モブ紹介 第八十八話〜
《第八十八話》
・アズラメイグ
覇王科。幼き頃から周辺諸国への侵略を繰り返して来た軍事大国の王。家名は神には家名が無いと言う理由で、王の直系のみが家名を持っていない。
恐怖政治による支配を続けて来た結果、隙きを見せれば即反乱になり得る程の破綻国家の王太子として生まれ、完璧な支配者となるように育てられた。
しかし、教育を受かる内に致命的事実が発覚する。それは、内政面への才能が座学でも全くなかったと言う点である。
このままでは、内政で無能を晒して一族ごと殺される。そう確信した一族総出で、国家の総力を使って征服王として育てられた偽りの軍事的野心家。
野心でも国家の生き残りでもなく、自分の命の為に侵略戦争を仕掛け続け、玉座で内政のボロを出さない様に常に最前線で戦い続けた結果、広大な領土と共に武人として相当な力を手に入れ、英雄王と呼ばれるまでに至った。
遂には人類統一まで果たし、莫大な功績から若くして父王から王位を受け継いだ人類統一王。尚、彼の出身地であるクライフィート世界は魔獣の領域ばかりで人類圏は狭い為、人類統一と言うってもそこまで広大な土地を駆け巡り数多の国を統一した訳では無い。征服した国と言ってもその1つ1つの規模は基本的に日本の戦国時代の国程の規模。ただし人類を統一した結果、オーストラリア程の国土を手に入れる。
しかし、本人は侵略出来る国が無くなり、内政的無能を晒し反乱されてしまうと、ビビり散らしており、最近では魔獣領域の征服に乗り出した。
本人は自分の命の為に必死だが、既に人類を統一し戦乱の世を終わらせ、国家統一の為に恐怖支配も留守を任せた親族達が緩やかに終わらせ、魔獣を次々と討ち滅ぼし人類の領域を広げているので、現時点で後世まで語り継がれる統一王にして英雄王と呼ばれる功績を稼いでおり、特に反乱分子はいない。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【偉大なる征服王は今日もビビり散らかす〜死にたくないので侵略戦争がやめられません。誰か、助けて……〜】である。
・アクセソプライヤ
冒険科。黄金伝説を信じ黄金の眠る島を探す冒険家。原典の形が殆ど失われたとある異世界の黄金伝説を信じ冒険家となった。
実家は代々漁師であるが、ある時網に太古の宝飾品が引っかかり、伝説が真実であると確信する。そしてその太古の遺物を売って作った資金を元に自分の船を造り、大海原へと旅に出た。
そして、信じた黄金伝説自体は異世界の話であり、彼の世界では全く史実とは異なっていたが太古の遺物が存在した様に、完全に忘れ去られた前文明の痕跡が各地の島、かつての空中都市の破片に存在しており、発見する事に成功する。そんな若き海の冒険王。
古代の遺物の中には現代の技術では再現できない強力な武器も存在していた為、冒険を続けていく内に高い戦闘能力も身に着けた。
前文明崩壊に秘密に近付き、かつての破局が近付いている事を知り、何故か世界を救う冒険に挑んでいる。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【異世界黄金伝説】である。
・ウリベル
滅亡科。深海の王。固有スキルにより絶滅した魚人族になれる力を持って生まれた少年。
辺境の島で平和に暮らしていたが、ある時人族至上主義を掲げる大帝国が彼の故郷にも手を伸ばし領土に。そして彼は異端者として命を狙われ、親族は皆殺しにされた。
彼は海に投げ出された事で海底に沈む形で生き延び、そこで海に沈み滅びた古代文明を発見する。そして古代の力を目の当たりにし、決意した。この力を使い必ず復讐を遂げると。
復讐の為に壊れた古代兵器の修復を始め、その為に必要な資材を集める為に魔獣を狩り、帝国の船を襲い略奪し、遂には古代兵器の修復に成功する。
古代兵器の力とは海の支配、その力を用いて大帝国を沿岸から物理的に削り、海底へと沈め続けている海の支配者にして恐怖の大王。魔王の如く恐怖され、大帝国主導の人類同盟全体から狙われているが、特に気にする事なく敵を片っ端から海の藻屑へと変えている。
