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異世界行っても最強でした  作者: コトキ
一章
6/6

転移と謁見


「お待ちしておりました。勇者様方、この世界を魔王の手からお救いください。」


声の聞こえて来たほうに視線が集まる。そこに居たのは年頃が利久達と同じで碧色の髪と目をした美少女であった。


利久はその美少女をちらりと見て素早く周りの状況を確認する。そこは、物凄く広い部屋になっており、騎士の様な格好をしたものがクラスメイト達から距離をとって周りを囲んでいた。その後ろにはロープの様なものを身に纏い、杖のようなものを持っている。


この時点で、召喚者は個人では無く大きな組織などに決まり、騎士がいる事。目の前の美少女が綺麗なドレスを着ている事から国、もしくは教会などである事が決定し、めんどくさそうな雰囲気があった。


(国や教会なんかはめんどくさそうなイメージしかないんだよな。それにその国や教会の人間がいい人かはわからないしな。)


利久がそんな事を考えているとまたしても代表として悠人が喋り出す。


「えっと、渡辺悠人です。いきなり魔王とか言われてもわからないのですが説明して頂いてよろしいですか?」


「私としたことが自己紹介がまだでした。リクセンベルク王国の第1王女のユリーナ=リクセンベルクと申します。それとここでは軽く説明しますが詳しい話しは、この後私の父上であるこの国の国王から説明があると思いますのでそちらで聞いてください。」


ユリーナは悠人達にそう説明すると軽く勇者召喚を行なった経緯を話し始める。

利久は、周りの観察を終えてその会話が聞こえてきていたが後から詳しく話すと言っていたので聞く事を止める。

それと同時に隣から琴葉の声が聞こえて来る。


「神崎君あの………さすがにこの状況で手を繋ぎっぱなしは、あまり良くないと思うよ。…………手を繋ぐのが嫌とかじゃないからね。」


その声を聞いた利久は、自分の手に目をやりそう言えば繋いだままだったと思い手を離す。そして利久は琴葉にある提案をする。


「確かに手を繋ぎっぱなしは良くなさそうだね。それと、神崎君ってなんか距離を感じるからこれからは名前で呼んで。俺も名前で呼ぶから。………………………ね?琴葉。」


初めて呼ばれる自分の名前を聞いて嬉しさと恥ずかしさが混ざり少しだけ頬を赤く染める。そして、利久の顔を見てみると同じく顔を赤くしているのが目に入り琴葉も利久を名前で呼ぶ。


「わかったよ。………………利久。」


2人でそんな会話をしているとクラスメイトはユリーナから説明を聞き終わり軽く質疑応答をしていたため、琴葉はこれからについてを利久と話し合う事にする。


「向こうは魔王を倒す事になりそうだけど、私達はどうする?」


「そうだね、魔王がどんな存在かわからないし、こっちの世界の事をあまり知らないから、知識を蓄える事を第一にするとして、その次に自分たちの武力の確認かな?

……………こっちの世界に戦える人がいればいいんだけどな。」


「確かに知識は大事だね。それに、利久の武力は大抵の人には負けないと思うよ。なんてったって神崎流の現当主だし」


「まぁ確かに武力は大丈夫と思ってる。ただ確認はしたいから、多分ある訓練で確認しようかな。それに琴葉もなかなかの腕してるでしょ。うちの師範代が噂してたよ。」


「あれ?私が通ってるの知ってたんだ?」


「知ってるも何も琴葉はもうすぐ師範代になってたよ?習い初めて昇格までの速さがうちの歴代2位の記録だよ。」


「そうだったんだ。初めは、ただ強くなりたくて通ってたけど最近は楽しくなってきてたからね。私が習い初めて7年ぐらいだから歴代1位の人って何年ぐらいなんだろうね」


「5年だよ。まぁその師範代は直ぐに師範代辞めちゃったんだけどね。」


「5年なんだ。すごいけど、どうして辞めちゃったのかな?勿体無いよね?そういえば利久は何年かかったの?」


「そうだね辞めたのは師範代であってすぐに当主になったんだよね。………………それと俺は5年です。」


「えっ?…………なるほどね、それなら納得だよ。」


利久の家の神崎流の話しをしているとユリーナから移動を促す言葉が掛けられる。

するとクラスメイトは固まって後ろにある扉へと向かって歩き出す。

それに利久と琴葉は付いていき、廊下にでる。しばらく歩いていると、一際大きな扉の前につき最終確認をユリーナと悠人がしているようだった。


どうやら、これから謁見を行うようだが作法などはわからないと悠人が伝えたようでとりあえず国王の前まで歩いていき、止まったら片膝をつき、頭を下げるだけでいいようだ。また、この謁見も代表として基本的には悠人が受け答えするようだった。


