第49話(ナグラーダ再登場)
[四十九]
昨夜、エルンストにしつこいほどに追及されてしまい、それで却って答えにくくなり返事を誤魔化し続けている内に、だんだん億劫になってきたことで睡魔が襲ってきてしまい、アスピスはいつのまにか眠ってしまったようである。
体を起こして、目を擦ろうとしたら、腕が思うように上がらなかったことで、その手に何かを握っているのに気が付いた。
「やっと起きたか」
「エルンストッ!」
なんでいるんだ? と言いそうになり、ふと手を見たら、自分が握っているのがエルンストの服の裾だと気が付いた。
「もしかして、コレのせいでここにいたわけ?」
「他に理由なんてないだろ」
手が握り込んでるエルンストの服の裾を示しながら訊ねたら、即答するように肯定が戻ってきた。
「手から引っぺがして、自分の部屋に戻ればよかったのに」
熟睡の場合、それくらいでは目が覚めない。場合もある。目が覚めたところで、またすぐに眠りに落ちて行っただろう。
そう思い告げたのだが、エルンストはのんびりとした口調で返してきた。
「あー。まぁ、たまにはいいかと思ってさ」
「なにが?」
アスピスが大の字で寝てる、一応はその傍らとなる、ベッドの奥の隅っこで、肘枕をしながら一夜すごしたのだろうか。
「物好きすぎ。っていうか狭かったでしょう」
「いや。お前自分の寝方、知らないだろ」
「え? 大の字じゃないの?」
「そう思ってんだ?」
なにか言いたげに含みを持たせつつ、正解を教えてくれないエルンストにほんのりイラっとしながらも、どうでもいいやと気にするのを止めにする。
それにしても。
「たかが服の裾を掴まれただけで、一晩もつきあうなんて、暇人だよね」
「そうか?」
「そうでしょーが」
エルンストの反応に呆れつつ、とにかく解放し忘れていたエルンストの服の裾から手を離すと、アスピスはベッドから下りて、窓を開けて新鮮な空気を呼び込むと、この部屋に合うように買い足した木製のハンガーラックから、着回し用のシンプルな膝丈のワンピースを手に取ると、ベッドの上にそれを置き、寝着に着替えずに寝てしまったために、昨日からずっと着たままであったワンピースを脱ぎ始めた。
「ちょっと待て!」
「ん?」
「お前、そろそろ羞恥心ってのを覚えてもいい年ごろじゃねーか?」
「エルンスト相手に? 不要でしょんなもの。それに、旅先ではこんなのしょっちゅうじゃんか」
慌てて飛び起き、アスピスに苦言を呈したものの、あっさりと聞き流されてしまったことに、エルンストは内心でショックを受ける。
「冒険中は話しが別っていうか。それじゃあ、誰が相手なら、お前の持つ希少な羞恥心が必要になんだよ」
「レイス、辺りは怖そうかなぁ」
「あ? レイスだぁ。てか、怖いって?」
「礼儀作法っていうの? 最近細かくなってきてさぁ」
カロエ共々教育され中といった感じなのである。それを思い出し、名を上げると、エルンストが吐息した。
「お前の基準、完全に間違えてるぞ」
頭が痛いと言いたげに、頭を抱え仕草を繰り出するエルンストの前で、アスピスはワンピースを脱ぐと下着一枚の姿をエルンスト前に躊躇いなく晒しだす。
「文句あるなら。見たくないなら、他所向いていればいいじゃん」
「見たい、見たくないの問題じゃねぇんだよ。つーか、こうなったら見ててやる」
「エルンスト、変なの」
言っている意味が全然分からないと言いたげに、洗ってある方のワンピースに腕を通すと、アスピスは素早く着替えてしまう。
そして、サイドテーブルの上に置かれたブラシで髪を梳き、三つ編みを二本作り出すと、エルンストに構わず、アイテムボックスを開くとポストの中を確認した。
「マメだなぁ」
「どうした?」
「ん? シエンから定期的にプレゼントが送られてくるの。それで、二つ目の袋がもういっぱいで、三つ目の袋に突入しちゃったよ」