目標は大帝国を滅ぼす事から、人類全体が敵に回ったので人類の殲滅を目標としている。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【深海王の世界侵攻】である。
・クラチラ
船舶科。河渡しの少女。スキル〈河渡〉を極めた結果、船に乗せた相手を即死させる事も蘇らせる事も思いのままな黄泉の河渡し。
代々河渡しの家系であり、母親の家系は河で葬儀を執り行う神官の家系。彼女はその2つの才能、河渡しの才能と死者の霊を見聞き出来る才能を併せ持って生まれた。
神官の力を河渡しで応用できないかと色々と試行錯誤した結果、三途の川的な生死の境をも自由に航行する力を手に入れた天才であるが、聖女にも場合によっては神として崇められるその力で普通に河渡しを続けている。
実のところ何回か脅威とも戦って死んでいるが、自分は普通に河を渡って戻り交通の邪魔なそれ等は河の向こう岸に捨て河渡しを続けている。
周囲からはいつも奇跡的に生還する運の良い少女だと思われており、本人もその力の異常性をアンミール学園に来て初めて知った。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【河渡しさんは今日も三途の川を行ったり来たり】である。
・アルミス
海賊科。海に呪われし海賊王の後継者。海から出られない呪いをかけられているが、強過ぎる呪いの為に海の方を動かす歩く海岸線。
母である海賊女帝が妊娠時に海に封じられた古代文明の血塗られた遺産に手を出してしまった為、人一人に収まりきらない呪いが彼女にも流れた。この結果、本来は海の底に沈め永遠に封印するという呪いの内、海から出られないという呪いのみを強く受ける。
そして、呪いが別れた為に完全では無くなり海の方が彼女に合わせて動く、正確には彼女の足元が海となる呪いとなった。
この能力によりジャンプ1つで大波を起こし艦隊どころか島ごと海に沈める最強の海賊として悪名を轟かせている。
尚、本人は生まれたときから海賊王の後継として命を狙われ続けている為、島ごと海に沈めても全く心が傷まない最凶の精神力を有す海の支配者。
そもそも大航海時代で国家も事実上海では海賊でしかない程に無法となっている為、悪気等は一切なく寧ろ性格的には高潔に近い。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【統海王シーストーカー〜海から出られないので地上を海に沈めたいと思います〜】である。
・エストーニア
剣士科。【剣精】の二つ名を持つ大精霊。普段はエルフの様な姿をしている。
元々は自然の力が込められた精霊鋼により鍛え上げられた剣に宿った精霊。持ち主が偉業を成し遂げると共に精霊としての格が上がり、自我芽生えた存在であり、大精霊にまで至った。
しかし本分は剣であり、持ち主が寿命でこの世を去った後、次の持ち主を待ち続けた。
しかし課した試練、自分の剣技に勝る者すら現れず、次の持ち主が自分の元に訪れるまで剣を振るい続けていた為に、剣を極めてしまった剣王以上の剣技を有する剣にして大精霊。
やがて伝説は忘れ去られ、結局自分に相応しい者は現れず、自ら自らを振るう様になった。そんな大精霊にして剣にして剣士。
世間では出自不明のエルフ最強の剣士だと思われている。それでもまだ、自らを振るうに相応しい者を探し続けて、名を上げた剣士に挑み続け圧倒し続けており、実質的に世界最高の剣王が道場破りに世界を回っている様な状態となっている。
大精霊としての寿命で千年以上活動している為、もう彼女の世界の剣士達には名を上げたら彼女と戦うのが常識となっており、何れ彼女を越える事を目標としている。
