表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

エッセイ

創作における「クズキャラ」は、例外なく作者のクズな部分から生まれる 〜心をすり減らしたくなければ自分を守れ〜

作者: シサマ


 皆様今晩は! シサマという者です。


 今回のエッセイは、実はエッセイとして発表する予定ではなく、とある作者様のエッセイの感想として用意するつもりでした。


 しかし、その感想に熱が入り過ぎて長文化し、個人的な考察が多分に含まれた内容が、ひょっとしたら他のユーザー様の怒りを買ってしまうかも知れないと考えた時、他人の土俵を借りる事はやめました。

 

 あくまで自己責任に出来る、個人の作品として投稿させていただきます。



 まず、その作者様のエッセイの内容は、作者様自身がクズキャラを単なるクズキャラとして描かず、クズキャラになってしまった背景などをどうしても描きたくなる為、「ざまぁ」系の作品が書けないというものでした。


 このサイトでも大人気の「ざまぁ」系作品、それは追放もののファンタジーや婚約破棄ものにとどまらず、今や殆どのジャンルの主流。

 その作風の現実として、同情の余地のないクズキャラが断罪される瞬間が最高の見せ場になっており、ここに少しでも甘さがあると、感想欄が荒れてしまったり、それまで蓄積されていたブックマークに見合わないポイントしか入らない、そんな現実がある様です。


 私個人としては、自分の作品に登場する悪役を単なるクズキャラで終わらせるのが嫌で、悪の道に堕ちた背景を必ず掘り下げてしまいます。

 ですから、この作者様のエッセイには大いに共感し、即座に★5つを投入し、更に「いいね」まで押しました!

 

 その後感想を書こうとしたのですが、熟考の末に思いとどまり、このエッセイを投稿した次第です。


 

 私も沢山の作品を書いた経験から言わせて貰いますと、主人公やヒロインは勿論の事、悪役も作者自身の中から生まれます。

 

 例外はありません。

 自分自身から生まれなかったキャラクターは盗作です。

 

 例え、「〇〇の作品の□□というキャラクター」を模倣したつもりでも、そのキャラクターの行動を決めるのは作者自身。

 行動まで模倣したら当然、盗作になりますしね。


 外見や年齢、職業などは、作者の理想や願望を乗せる事が出来ますが、作者よりも頭のいいキャラクターを作るのは難しいと言われる様に、人間性の善し悪しも作者を超える事は難しいのです。


 そう考えると、悪役を作り上げる過程に於いて、作者は必ず自分自身に眠る悪と向き合わなければなりません。



 私は悪役を考えるのが大好きで、悪役同士の会話や悪巧みのアイディアなどは無限に湧いてきます(笑)。

 曲がりなりにもこれまでの人生、40年以上を乗り切ってきた現実から見ても、私が聖人である訳がないのです。


 また、それと同時に、私が悪い事をしそうになった時、実際にしてしまった時の心境を考えると、その背景にある様々な経験から、自分の分身であるキャラクターを100%のクズキャラにしたくないと強く思います。


 これは私自身の心の弱さの裏返しでもあるのですが、だからこそ自分の心を守らなくてはなりません。


 これらの考察や行動の結果、私の作品にはクズキャラは登場しません。

 クズに近い悪党は登場しても、その背景を掘り下げる事により物語に深みを与え、尚且つ自分を守る様にしています。


 

 今や「なろう」にとどまる事なく、Web小説の世界では、クズキャラを同情の余地のないクズキャラとして描かなければ、商業レベルの作家としての成功は難しいと言わざるを得ません。

 

 私の作品は評価ポイントもブックマークも、そして閲覧数であるPVも少ないのですが、それは運や偶然ではなく、間違いなく私の評価と価値がそのレベルなのだと理解しています。

 読者の大半が求めているものを供給しようとしていないのですから、それは当然だと思いますし、私もその方向で評価や価値が欲しいとは思いません。


 私はクズキャラを登場させない事で、自分の心を守っています。

 だからこそ自分の意志を一切曲げず、評価を気にする事もなく作品を立ち上げ、そして完結させるというマイペースな活動が出来ています。


 その反面、私はただ活動しているだけでは、存在価値のない作者のままで終わる事でしょう。

 ですから私は、このサイトにやって来た2年半前から、活動スタンスを全く変えず、ひたすら変わらぬ情熱と価値観を積み重ね続けるのです。

 

 どんな方々が、どんな気分の時に訪れても、私がそこで創作活動を楽しみ続けている事が分かる様に。


 

 あなたがクズキャラを考える時、例えそのキャラクターが実在のいじめっ子や職場の上司などをモデルにしていたとしても、そのキャラクターを動かす中で、必ず自分自身に眠るクズっぷりと向き合わなければなりません。

 

 その中で、少しでも自分の心に嘘がつけずにクズキャラに甘さを見せた時、読者からは容赦のない批判、ひょっとしたら、批判を超越してしまった誹謗中傷が浴びせられるかも知れません。


 あなたはその批判や誹謗中傷を全て一緒くたにして、「自分自身がクズキャラ扱いされた」と思い込んで、怒りや悲しみに暮れた事はありませんか?


 一生懸命執筆していた「ざまぁ」系作品が、思った程の評価を得られなかった時、自分の心が悲鳴を上げて、作品をエタらせる、そして、最悪このサイトを退会した事がありませんか?


 

 そんなあなたは、クズキャラ作りには向いていないと思うのです。

 自分の心を守りながら、創作活動を楽しんで欲しいと思います。


 それでも、夢に向かって成長や成功を求めるなら、もっと強くならなければいけないのでしょうね。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 創作は感情と向き合うから、苦しくなってくることありますね〜。 なんでこんなに苦しいんだ?!って思うことあるあるです。 意識の上に上がってなかったものが書いてるうちに触発されて出てくること…
2022/02/12 22:19 退会済み
管理
[良い点] 恐らく当方のエッセイに対してのエッセイ……かな?とお見受けしましたが、合ってますでしょうか。 感想としてこれだけのものを考えていただけたとは、本当に感謝です!(違ってたらスミマセン) [気…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