綺麗にラッピングされた箱は、一度も開封されることなくきたために、中身はよく分からないのだが。わざわざ調べるのも面倒なので、手にした箱をそのままアイテムボックスの奥に持っていくと、袋の中にしまい込む。
「返したんじゃなかったのか? あいつからのプレゼントは全部」
「そうなんだけど。ほら、ロワが誘拐されたときにさ、シェーン様たちから情報を聞き出すための交換条件で。ハンガーラック2つ分の服と、シエンからのプレゼントを受け取ることになっちゃってさ」
「お前、男からほいほい、服とかアクセサリーとかリップとかもらうんじゃねぇよ」
「そうは言うけど、あのときは、すでに買い揃えられていたんだもん。それをもらわないと情報をくれそうになかったから、仕方なくじゃんか」
文句を言われる筋はないと、アスピスはエルンストに言い返す。
「だいたいねぇ、どれもこれもヒラヒラすぎて、普段は着れそうにない服ばっかりなんだよ。王宮への訪問用のおしゃれ着とか、パーティ用に着るドレスって感じなんだから。つっても、パーティになんて二度と出たくないし。出る必要もないんだから、シェーン様もイヴァールもいつ着用すると思って買ったんだろうね」
「あぁ。それだけど、六聖人のお披露目会に、今度から王国管理室所属の八式使いとして顔出しするようかもな。子供が出るにはちょい遅い時間までになるけど、六剣士や王国の騎士たちに護衛に付いてもらう都合上、顔を覚えてもらう必要があるだろうから」
「えー。なにそれ」
この前、散々な目にあったので、二度とあの場には顔を出したくないというのに。思わぬ落とし穴があったものである。
「それはそうと。今度、足のリハビリがてらに買い物行くか?」
「どうしたの、急に」
「そういや、服とかアクセサリーとか買ってやったことなかったなって思っただけだ」
「えー。冒険用の服一式、エルンストが支払ってくれてたじゃん」
フォルトゥーナに装備品一式が入っている買い物かごを渡されて、そのまま何も言わずに支払いを済ませてくれたのはエルンストだったはずである。
「それといっしょにするんじゃねーよ。っていうか、よし、決めた。今度の休みの日に買い物へ行くからな」
「えー」
これ以上、要らないのに。というか、これ以上服があっても、いつ着るのだと思いながら、アスピスは不平の声を上げたが、エルンストに無視されてしまった。
「時間、ちゃんと空けとけよ。っと。俺も着替えてくるか」
んー。と伸びをして、ベッドの上から下りると、アスピスが部屋を出るのと一緒に、エルンストもアスピスの部屋を後にし、隣の自分の部屋へ戻っていった。
なんとなく、そんなエルンストを見送ってから、アスピスは階段の方へ短い廊下を渡っていくと、一階に下りていく。
足の裏側の足首周辺の筋はまだいまいち攣る感じはあるが、以前よりもまっすぐ立てる感じで、足の動きがスムーズに感じられるようになっていた。
「おはよう、レイス」
「おはようございます、アスピス」
すでに先に起きていて、朝食の準備をしているレイスの脇から、洗い桶の中にコーヒーが未だ残っているカップを入れる。
「寝る前にコーヒーを飲むのは勧めませんよ。なにか飲みたいのでしたら、言ってくれればホットミルクでも作ってあげますから」
「それは違うの。昨日、本を読みたくて二階に持って行ったのが残っちゃっただけ」
「ならいいのですが。寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなってしまいますから、特にアスピスはまだ小さいのですし、気を付けてくださいね」
「はーい」
レイスの説明に、アスピスはいい子の返事をすると、洗濯ボックスに汚れ物を入れにいく。そして、法陣カプセルが差し込まれているピッチャーから、洗面器に水を注ぎ入れると、顔を洗い、自分用のタオルで顔を拭く。その後水捨て場に洗面器の水を捨てると、レイスの手伝いをするために、再びキッチンへ戻って行った。
