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sideこっはーその二

13話です

こっはーのチートすぎる実力が発揮されます

「"火炎流星弾"!」


 魔法を唱えると、空中から真っ赤に燃える隕石がいくつも落ちてきた。

 そして、その隕石は全てヴァルブレイバーの方に飛んでいき、直撃するかと思ったが……


「ふん! こんな物!」


 ヴァルブレイバーは俊敏な動きで隕石をかわし、それでもかわしきれない物はバルカン砲でことごとく撃ち落としていく。


「くっ、もっと強い魔法じゃないとダメか……」

「マスター、闇雲に撃ってもこちらのMPが減り続けるだけです。ここは隙を作る所から始めた方がよろしいかと」

「……そうだね。アドバイスありがとうモモカちゃん」

「はは! 何をやっても無駄だよ! ヴァルブレイバーには何をやっても勝てない。たとえそれが、同じ操縦士だとしてもね!」


 と、調子づいたヴァルブレイバーは突如、額を光らせだした。

 また、ビーム類か?

 これ以上は防ぎようが……いや、直線系ならかわす事も……


「ハイメガバスターじゃ仕留めきれるか不安だな……よし! 他の兵装も呼び出してオールレンジ攻撃を仕掛けよう!」

「なっ……!」


 空中に魔法陣が出現し、新たな兵装が次々現れる。

 ミサイルランチャー、ミサイルポッド、肩キャノン……それぞれの兵装がヴァルブレイバーに装備されていく。

 マズイ、一斉掃射されたら防ぎきれない。

 せめて兵装を破壊するだけでも……!


「ハァ―――!」


 炎と氷の属性魔法を出現させ融合させる。

 すると赤と青に輝く一つの球体型エネルギーが完成した。

 そこに魔剣の魔力を掛け合わせて……!


「クロスブレイズ!」


 球体型エネルギーがヴァルブレイバーの兵装の一つ、ミサイルポッドに迫る。

 ヴァルブレイバーはハイメガバスターとオールレンジ攻撃の準備で動きが取れず、球体型エネルギーはミサイルポッドに直撃した後、爆発四散した。


「ちっ! ミサイルポッドがやられたか! だがもう遅い!」


 見ればヴァルブレイバーの頭部は光り輝いており、他の兵装も排熱の準備を整えていた。

 どうする?

 このまま突っ立っていたら、間違いなくゲームオーバーだ。

 かといって迎え撃つにも手数が足りない……。


 いや……ここは逆にチャンスなのでは?


 普通、大技というのは出した後に隙が生じる。

 そしてヴァルブレイバーはロボット。

 ハイメガバスターを撃てば、その後はエネルギー切れで少しの間動けなくなるのでは?

 ならば……


「モモカちゃん、ハイメガバスター以外の攻撃方向、全部把握出来る?」

「え、あ、はい。攻撃さえすれば大体は……マスター何をなさるつもりで?」

「このまま突っ切る……!」

「え!?」

「はっはっは! くらぇえええええええええ!!」


 ハイメガバスター以外の兵装から様々な弾丸、エネルギー弾が発射される。

 今のヴァルブレイバーは、高速で後方に下がりながら攻撃を行う状態。

 ならハイメガバスターを含む攻撃の雨が止んだ瞬間を狙うべく、俺は出来る限りヴァルブレイバーの近くで全ての防御を行う!


「モモカちゃん! ナビゲート!」

「え、あ、右方向からホーミングミサイル、数は二十四!」

「おーけー」


 ナビゲートを聞いた俺は、咄嗟の判断で右方向に魔法陣を展開し、虹色に輝く大型エネルギー体を出した。


「拡散演武!」


 そして、色とりどりのエネルギーに分裂し、広範囲に飛んでいく。

 無差別で法則性もない攻撃だが、撃ち落とす時にはぴったりの魔法だろう。

 俺を狙うミサイルにエネルギーが一つ、また一つと当たっていき、やがてすべてのミサイルを塵にした。


「おのれぇ……! ならば!」

「正面から肩キャノン砲とガトリング砲、左斜めから再びミサイル、数は十二!」


 さっきよりも激しい攻撃か。

 だけどまだいける。


「なっ……!」


 俺はスピードドリンクと加速魔法の二重掛けを行い、AGIを限界まで引き上げた。

 そして高速に迫る弾丸の雨を紙一重でかわし続け、ヴァルブレイバーとの距離を離さないよう注意する。

 