そして彼女は自分に相応しい者を探していると公言しているので、剣士達は結婚相手を探していると勘違いしており、結果として色々な意味で憧れとなっている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【剣精放浪記】である。
・シーゼ・ボン・ソーメル・リューラ
芸術科。人の心を動かす芸術家。天性の芸術センスと表現力が凄まじ過ぎた結果、革命を題材にした絵で人の心を革命へと動かし世界的に指名手配されてしまった天才過ぎる芸術家。
特殊な固有スキルを持って生まれたなどでは無く、シンプルにどうやっても歴史に必ず名を残すレベルの芸術の才能を有する天才。簡単なスケッチでも彼が描けば数十億の価値が付く。
指名手配後もあまりの出来の芸術作品で心を動かし続けた為、国と対立してでも匿ってくれるパトロンに困った事は無い。名乗らずともその場で作品を作るだけで周囲を虜にし続け、悠々と創作活動のネタ探しに旅を続けている。
尚、創作活動とそれによる心の揺さぶりにより芸術家系統のジョブレベルは上がるので、能力値が上がり難い生産職のジョブに就きながらも、レベルアップを繰り返し続けているので身体能力は相当高くなっており、戦わないが身体能力だけでもそこそこ強い。
加えて宗教画や神像の彫刻作製などにより、神の心すらも揺さぶり祝福を複数受けているので、戦闘技能皆無な筈なのに、下手をすれば中堅国家1の実力者でも敵わない程の戦闘能力を有する。しかしそれらの力も基本的には創作活動にしか使っていない生粋の芸術家。
にも関わらず、無自覚に潰した国はそこらの軍事大国よりも多い。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【天才芸術家は天才すぎた〜動乱を題材に作品を作ったら心を揺さぶりすぎて本物の動乱を起こしてしまいましたが、気ままに創作活動を続けようと思います〜】である。
・ラーミュナ・エレ・フォンモール
忠臣科。暗黒騎士。狂気の忠誠心故にあらゆる手段を選ばない騎士道精神なにそれ美味しいの系騎士な少女。
悪魔に乗っ取られた主人に忠誠を誓い続けた結果、悪魔よりも悪魔な所業にも手を染める様になった騎士であり、主人に教わったトレーニング法(悪魔的方法)を自己流でアレンジし続けマッドサイエンティストの域まで至った。
その忠誠心から悪魔の誘惑では堕落させ真の手駒と出来ない為、主人の悪魔からは実は恐れられている悪魔の天敵でもある。悪魔流トレーニング、その実本来であれば精神が崩壊する様な禁忌も忠誠心により乗り越えており、それによって驚異的な力を身に着けた。結果としては悪魔も恐れる禁忌の化け物。
そこらの悪魔よりも魂を喰らっており、もはや人族では無いナニカに変質している。立場が違えば魔王と呼ばれ恐れられる様な存在。主の命に従い汚れ仕事を真正面から堂々と遂行する。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【悪魔に忠誠を〜忠誠心があれば、何でも出来る!! 有能過ぎる働き者も色々と滅ぼすもよう〜】である。
・リズモンド・ワイヴァール
王侯科。毒物グルメ家。ありとあらゆる毒を食す事を目的とし、更には自分で凶悪な毒の開発に取り組む毒マニア。
ワイヴァール王の庶子にして長男。彼を邪魔者扱いする王妃の命で虐げられて育ち、傷んだ食事を毎食食べた結果毒耐性を身に着けた。更には王妃の子に王位を継げる男子がおらず、王女のみであった為に焦った王妃から命を狙われる事になり、遅延毒を徐々に盛られる様になる。
しかし、毒耐性を身に着けそのレベルも上げた彼には効かず、王妃はより強い毒を容易するも死にまで届かない毒は寧ろスキルの成長を助ける事となり、幼少の時点で国一番の毒耐性スキルを身に着ける事となった。
そして、彼を虐げていた侍女が死んだ。それも次々と。王妃がその権力で手に入れた毒は非常に強力であった。毒耐性とは耐性であり、毒を必ずしも消せる訳ではない。その猛毒は彼に害を及ぼせなくとも彼を侵蝕し、毒は彼の中に有り続けた。