残る2人も下りてきて、挨拶を済ませると、いつものように椅子に座り、朝食の開始を黙って待っている。
そんな2人の前へお茶を置き、アスピスとレイスの席の前にもお茶を置く。その後はレイスがよそってくれたスープを2人の前に運んで行くと、自分たちの前にもスープを置いて、アスピスも席に座る。その間に、レイスはアイテムボックスからパンを取り出すと、テーブルの中央にそれを置き、レイスが腰を落とすと、朝食が開始された。
「いただきます」の合図とともに、パンの入ったカゴへ一斉に伸ばされるみんなの手。
日にだいたい四種類くらいのパンが出されるのだが、今日は白く柔らかなパンを手に取ると、アスピスはそれをパン皿にそれを乗せる。
何度か出されているので、このパンはチーズが練り込まれているパンであることを知っていたので、特にジャムなど必要とせずにそのままちぎって口に入れる。
そして、スープと交互に食べながら、みんなが次々と食べ終わってくのを脇目にしながら、アスピスも必死に食事を進めていくのだが、食べるスピードが遅いのと、元から食が細いことから、パンも半分くらい食べるとお腹がいっぱいになってきた。
「アスピス、無理はしなくて大丈夫ですよ」
「残すんだったら、くってやるよ。ほら」
「ありがとう」
カロエが手を伸ばしてきたことで、素直に感謝して、パンを手渡す。それをカロエはぺろりと食べてしまうと、自分の前の食器を重ねて洗い場へ持っていく。そして、アスピスの食事が終わりそうなのを確認したレイスも、その後に続くようにして目の前の食器をまとめて洗い場へと持って行った。
エルンストは、その前にすでに洗い場に立っていて、事前に水が入れられていたやかんを火にかけ、食後のコーヒーの準備をしている。
「ごちそうさま」
「今日も残しただろ。パンのひとつくらい食べきれるようになれよ」
「今日のは大きかったの」
洗い場で洗い物をしているエルンストの脇から、食器を差し出しながら、ほぼ恒例となっているエルンストのチェックに対し、反論しながら、アスピスは布巾を手に取り、洗い終わった食器をカロエと共に拭いて行く。
この辺は、ほぼ毎日の光景となっていた。
そして、みんなで食後のコーヒーを楽しもうかとしたところで、来客を知らせるノックの音が響いた。
「こんな朝早くから、なんの用でしょうかね」
レイスが不思議がりながら、席を立つと、玄関を開けに扉へ向かう。そして、扉を開くと、待ちきれないとばかりに外から力が加わるようにして扉が勢いよく開けられて、少年がひとりと、メイドがひとり。それと、シェーンとイヴァールが姿を現した。
思わず焦ったレイスが玄関の外を覗き見ると、王族用の馬車と、護衛の騎士たちが家の前に待機しているのが見えてしまう。
「なんですか、いったい」
「どうした、シェーンがくるなんて?」
六剣士としての2人に用事でもできたのかと、あせったレイスとエルンストが反応を示す中、少年がアスピスに勢いよく抱き着いてきた。
「久しぶりだな。アスピスというらしいな。お前を嫁にもらいにきてやったぞ」
少年はそう告げると、アスピスを解放し、アスピスの左手を手に取った。
「ナグラーダ様!」
「なんで、ナグラーダが家に来るんだ?」
少年の正体に気づき驚くレイスに、理由を問うような視線をシェーンたちに送るエルンストに対し、シェーンが申し訳なさそうに引き攣った笑みを浮かべてみせる。
「どうしても、アスピスに会いたいとナグラーダに頼みこまれてしまって。六剣士のレイスという者と行動を共にしている、ナグラーダと同じくらいの年頃の少女を知らないかって話を持ち込まれてしまって。つい」
「おまえ、甘すぎだぞ。いくら兄弟がいないからって、弟代わりに可愛がるのはいいが限度を知れよ」
「シェーン姉様になんて口をきくんだ、いくら六剣士でも許されないことだぞ。それから、僕にも『様』を付けろ」
