第八十六話モブ
第八十六話のモブ紹介です。
第八十六話
・アライン
宗教科。
カルト教団に見出されし勇者。悪魔崇拝しているディグモテス教団が勇者召喚の秘儀を盗み出し、悪魔召喚の術式と組み合わせた術式により百歩前に召喚された教団幹部の息子。
生まれた時からカルトな教えに染まっており、信じて疑わない。何なら親や教祖すらも黙らせる程の狂信者。真剣に心の底から信仰している結果として、新たな教えの解釈を読み取る別宗派の祖の領域まで到達している。この驚異的な信仰心が教団の生み出した悪魔召喚術式と共鳴し、いや塗り潰し召喚術式に選ばれた。
元々、悪魔召喚や悪魔との取り引きを日常的に行い邪悪な術に秀でていたが、召喚後は悪魔召喚術式を通過した影響で悪魔そのものと言える力、対価と代償に対価を差し出した相手に力を与える事も出来る様になり、その取引で教団の規模を加速的に拡大させた。
その性質から救いにも必ず代償を求め、払えなければ魂を貰う代わりに生きている間の隷属を強いる。一部では魔王軍以上に危険視されており、日常的に暗殺者などが送り込まれているが、贄として美味しくいただき力に変え、様々な国家や宗教を恐怖させている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【偽典勇者〜信じる者のみ救われる〜】である。
・オグマ・バランディノ
裏社会科。
勇者に選ばれたバランディノファミリーのボスの息子。バランディノファミリーはもはや一国に相当する程に拡大した大勢力であり、その拡大に伴う抗争に生まれた時から巻き込まれていた為に実戦経験が豊富、時には毎日が実戦であった為に勇者に選ばれる前から鍛えられており勇者抜きにしても相当強い。
反社会的組織の若頭である事から、正真正銘の勇者であるが世界からは認められていない。一方で、彼自身にも世界を救う気はなく、組織の拡大と子分を守る事のみを良しとしている。
しかしショバ代を払う者達も子分と同様の扱いをし、きっちりと守り災害などにあえば戦力以外の支援も行う。が、未払いであったり、部下であっても仕事に失敗した場合は冷酷に処分を降す。
実は弱者に優しい元々は自助組織だった、と言うこともなく殺しから違法奴隷売買など国際的な犯罪に手を出している犯罪組織の次期長。反対に表社会よりも強固な掟等も存在しており、堅気に対して向こうから接触してこない限りは手を出してはならない等は徹底しており、完全に世界を救う為に手を組めない存在と言う訳でもない。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【アウトブレイブ〜勇者悪人〜】である。
・ガルファロ・オルテクス
テロリスト系勇者。アルスメギス世界において弾圧されている異教徒な少数民族出身で、勇者となる前から民族独立を目指して弾圧政策を取る有力者などを標的にテロ活動を行って来た。可能であれば民族浄化すらも目指す過激派。
実は彼の一族、民族は勇者の子孫であり、その世界で主に信仰されている神の真実、存在しない事を知っている為に苛烈な弾圧の対象となっており、神が実在する世界ではガルファロ達こそが正しかったりする。
魔王が二千年近くも現れておらず、おとぎ話すらも忘れかけられているので、勇者の探索や和解の協議などが行われる事もなく、彼も魔王に興味はなく打倒すべきは弾圧者達であると勇者であるが魔王軍とは戦っていない。
市民からも弾圧され続けて来た為に、目的の為なら容赦なく民衆も巻き込む系のテロリストであり、現れ始めた魔王軍が街を焼こうとも向こうから自分達を襲ってこない限りは交戦せず、その混乱の最中で有力者達を暗殺したり、閉ざされた城門を魔王軍が入れる様に手こそ組んでいないものの引き入れたり、自分達の目的のみを遂行している。
魔王軍とは戦わずとも、テロ活動の中で経験を積み重ね続けた結果、勇者として十分な力を手に入れているが、基本暗殺など正面から戦わずにいるので自分の力を正確に把握していなかったりする。アンミール学園に入学する前の時点で一軍と正面から戦っても薙ぎ払える力を持つ。
アルスメギス世界の人類は魔王軍と勇者のテロ組織から敵意を向けられており、その行く末はかなり危うい。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【テロリストが勇者に選ばれたようデス。】である。