侍女たちの連続死の原因は深く調査される事なく呪いと噂され、恐れた王妃は遂に暗殺者を送る。そして、死んだ。彼の血が、複数の強大な毒が濃縮された劇毒が飛び散った事で、城中の者が死んだのだ。暗殺者も死に絶え、彼は生き残った。
そして人生観が変わった。自分にとっての唯一の味方は毒であると。王妃と言う権力すらも届かない至高のものであると。
それからはあらゆる毒を自ら好んで求め食べるようになった。最近では毒を前にするだけで勝手に涎が溢れる生粋の毒好き。それが行き過ぎて毒の開発も生き甲斐としており、凶悪な猛毒の数々を開発している。
しかし、様々な毒を摂取し続け定着した事で、彼自身がこれまで食したどんな猛毒よりも凶悪な毒の塊となっており、仮に彼が死に凝縮した毒の全てが拡散したらそれだけで大国の国土全体が数百年と人の住めぬ土地となる。
絶対に同じ国内で死なれては困る存在と化しており、あまりに危険だが誰も刺激出来ない事実上の絶対者の一人としていつの間にか地元の世界では君臨している。
が、本人の自認はただのグルメ家。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【蠱毒のグルメ】である。
・カーラ・フェリック
料理科。発酵食品を研究し続けた末に何でも消化吸収できる様になった腸活少女。サール世界において初めて微生物やウイルスを発見した天才学者でもある。
代々様々な発酵食品を作って来た家に生まれたが、彼女には家業に必要な発酵魔法が使えなかった。そこで古典に立ち帰り1からの発酵食品作りに挑戦する。家族の献身的とも言える全面的な協力、希少な発酵魔法による協力の結果、発酵の正体を正確に見極めるに至る。
そして、魔石を消化できる微生物の存在とその食品化に辿り着き、複数の微生物を自分の体質に合わせて組み合わせ腸内環境を整える事で魔石の魔力を取り入れられる体質を獲得し、念願だった発酵魔法の習得にも成功した。
言わば、微生物の力で自己改造し続ける強化人間となっており、本来人族が有さない特性、魔獣の能力なども複数併せ持つ。
その結果として高位の戦闘職の何倍も強大な力を手に入れているが、その力は主に新たな微生物採取や培地となる魔獣の素材採取にしか使わない微生物の探究者。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【超活!! 〜腸内環境整えた結果について〜】である。
・セアノト・リモール
旅人科。自分が無い故に言霊で容易く自分を変えられる言霊使い。
夢も目標もなく言われるまま流されるままに生き、それを何とも思わない自分が無い少年。話も中身がなく薄っぺらく、感情が殆ど無い。それは例え目の前で人が死んでも変わらない。それでいて心が死んでいる訳でもなく、自分が無いゆえに自分のことが他人事であると感じ程に自分が無い。
それが行き過ぎた結果、言われた事、言った事、即ち言霊の方が現実よりも確かなもの、彼を定義するものとして確かなものとなってしまい、その果てに言霊を操る力を手に入れた。
基本的な言霊の力としては世界すらも騙す自己暗示。言った通りの存在と化すことが出来る。勿論限度はあるが、二つ名を手に入れている対象に関しては、ほぼ完全に二つ名通りの存在となる事が出来る。
色々な存在になれるので、二つ名を多く所持しており、これを切り替え組み合わせるのが基本的な戦闘スタイル。【言霊の幻霊】と言うある意味本来の自身そのものを示す二つ名を手に入れた事で、その言霊の力は外界にも効力を及ぼせる。
ただ欠点として、他者の言葉、言霊にも非常に影響され染まってしまう。これにより彼自身は自分が無い為に、流されるまま、特に目的も持たずに暮らしていたが、この特性によって言霊に染められ、数々の体験をするようになった。
英雄候補にまで上り詰めたのはこの特性によって数々の事件に巻き込まれたため。アンミール学園に来てからも他者の言葉に流され続けている。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【流され者のレッテル】である。
