしてまだどちらが勇者とか言われてない。

どっちも勇者の可能もあるし、そもそも勇者じゃなかったら普通に殺そうとしてるぞ国王達。


というか、魔王も魔王で良い奴とは言い難い。ちょっとこの世界をスキャンし、魔王の居場所がわかって見てみたら人間の踊り食いしてた。

10メートルぐらいの黒いふさふさな毛と、牛の頭と角を持つ、牛魔王みたいな奴だ。あ、まんま牛の魔王だわ。

食い応えありそう。

ちょっと腹がすいたわ。

どうやら、この魔王の主食が人間らしい。特に力が強い奴が好物とのことで、人間の国々の上層部達は生け贄を捧げて自分達の安寧を保ってるそうだ。

百年に一回出来る『勇者(異世界の強きもの)を呼び出す儀式』を行い、魔王にけしかけてるらしい。

勇者が負けても魔王は勇者を捕食して満足し生け贄の要望数を減らしてくれるし、もしも勇者が勝ったら万々歳なのだ。


さてさて、そんな勇者というなの生け贄は毎回お一人様のはずなのに二人召喚されてどうして?となったわけで。

まぁ、佐鳥が居た所為でバグったんだろう。

召喚の技術をスキャンして分析したところ、異世界といっても地球だけしか拉致(召喚)出来ない。過去召喚されたログを見れば地球人だけだったわ。魔法も使えない超能力もない地球人が何故強いものなのか、と思ったが地球人がこちらの世界に来ると能力が激増し、スキルがはえるらしい。詳しく調べるとただのシステムバグだった。バグ技かよ。

地球人でない佐鳥は、更にバグを深刻にしてしまった。

本当は『俺は特別な存在だ』『本当の俺の居場所はここじゃない』という意思の強い(笑)存在の中からランダムで選ばれて召喚(らち)するのだが、選ばれた少年の近くに佐鳥が居たことでバグったのだ。

つまり、真の勇者()は少年なので、よかったな正解だよ少年☆


勇者能力判定出来る水晶でどちらが勇者か調べるという流れになった。

雑魚なら殺すとか、酷いね。勇者召喚は百年に一度しか出来ないから失敗してたらぶちギレ確定だ。一応こちらの世界でも強い者を生け贄とは本人に知らせずに確保してるが、美味しいご飯楽しみにしている魔王にはちょっと物足りないかもしれない。一つ、二つは国がなくなるかも。

拉致ったくせに、弱かったら恨み辛みをぶつけられる為に惨ったらしく殺すとか随分自分勝手だとは佐鳥は思わない。

だって、基本生物は自分勝手よ。

特に自分のコミニティでないものには非道にもなれる。故に何個もの星を征服及び破壊したし、地球征服にも動いてたわけで。


さて、どうするかな。

母星からは『配信するから好きに楽しめ』と連絡が来た。

母星で大人気スターブレイカーな佐鳥が異世界で暴れるらしいと大盛り上がりの様だ。

最近母星は地球人の創作文化を気に入っていて、特に日本の文化が広まっている。


うむ。





佐鳥は水晶の設定をいじった。
















「なっ、能力ゼロだと?!」


「こちらの方は能力が凄まじい数値だ!こちらの方が勇者様だ!」







「佐鳥君、ごめん、僕が君を巻き込んじゃったみたい・・・王様達が怒って君を殺そうとしてたけど、僕が止めたんだ。一緒に魔王を倒しに行こう?」


「ありがとう、鈴森・・・俺、こんな牢に入れられて、兵士達から殴られるわ蹴られるわで・・・すげぇ、助かった・・・能力ゼロで、足手まとい、かもしれないけど、俺お前以外に頼れる奴居ないから・・・」


「ううん。気にしないで。僕が君を守るよ」
















佐鳥の母星side



有名なスターブレイカーが異世界に行ったらしい。

最近征服予定だった地球人の妄想が実在したと話題だ。

そこでスターブレイカーはいつものようにロールプレイをするらしい。

配信を見ながら、日本の文化にはまったファンの一人である女性は呟く。




「鈴森×佐鳥か、佐鳥×鈴森か、それが問題だ・・・」

┌(┌^o^)┐異星侵略中

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