・カラルモーラ
勇者を選定する聖剣を騙した稀代の詐欺師にして、聖剣に選ばせさせた勇者。彼の世界では聖剣に選ばれし者こそが勇者なので、騙してなっているが正真正銘の勇者である。
聖剣の力で世界を救う程の力を与えられているが、聖剣も勇者の肩書も詐欺の道具としか思っておらず、その力を振るう気は全く無い。安全なところで金を騙し取る事を良しとする。
人類の切り札として魔王軍から狙われているが、その全ても言葉で、詐欺術により追い返しており、勇者としての力を使う事は滅多に無い。元々聖剣を除けば戦闘力皆無なので、徹底的に戦闘は避けようとする。
ただ、完全に戦えない訳でもなく、自分を騙す事で役に成り切る事ができ、その場合は勇者に徹する事も出来る。しかしそんな事は滅多に無いし、無いように口車でどうにかしている。
勇者がこの状態では人類の未来は危う筈だが、自分が働かなくて済むように各地の実力者を勇者の威光を使った話術で代わりに働く戦力として立たせており、本来なら敵同士の組織も何と一時協力関係にする事に成功している為、全体的な人類戦力は底上げされており、割と歴代の勇者にも出来なかった戦力を整える事に成功している。その結果、歴代で最も魔王軍による被害が少なく魔王軍の損害が最も大きい。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【詐欺師ですが、聖剣騙したら抜けちゃいました。】である。
・ロゼット・ハウンド
裏社会科。悪魔を宿すマフィアのボス。
元々は悪魔召喚を行い悪魔を宿した違法な兵器を生み出そうと考えたマフィアに生贄として連れ去られた少女。召喚された悪魔に千の命を捧げると契約し力を得て、自分を連れ去り故郷を焼滅したマフィアを壊滅寸前まで追い込んだ。
その過程で故郷を滅ぼしたのは複数のマフィアの仕業であったと知り、全てのマフィアを滅ぼし悪魔の贄とすると誓った。下っ端などは敢えて生かし恐怖で支配、任務に失敗した下っ端は容赦なく悪魔の贄に。
死よりも恐ろしき恐怖で完全に支配し、死兵の如き部下の力で次々とマフィアを悪魔の贄とし、そのマフィアと繋がっていた王侯貴族にも容赦なく手を出し悪魔の餌とした。
そして魔の手を表社会まで伸ばし、政府が汚職に塗れている事を知ると、更に容赦する事なく、一般人にまで知れ渡る程の恐怖を振り撒き、誰もが知る裏社会のトップとして君臨する様になった女帝。
終いには悪魔すらもその苛烈さから恐怖させ、時に役に立たねば処分し、裏社会どころか裏世界にまで君臨しつつある。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【死ぬのは嫌なので代わりに千の命を捧げます。え? これ以上喰えない? テメェの命を散らしたろうか?】である。
・ラスティア・ラベノ・ランベルク
騎士科。自身に忠節を向けた異端の騎士。
彼女の出身世界は契約によって力を得る文明であり、彼女が目指した騎士も忠節を誓うと言う対価の代わりに力を得られる契約によって成立していた。彼女は主が見つからなかった落ちこぼれ騎士であったが、叙任式の日になっても諦めず夢の終わりである日に自らに誓った。必ず騎士になると、必ず夢を叶えると。強いその意志は、違わぬ誓いは自己の中で完結した契約となった。そんな主なき異端の騎士。
契約の対価は自分への忠誠であり、自分の理想を裏切る事が出来ないと言う制約がある。誓いを破れば力が失われるなどの制約ではなく、誓いを破ると言う選択肢自体が取れない。加えて忠誠の対象が自身が思い浮かべる理想なので、自分の意思や論理的思考とは関係なく身体が動いてしまうと言う代償が存在している。
彼女はこの代償を逆手に取り、動きも含めて明確に理想の騎士を思い浮かべる事で身体能力の限度まで勝手に身体が動く全自動戦闘術に辿り着いた。
契約で得る力自体は通常の騎士契約と変わりなく、誓いを守れば守るほど、それが達成困難なものを乗り越える程に強くなる。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【この忠誠を自分に捧げる〜忠誠を捧げる相手がいなかったら自分に捧げたら、自分の期待を裏切れないようになりました。物理的に。〜】である。