・クロイト・ノーマ
農業科。食物連鎖を利用し魔法薬の開発を続ける魔法農家兼狩人兼魔法薬師。本質はもったいない精神が行き過ぎた貧乏性少年。
両親を早くに亡くし、猟師である祖父の手により山奥で育てられた。その祖父が亡くなってからは山奥で一人で暮らすようになり、村まで毎回降りるのも手間だからと祖父から受け継いだ狩猟以外にも畑仕事に手を出し、自給自足の生活を始める。
しかし彼は農業を知らなかった。中途半端に枯れ葉を土に混ぜだ方が良いなどの知識から、狩った魔獣の食べられない部位を土に混ぜ育てる様になる。その結果として、魔獣の特性の一部を農作物に引き継がれる事に気が付く。
その変化は微小なものであったが、スライムが食事によって特性を変化させるところから魔獣でも同じ事に気が付く。そして、連鎖的に微小な引き継ぎを目に見えて効果を引き出す方法を発見する。
特性を食物連鎖により濃縮させ、魔力により変質しやすい薬草に移す。その薬草から薬効を引き出し薬にする。そんな連鎖で自然界に存在しない材料から新しく強力な魔法薬の数々を生み出すようになる。
自給自足をしていた為、それらの薬は自分で摂取し続け、魔獣用のスキルなどを獲得する事に成功した超人。その力より強大な魔獣を討伐し、また連鎖的に強大な魔法薬を作り、加速的に力を獲得した。
本人はただ普通に生活しているつもりの無自覚系超人。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【雪だるま式、食物連鎖農業!!】である。
・クレイ・アノール
霊能科。見て見ぬ振りを極めた霊能力者。
死者と生者を見分けられない程の霊感を持って生まれ、それに伴い悪霊を引き寄せてしまった為に、防衛本能として生後数日から身に着け極めてきた。
その結果、見て見ぬ振りを自己防御系スキルに昇華させ、悪霊に関わらず自身への攻撃を、遂には自身に関するあらゆる事象に対し、気が付かない振りをしている限り、全く影響を受けないと言う力を手に入れた。
悪霊からの干渉は勿論、たとえ火の中水の中、斬られようが撃たれようが、気が付かない振りをしている限りは一切ダメージを受けない。
そして気が付かない振りをしている限りは障害物すらも無視し、彼の動きを封じる事は勿論、その剣を止める事も出来ず、防御力無視に近い攻撃を放つ事も可能。
ただし、気を緩め気が付いた瞬間に全ての現実が襲ってくるので、回復力に対して気が付かない振りをしてダメージを上回る回復力を貯めておくか、もしくは完全に忘却するまでは気を緩める事が出来ない。
この特性から、激戦の度に忘却魔法を定期的に服用し、現在では忘却魔法を習得する事で反動を消し去ると言う対処をしており、大きな試練に対しては事実上記憶を対価に戦っている。
その結果として、忘却前に恨まれた事なども忘れるので、相手を何もしていないのに襲って来た完全なる悪として対処する、即ち対話をせず一切の手加減抜きで徹底抗戦するといった事も続けており、国を滅亡の淵に追いやるといった事も重ねている。
記憶を喪っていくと言う悲劇の主人公的要素が有りながら、そもそもの力が強く被害が広がる事も多いので、結果的にどちらかと言うとダークな英雄候補。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【見て見ぬ振り、極めてみました。】である。
・エラゴノート
召喚科。ほぼ召喚専門の召喚術師。強き召喚獣を呼び寄せる才能が極めて高いの対し、引き寄せる対象が強大故に従える事が出来ない。歩く魔界の門の様な存在。
この力は生まれつきのものであり、物心つく前から魔に属する勢力に狙われ誘拐され続けて来た。また同時に、世界平和の為に人類の勢力からはその命を狙われて来た。
そして彼は魔の勢力と人類の勢力の両者、言わば世界を相手に戦う事を当然として選び、その為の力として召喚獣を使う道を見出した。