「うるせぇ、ガキが。朝っぱらから、ひとん家を荒らしに来るんじゃねぇよ」
「エルンスト、子供相手に大人げないですよ」
「そうだぞ。僕は王族なんだからな。それに、アスピスを嫁にもら……なんだこの手は!」
アスピスの左手を見て、指にはまっている指輪の数に呆然とする。
「ですから、先日にお会いした時、彼女にはすでに婚約者がいるとお伝えしておいたはずです」
「そうだったな。確かに、そうは聞いていた。だが、空いている指が一本しかないじゃないか。しかも内ふたつは特注品だぞ。これなんて、いくらするんだ?」
昨日エルンストにもらっていた指輪を指しながら、ナグラーダが呆然としていく。
「あら、エルンストったらいつの間に特注品に変えてたの。しかもこれって、私とイヴァールのペアリングと同じくらい値がはるものじゃなくて?」
「そんなこと、どうだっていいだろ。それより、そのガキを連れてとっとと帰れよ。近所にも迷惑だろ」
「うるさい! うるさい! 注文している時間がなかったから、小遣いをはたいて、店にある一点ものの中で一番高価なのを選んできたっていうのに……」
「ナグラーダ様、愛情は金額ではございません。お気持ちが大事なんですよ」
「そうだった。つい取り乱してしまった。アン、ありがとう」
「いいえ。それより、せっかく購入してきたペアリングを受け取ってもらう方が大事ですわ」
ずっと黙って成り行きを見守っていたメイドが、ナグラーダに助言する。瞬間、ナグラーダは我に返って、アスピスの左手を掴み取る。
「いいか、お前みたいな平民を嫁にしてやると言っているんだ。喜んで僕の妻になれ!」
尊大に言い切り、アスピスの小指に指輪を押し込んできたナグラーダに、アスピスは抵抗するようにして腕を動かし、ぶかぶかである指輪を外させてしまう。
「ふざけないでよ。あんたみたいな自己中心的な我が儘な子供に、どうして、いいように振り回されなくちゃならないのよ」
「僕のなにが気に入らないんだ? 僕は王族だぞ。生活に困らせるようなことなど、絶対にないんだからな」
「生活に困ってなんかいないわよ。勝手に貧乏にしないでくれる」
ナグラーダの台詞に、アスピスが言い返すと、ナグラーダが困惑したようにアンの方へ寄っていく。
「おい。話と違うぞ。平民は、貴族。それも王族から結婚を申し込まれたら、喜ぶもんじゃなかったのか? 今まで、アンに勧められて読んだどの話も、夢のようだと喜んでいたはずだぞ。断ったやつなんて、ひとりもいなかったじゃないか」
ぼそぼそとアンに相談しているナグラーダの様子を見下ろしつつ、「なんだ、あれは?」とシェーンにエルンストが尋ねたところ、困ったようにシェーンが笑う。
「実は、あのメイドのアンなんだけど。恋愛小説が大好きなそうで、ナグラーダに恋愛指南書として恋愛小説を読ませているらしいのよ」
「はぁ?」
ここでもまた、恋愛小説が出てくるのかと、エルンストは長嘆してしまう。レイスもさすがに呆れた様子で、隅で語り合う2人を見つめてしまっていた。
「あぁ、それよりも。これをアスピスに渡してくれる。市販のコンタクトは安いけど目によくないそうだから、毎日使うものだから、ちゃんとした物の方が安心でしょ。今度から定期的に王国管理室から支給するようにしておいたから。一日使い捨てで、使ってくださいってことらしいわ」
「そうか。助かる」
「これくらいはさせてもらわないと。私の婚約者の大切な人なんだから」
にっこり微笑み、緑色のコンタクトが入ったケースをふたつほどエルンストの手に乗せる。
「それより、どうしましょうか?」
「連れて帰る以外の選択肢があると思うか?」
「そうよねぇ。まさかここまで情熱的だとは思ってなかったから。一目惚れってやつかしら」
他人事のように呟きながら、毛を逆立てている猫のように警戒心を露わにしているアスピスの姿を珍しそうに見つめつつ、シェーンも困ったような表情を浮かべる。