「ぐぬぬ……! ならばくらえっ! ハイメガバスター!」


 ヴァルブレイバーの額が眩しく光り、高出力の巨大レーザー砲が放たれた。

 地面を削り、AGIを限界まで引き上げた俺の動きを鈍らせる風圧が、ハイメガバスター

 の威力を物語っている。

 避ける場所すら与えないハイメガバスターが俺の方へと一直線に向かっていく。

 直撃すれば、間違いなくゲームオーバーだろう。


「マスター!」

「大丈夫、手ならある!」

 

 俺はドリンクと魔法でSTRとINTを最大まで上げた。

 そして全力で魔剣の先端に魔力を注ぎ込み、ハイメガバスターに突き立てると……。


「え!?」

「なっ!?」


 俺は魔剣を突き立てた僅かな隙間を通り、ハイメガバスターをかわした。


「ば、ばかな……どうして」

「はぁ、ぶっつけ本番だけど決まってよかった……」


 この光景が信じられないのか、トウヤの声に動揺が感じられた。

 今、何故かわせたのか?

 それは突き立てた魔剣に秘密がある。

 この魔剣は【フラムベルグ】といい、魔法攻撃を1/2半減させる特殊能力が備わっている。

 いくらハイメガバスターといえども、所詮は魔力の塊。

 俺はそこを付いたのだ。

 フラムベルグの特殊能力に加え、先端部分に全力で魔力を注ぎ込む事でハイメガバスターを部分的に相殺させ、その隙間をくぐって回避した。

 こんな無茶苦茶で試した事もない方法、正直掛けみたいな物だったけど上手くいってよかった。


「あ、ああ……」

「さぁて、とどめといこうか」

「ひぃ! うわぁあああああああ!!」


 動くことが出来ないのか、ヴァルブレイバーは頭部のバルカン砲を撃つのに背一杯のようだ。

 しかしその攻撃は無残にも当たらず、仮に俺の方向に来ても魔剣で跳ね返すだけだ。


「“コピー“……ふぅ二刀流もロマンがあるなぁ」


 コピーでフラムベルグを二本にし、自分が使える属性全てをエンチャントさせる。

 ステータスは最大、魔力も最大。

 全てを確認した後、俺はヴァルブレイバーの装甲で一番弱い部分……つまりコクピットに向かってとびかかった。


「ロイヤルストレート……フラッシュ!!」

「ひ、いやだぁああああああああああ!!」


 高エネルギーをまとった二本のフラムベルグが、コクピットに向かって突き刺さる。

 中枢を破壊された為か、ヴァルブレイバーはバチバチと放電させた後、爆発四散した。

 ふぅ、ロボット相手は驚いたけど楽しかったな。


「さ、シンジョーの所いこうか」

「マスターって結構無茶苦茶ですね……あんな戦い方普通出来ませんよ」

「シンジョーもこれくらいできるって。なんか俺だけおかしい風潮やめてよ」

「いえそういう訳じゃ……ああ、もういいです」


 何故かげんなりとしているモモカちゃん。

 今言っている事に嘘なんてないんだけどな。

 どうして信じてくれないのか、俺にはわからない。

 ま、モモカちゃんもシンジョーの凄い所みたら見直すに決まっている。

 シンジョーを一番知っている俺が言うのだから間違いない。


◇◆◇


「ぐはっ……!」

「はは、どうした? もう終わりかよ?」


 同時刻、別の場所でシンジョーとコンバットの戦いが繰り広げられていた。

 初めこそアイテムでコンバットを追い詰めており、もう少しで勝てそうな所まできていた筈。

 なのに……。


「ふん、大したことねえな」

「うっ……」


 コンバットに突き飛ばされる。

 すかさず回復薬を飲んで、体制を整えるも俺にはこの状況を打破する方法がわからない。

 このコンバットという男、一体何者なんだ……?


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