従魔に出来なくとも、一時でも自らの力になれば良いと割り切り、召喚する代わりに一定期間戦えと言う契約を召喚獣との結ぶ、言わば傭兵として使う事でその世界を敵に回す才能を世界に対して振るった。
完全な制御や命令が出来なくともその力は魔王軍全体に匹敵する程に凄まじく、次々と敵対勢力を蹂躪。侵略ではなく敵の殲滅を目的とし、情け容赦なく淡々と国々を滅ぼす。
世界の4分の1程は蹂躪した悲劇の世界の敵。本人はただ静かな生活を望んでいる。アンミール学園に誘か…、来てからは静かとは対象的な騒がしい生活になったが、それでも笑うようになった。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【デーモンロード〜世界に狙われて来たので、仕方がないので世界を滅ぼします〜】である。
・ナターニア
行商科。ゲーム世界フィオーレ・ペル・センプレにおける行商人キャラクターである少女。
彼女の住まう世界にプレイヤーが降り立った事によりゲームマスター兼創造主である神も予期せぬバグが発生し、〈無限商品〉の力を手に入れた。
フィオーレ・ペル・センプレは完全に管理された運命の定まった世界であり、自由意志も選択肢と言う形で収束する。それによってある意味堅実に管理された世界であり、運命の内容をプレイヤー選出のために異世界で形にしたのがゲーム。
しかし強固に運命の流れを固定していた為に、その流れの歪みは世界全体を歪ませ、世界全体のエネルギーの流れが生まれた。その流れの先は最も流れが固定されていた、主要キャラでなくともアイテムを売る行商人としてメインキャラ以上に登場し、決まった流れを繰り返す彼女であった。
その結果、限定的ではあるが創造神の権能に等しい〈無限商品〉の力を手に入れる。言わば購入を続けても在庫が減らないゲームの仕様を現実の力として手に入れた。
そして運命の輪から離れると共に、当然のようにメインキャラの活躍を次々と奪い、同時に運命を乱しに乱し、運命を粉砕した。その影響で防がれていた世界の脅威なども現れるようになってしまったが、それも無限の弾丸など圧倒的な物量で粉砕している。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【行商人キャラ、商品を売りまくっても消えない事に気が付く】である。
・ルガー
神科。太陽神の息子。太陽に恋い焦がれるがあまりに想像妊娠した狂信者の母より生まれた半神半人かも知れないし半人半神かも知れないし、また別のナニカかも知れない少年。
そもそも彼の出身世界に太陽神は存在しない。が、新興宗教に騙された彼の母は存在しない太陽神を信じ焦がれてしまった。狂信的に妄想した。妄想し想像妊娠した。何度も何度も想像妊娠した。そしてその軌跡は一つの奇跡を生む。固有スキル〈創造妊娠〉。繰り返す想像妊娠が経験値となりスキルまで昇華したのだ。そして処女受胎し、彼は生まれた。
そんな彼は存在しない筈の太陽神、その子である半神に相応しい力を持って生まれた。その太陽神は母の想像、本物の神とは全く異なる想像上の存在、全く別法則の存在。そんな力を持って生まれた。
神の力を持ちながら当たり前に地上に存在し、神の力でありながら神の力ではない結果だけを伴った力を有した完全なるイレギュラーな彼に対し、本物の神々は排除する方向に動く。
しかし新興宗教をある意味本物とした事でその勢力を自動的に手中に収め、更に勢力を拡大させ、周りの力も十分。彼自身は異端の神。地上になき神々に遅れを取ることなく、寧ろ既存の宗教勢力を下し、一大宗教国家を築く。
文字通り新たな神話を始めた新世代の神にして異端の神。偽りにより創られた存在ではあるが、半神として、そして子として生まれ育った新興宗教のコミュニティを愛しており、彼女達を守ろうと決めている。本物の神となる時も近いかも知れない。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【偽神の創世紀〜偽りの太陽神ですが、遠慮なく世界を奪おうと思います。〜】である。