「今のアスピスの周りに同年代の子供っていないから、慣れていないのかしら」
「そういう問題じゃねぇだろ。なんであんな変なもん連れてきたんだよ」
しかも、なにやら、恋愛小説を恋愛指南書にしているらしいという変わり者の少年を。エルンストを初め、恋愛小説好きなアスピスの好奇心をぶつけられ続け半壊した者たちが集まっているこの家に。
「言っておくけど、六剣士のレイスの親近者で、ナグラーダと同い年くらいの少女って条件で探していれば、今より時間はかかったでしょうけど、いずれは見つかったはずよ。それなら、勝手に行動されるより、私を通した方がいいかと思ったのよ」
「この状況で、ちゃっかり恩を売る気かよ」
「あら、本当のことじゃない」
にっこり微笑むシェーンは、それでも内心では、想定外な事態に多少の焦りはあるようである。
シェーンだって、シエンとしてアスピスに結婚を申し込んでいる身なのだ。申し込んだ理由からして、若干純情性に欠けているところがあったりする訳で、他に比べたら不利であることくらい自覚しているだろう。それを考えると、ライバルが増えて喜ぶほどに余裕はないはずである。
「とにかく、シェーン様。なにやらアスピスの精神的に良くない相手みたいなので、今日のところは……」
「そうよね。嫌がり方がすごかったものね」
こまっしゃくれてはいるが、基本どちらかというと温厚なアスピスが、やたらに反抗的で警戒心を露わにしているところからすると、アスピスからすると、ナグラーダとの相性が悪いようだと、周囲の大人たちは判断を下す。
そんな中、上からのそのそとアネモスが下りてくる。
「我がマスターを困らせている奴は、どいつだ」
「アネモス!」
階段を織り切ると同時に、アネモスの元へ寄って行ったアスピスがアネモスに助けを求めるように抱きついた。
「ふん。ガキか。なるほどな」
「なっ! なんだ、その魔物は」
「我は魔物などではない、聖なる獣じゃ。聖狼のアネモスという」
そう言うと、ナグラーダの方をまっすぐ見つめた。
「我のマスターを怯えさせるような真似をするような輩を、マスターに近づけさせるわけにはいかん。我が追い出すより先に出ていくがいい」
「もしかして、怖かったのね。ごめんなさい。そうよね。急に抱きつかれたりしたんですもの、驚いて怖くて当然よね」
気が付かなかったわ。と、シェーンが慌てて告げると、イヴァールを軽く突く。
兄としてカッコイイところを見せておけ。と伝えたいらしかったが、それをエルンストが奪い取るようにして、アスピスをアネモスの元から持ち上げるようにして、いつもとは異なり両腕で抱きしめるようにしてアスピスを抱く。瞬間、アスピスの手がエルンストの首へと回されてきた。
「そういうことらしい。俺は二階にアスピスを連れて行くから、その間にあれを持ち帰って、二度と顔を出さないよう言いくるめてくれ。でないと、アスピスが怯えるからな」
「そうね。そういうことなら、ちょっと考えないといけないわね」
「じゃあ、後は任せたぞ」
「アスピスのことはお願いしますね」
レイスはエルンストにそう告げると、シェーンに帰ってもらうよう交渉し。シェーンも想定外の状況を目の当たりにしたことで、いくら甘やかしている相手であるナグラーダのためとはいえ、このままでいいとは思えなかったようで。ナグラーダを説得して、なんとかこの日はシェーン一行に帰ってもらうことに成功した。
ただ、ナグラーダがこれで諦めてくれるとは、シェーンを始め誰も思っていなかったため、後日王城でちょっと話し合うことになってしまい、面倒臭いことがひとつ増えたとレイスとエルンストは嘆息し。そして後日、フォルトゥーナの耳にも入り、大激怒されてしまい、年頃の女の子と暮らす難しさを実感しながら、さらに2人は長嘆することになってしまったのであった。
誤字脱字多発中。少しずつ直していきます。すみません。