・ハヤテ
用心棒科。
黄金の国、屈強な戦士達の国、神秘の国とされる極東から来た流離いの剣士。と田舎の島過ぎて勝手なイメージが先行している辺境の島、全村合わせても人口千人弱程度のただのド田舎出身の上京少年。
なんか特殊な武術を使う凄腕の剣士だとか勘違いされて逆風評被害に遭っており、腕試しを挑まれたりして困っているが、何とかハッタリで回避している。実力的には普通の初心者冒険者だったが、凄腕と勘違いされて厄介事に巻き込まれ続けて年齢に見合わない力を身に着けつつある。
しかし最も磨かれたのはハッタリ技術で、ハッタリの為だけに幻影術まで身に着け、奇術に近い小技も身に着けている。戦闘にそれを流用すれば実は数段強くなるがその発想は無い。
そんな不運かつ残念な極東の剣士。アンミール学園では初めから強くないと主張し続けているが、演技し続けた結果として構えなどは形だけ完璧なのでその気配を読み取れる生徒たちから本物扱いされそれが真実だと思われ続けている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【東方剣武録〜極東にある黄金の島国の剣士は最強らしいです。どこそこ? 誰それ?〜】である。
・ランベルト
演劇科。
演じていた騎士王だと本気にされてしまった旅役者。取り返しがつかないレベルで騎士王だと言う認識が広まり過ぎてしまった為に、世間から騎士王で間違いないと思われている悲劇件喜劇の人物。
劇の人気が興行速度を越えてしまい先行して各地に広まった結果として、演じていた騎士王だと誤認された。現代風に言えばただバズっただけなので演技力が高過ぎるからそうなった訳でもなく、彼本人はただの新米役者である。加えてバイト感覚でやっていただけで役者を目指していた訳でもない。
騎士王だと勘違いされた後は各政権から狙われ、反対に現政権に不満を持つ人々や、後の伝説に憧れる戦士達が勝手に合流し、遂には自称配下達が国を二つほど滅ぼしてしまった。その為、現在騎士王の称号だけは本当に所持している。
一方で勝手に自称配下がやっているだけなので、本人には戦闘能力も政務能力も無い。筈だったが無理矢理自称配下達に王選の聖剣抜きをさせられたら何故か抜けてしまい、使い手になってしまったので何故か戦える様になっている。
そして、演劇の内容だった筈の偉業を自称配下の尽力もあり尽く成し遂げている。これは、演劇の台本を作った劇作家が無自覚な予言者であり、アイデアと誤認しながら未来を描いた為である。
よって実は正真正銘の演劇で謳われた騎士王と言えるが、本人は常にどうやって穏便に誤解だと気付いて貰えるか考えており、どんなに偉業を積み重ねても本物である自覚は無い。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【騎士王伝説〜あの、ただの演劇なんですけど? 俺、騎士王じゃないんですけど? そもそもフィクションなんですけど?〜】である。
・オルメシア
給仕科。
何でも持って運ぶ事が出来る固有スキル〈高皇給仕〉に目覚めたウェイトレスの少女。
元々は代々貴族の使用人として仕えていたが、ある時客人の高位貴族に運んでいたワインをこぼしてしまい一家ごとクビになる。そんな事がありもう二度と失敗しないと給仕の練習を執念で続けた結果、固有スキルを手に入れた。そんな給仕技術のみを極めた少女。
あらゆる環境においてもあらゆるものを完璧に運んで見せると、ダンジョン内で運んだり、鉄塊を運んだりしている内に、ウェイトレスも冒険者も手に入れられない能力を手に入れた。結果として、給仕を抜きにしても抜群のバランス能力や回避能力、筋力までも有しており、戦闘面では普通に強い。
固有スキルに覚醒めてからは、どんな質量のものでも運べる様になった為、大質量を運びながらぶつかるだけで大抵の相手に勝利できる。山を運べば城塞都市もなす術が無い。
しかしまだまだ完璧なウェイトレスを目指し精進しており、努力する毎に手に入れた力でウェイトレスからかけ離れると言う負か正かよく分からないスパイラルに陥っているが、鍛錬をやめる気は全く無い。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【質量無制限ウェイトレス〜給仕係なら山くらい運べて当然です〜】である。