・ウィレミア・シンフォールド
料理科。【第七継承】七代シンフォールド。記憶を対価に能力を引き継いで自らの子孫に転生を繰り返すララカマス世界の大英雄シンフォールド。
前世や前前世で世界を救う活動を続けた結果、極めて平和な世界になっている為、今世は王族を遥かに超える権威を有する大貴族令嬢。誰もが大英雄の転生した姿と知っている為、彼女の世界では誰一人頭が上がらない実質的な世界最高権力者。
記憶は無いがそれが知られている為に記録は詳細に残されており、心も消える訳ではないので、精神は老人以上に老成している。老人に対しても孫を相手にする様に接するハイスペックばあちゃん少女。今生は平和なので孫達(=老人を含めた全人類)にお菓子をあげたいと言う思いの延長で、お菓子作りに取り組んでいる。ただ、料理は滅茶苦茶下手だったのでマイナスから練習中なお菓子職人見習い。
アンミール学園に来たのは婚活の為。転生の為には子孫が必要だが、7回も転生し生きていると数え切れない程の人々が自分や知り合いの子孫で、孫にしか思えず恋愛対象にならなかったので別世界にやって来た。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【転生英雄のお菓子作り〜繰り返す転生で全人類が孫にしか見えなくなったので、今生は孫達の為にお菓子作りに挑戦したいと思います〜】である。
・リファイゼ
戦士科。零落した神。人々を救う為に幾度も地上に降臨し、消耗した果てに神格を失ってしまった元英雄神。
信仰を失い忘れ去られ力を喪った訳ではなく、幾度も無理を承知で繰り返した地上への降臨により、神格そのものが傷付き神として力を喪った。一方で、信仰は人類を救い続けた事で絶大であり、零落し消滅しかけると同時に絶大な信仰の力を得た為に、神格という行き場を喪ったエネルギーが収束し人の身へと零落した。
単に神が力を喪っただけでは起こり得ない特殊な条件下で生まれ変わった極めてイレギュラーな存在。言ってしまえばほぼ消滅から再生した為にテセウスの船状態となり、同一でありながら同一ではない存在と化した。
人が死後に信仰され神へと至った存在ではなく生まれながらの神であった為、蘇った訳でもなければ純粋な人族になった訳でもない。本質的には神とも人とも異なる存在。
信仰を受け神としての力を取り戻す事は出来なくなったが、中途半端な存在となった事で、自分を信じる事で、その度合いに応じて神に等しき力を振るう事が出来る。
肉体を持った事でこれまで神として見守るだけであった人の世に直接降り立ち、人の中に身を置く事で人を更に愛する様になる。そして、神であった時のように人々を救う為に戦い続ける英雄にならんとする元英雄神。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【元英雄神、英雄になる】である。
・レウィン
追放科。追放代行者。退職代行サービスを生業として働いていたが、いつしか追放代行専門となった追放退職の専門家。
ある時退職代行のタイミングと本来なら依頼主が追放されるタイミングが重なり、用意されていた致死性の悪意をその身に受ける事となる。そして、乗り越える事で追放主人公級の力を手に入れた。
当然、偶然とは言え致死性の罠にハメた事にブチ切れて追放した側には破滅を代行サービス。ある意味、完璧な追放代行サービスをした事で評判を呼び、いつの間にか追放退職専門の退職代行サービスを行う様になった。
追放系主人公が一度受けるだけで十分過ぎる様な試練を何度も乗り越えた為に、追放系主人公の力を数多く有しておりチートの塊みたいな実力を手に入れている。
尚、理不尽な追放を相談を通して色々と聞き、致死性の罠の部分は身を持って何度も体験している為にモチベーションはかなり高く、過酷な業務であるが自分から進んで引き受け追放退職代行サービスをやっている。