しばらくして、最終確認が終わったのかユリーナが先に隣の小さめの扉から中に入っていく。クラスメイトは緊張しているのか、静かであったがそこに兵士らしき男から悠人に声が掛けられる。


そして大きな扉が開いていき、謁見の間と呼ばれる部屋の全貌が見えてくる。両側には、煌びやかな服装をした、貴族と言われる者たちが並び、その後ろに先ほどの騎士達が並んでいる。

扉が開いたのを確認して悠人を先頭にクラスメイトがついていく。

しばらく歩いたら止まりみんなが膝をつき、頭を下げると目の前で玉座に座っている4.50代の男から声が掛けられる。


「勇者達よ、召喚に答えてくれて感謝する。この世界の救世主になる者達よ楽にするがよい。」


その声を聞き、クラスメイトは頭を上げその場に立つ。すると国王は続きの言葉を発する。


「余はこのリクセンベルク国の国王フレデリック=リクセンベルクだ。」


自己紹介をされた利久達は頭を少し下げる。

そこからは、国王と悠人の間でのみ言葉が交わされていき、利久は話を聞きながら内容をまとめる。


曰く、


最近、魔物の動きが活性化してきて、魔王の誕生の噂が流れている。



魔王の誕生は一定周期で行われるため一種の災害である。


これまでは今回と同じように勇者を召喚して魔王を倒してきた。


今回も勇者達に魔王を倒して欲しい。


こちらの世界での生活は保証するし、明日から早速訓練をする。


魔王は、色々なタイプがあり魔物型や人型などあるが、どちらも誕生したら魔物が活発になる。


いろいろ話していたが要約するとこんな感じであった。そして悠人が最後の質問を国王に聞く。


「国王様、我々は元の世界に帰れるのでしょうか?先ほどみんなで話し合って魔王を倒す事は決めましたが倒したあとはどうなるのですか?」


「うむ、勇者召喚は我々人間の魔力で補えるのだが送還は、特殊な力が必要と文献には書いてあった。その特殊な力が魔王を倒したあとに出る魔力であるのだ。」


「なるほど。どちらにしても魔王を倒さないと帰れないのですね。わかりました、僕達は強くなって魔王を倒したいと思います。」


その言葉を聞いた、国王や相宰、第1王女などがすこしだけ笑ったのを利久は確認した。


(なんかこの国怪しいな。何かを隠していそうだ。まぁまだ魔王が現れた確証もないし、そもそもなんでうちのクラスの奴らは魔王を倒す事が既に決まっているんだ?誰も、文句を言わないのはなぜだ?………ん?みんなの"氣"が乱れてる。これは何かされてるな。)


みんなの"氣"が乱れているのを確認すると隣にいる琴葉を確認する。すると近くで見たため何か違うものが琴葉の"氣"を乱しているのを確認した。そこで琴葉の手を掴み、利久は自分の"氣"を流し込み異物を取り除く。すると琴葉がびっくりしたようにこちらを見てくる。


(これをするのはいいけど、俺も初めてされた時はびっくりしたな)


利久は昔ばあちゃんにされた事を思い出してると琴葉から声が掛けられる。


「利久、今のなに?それに今さっきまでぼーっとしてた気がするよ。」


「これは神崎流の技だよ。名前はないんだけどね。今ので琴葉の体の中、特に脳あたりにあった異物を取り除いたんだ。確実に何かされてたみたいだね。こんな世界だから洗脳の魔法かなにかじゃないかな。」


「それで頭がぼーっとしてたのね。ありがとう利久。でもそうだとしたら利久はどうやって防いだの?」


「憶測になるんだけど神崎流で使う"氣"って言うのがあるんだけどそれが多いからじゃないかな。それに"氣"=魔力って事だと思うし前におじいちゃんから見せて貰った母さんの手紙におじいちゃんが武神の家系でおばあちゃんが魔法神の家系って書いてあったから魔力が違う形で伝わったんだと思うよ。今考えたら地球じゃありえない技とかあったからね!斬撃を飛ばすのなんて代表的にありえないよね。」


「そんな技があるんだね。いつか私も使えるようになるのかな?」


「多分すぐに使えるようになると思うよ。今"氣"こちらの世界で言う魔力を知覚できたからそれを刀に乗せて振るって感じの技だからね。それにしてもしばらくしたらここから出て行った方が良さそうだね。」


2人はお互いの意思を確認するためにお互い頷きあう。




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