最近では追放される人物を見抜き、探し出す能力まで身に着けており、自分から営業に行き仕事を探している。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【追放退職代行サービス承ります】である。
・シェラ
仙人科。神々に溺愛された神仙。女人禁制が守られ過ぎている神山に迷い込み、女性免疫が全く無い神仙達に溺愛されるようになった神々の寵愛を受けた少女。
元々は神山がある秘境に隣接している国の王女であったが、国の滅亡を予言した言い伝えの内容と完全に一致していた為に殺されかけ、追手に見つからないだろう秘境に逃げ込んだ。
そして、神山に迷い込み、神山の神仙が国家滅亡の予言をしていた事で責任を感じ、特例として神山に住まう事を許可する。そして、住んでいる内にいつの間にか溺愛される様になる。
そして溺愛された結果、過剰な加護に伝説の秘宝、貴重な霊薬などなどを貢がれ続けてあっという間に力だけなら神仙に匹敵する様になった。
ただ、力を使いこなせておらず、技も拙い。少しでも神仙達に恩返ししようと、日夜仙術の修行をしており、出力を何度かミスって仙術を向けていた方向にあった祖国を予言通り存亡の危機に陥れている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【女人禁制の聖域で唯一人女である私、女性免疫ゼロの神々に溺愛されちゃいました】である。
・フワラ
科学科。異次元精神体。勇者召喚術が失敗し引き寄せられた魔王を上回る怪物。精神体であった事もあり、召喚術の効果で人の姿をしている。肉体は精神を元としている為に性別は無い。
個にして集合体であり、時間の概念が異なる次元の精神体である為、非常に高度な技術力を有する。一方で全てが完結している為に召喚されて初めて、退屈かつ孤独であった事に気が付き、何かを求めて人間に興味を持つ。
ただ、根本的に生物ですら無い為に人の事が分からない。その為、理解する為に異なる倫理観を持って実験を繰り返す化け物であり、一方で絶大な科学力で勝利をもたらす恐怖の支配者。
既に召喚されてから十万年以上が経過しており、人類に超文明をもたらし、その後早すぎた科学力で世界を滅ぼし、現在では旧世界の神と呼ばれる様な高位存在となっている。
正義でも悪でも無いが、人類にはまだ早すぎる過剰な力を持ち、人類に超技術を与えて実験し続けている。その結果として、人類を何度も自滅させている化け物。
彼もしくは彼女が主人公の物語に題名を付けるならば、【超高度生命体の人類実験〜人類に力を授けると、何故か勝手に全滅しかける件について〜】である。
・マルカドロ
武闘科。聖拳使いにして聖拳。勇者に等しい才能と聖剣に匹敵する神造兵器の力を同時に与えられた少年。
魔王によって聖剣を破壊されてしまったコルミナス世界において、二度と神造兵器が破壊されぬ様に初めから使い手に力を与えようという苦肉の策により誕生した選ばれし者。
しかし、神託は言葉、それも断片的にしか伝える事が出来ない為に、聖剣と誤変換し伝わり、その影響で世界は誰も見つけられない状態となった行方不明の救世主。彼自身も自分が何であるかを分かっていない。
ただ、その力は神造兵器に相応しいあまりに常人とはかけ離れた力を持つ為、人とは違う事は確信しており、自分が何者かと言う答えを探し続けている。その為に旅をしており、結果として行く先々で魔王軍と戦う事となり、勇者の活躍を見せている。
一方で、神造兵器として生まれた影響で肉体があまりにも頑丈な為に年齢的な成長が抑えられており実年齢に対して幼く小柄な外見をしている。この外見が英雄の噂のイメージと一致しておらず、共闘した者以外からは勇者級の実力者だと見抜けず、どこからも勧誘されない為に基本は気ままに旅をしている何重にも見つけ難い正体不明行方不明の救世主。
彼が主人公の物語に題名を付けるならば、【聖剣? 勇者? いえ聖拳です。】である。