・エリヘイア
偶像科。
代々残酷な髪の宿命を背負った一族の出身であり、短命な宿命から解放される為に万能薬エリクサーを探して試練に挑み続けている少年。偶像教にスカウトされデビューを果たしたアイドルでもある。
アイドル活動は順風満帆、順調にファンも獲得していったが遂に逃避していた頭皮の現実に直面、あまりに早くも髪が抜け始め、自分は家族とは違うという希望を打ち砕かれ、自らの力で打ち勝とうと決心した。
一方で彼は知っていた。様々な希望に縋り、尽く散って逝った髪の毛達を見て来ていた。どんなに希少な霊薬も、どんなに高名な術師の施術も撥ね退けて散った髪の毛を。そこで生半可なものではない、最上級の魔法薬、エリクサーを求める様になる。
そしてそれに伴う過酷な冒険を狂的なまでの意志を以て乗り越え力を身に着けた。本業はアイドルであり、冒険者登録はしていても副業という感覚すら無いが、その実力は一般的な一流冒険者を上回る。頭を隠す帽子を絶対に落とさずに戦うという特技、制限を含めてその実力であり、周囲に全く人が居ない状態では数倍以上も力を発揮する。
一方で、焦りから毛生え薬などは手当り次第に集めており、詐欺にも簡単に引っ掛かるなど、真偽を見抜く力や髪に関連した際の冷静さなどは大きく欠けている。
因みに冒険の結果、本物のエリクサーの元にまで辿り着いているが、育毛には効果がなかったので気が付いていない。その為、終わる事なく冒険に挑み、終わる事なく力を身に着け続けている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【髪≫世界〜神はこの世の頂点? いえ、上に必要なのは髪の毛です〜】である。
・ナサリー
惰眠科。
怠惰な勇者候補。予言と一致する為に集められた勇者候補の一人で、その中でも訓練により飛び抜けた力を手にした天才。しかし公爵家の暗躍により不正な方法で聖剣が抜かれた為、御役御免となった。そして農家な田舎に帰り惰眠を慾ると決意した少女。
戦闘能力のみならず他の技能も総じて高い為、殆どの事を自分一人で出来てしまう。その為、勇者という最大級の地位なども褒美ではなくあらゆる面での制限にしかならず、それを正確に把握している為にまるでやる気が無い。
勇者候補の頃は仕方なく従っていたが、解放され自由になった途端、何もしなくなった。彼女の力を知る王国は彼女が勇者でなくとも勇者パーティーに加えようとしたが断固拒否している。しかし、王国側は勇者になれずに心が壊れてしまったのだろうと勝手に解釈し、放置されており念願の怠惰な生活を送っている。
怠惰な生活の結果、大罪スキル〈怠惰〉を手にしており元々勇者候補、と言うよりも聖剣さえ抜けば勇者になった存在でありそれだけの力を秘めていたが、このスキルを手にした事で聖剣が無くとも本物の勇者並の力を手に入れた。
しかし、何もする気が無い。加えて実は魔王が幼馴染であり、戦う理由すらも完全に無かったりする。無理を言えば普通に人類に牙を剥く。
既に、彼女が本物の勇者であると半ば確信している公爵家は牙を剥かれており、彼女を手に入れようとした結果、つまりスローライフをぶち壊す敵だと判断された結果、怠惰の力で自分代わりに働く存在、つまり奴隷に落とされている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【真なる勇者は怠惰に微睡む〜無事に追放されたので田舎で怠惰に暮らそうと思います。魔王軍? それは奴隷に任せます〜】である。
・アズドラヴェル
魔王科。
田舎でのんびりと過ごす系魔王。魔王がのんびりと過ごしていると言うよりも、田舎でのんびりと過ごしていた人種魔族の少年が魔王に選ばれた。
幼少期は魔族の国で暮らしていたが、病弱で殺伐とした魔族の国では療養に向いていないと判断された為、人族の領域の隅に引っ越してきた経緯がある。そして普通に村の人々と過ごし、普通に育って来た。そして魔王として覚醒するも、療養が上手くいったと普通に暮らしている。
お隣の幼馴染も強い村人(勇者)である為、自分の力も相手の力も不思議に思わずにいる。そもそも歳の近い若者が村に幼馴染の勇者しかいないので実力的常識はそこで完結している。周囲の村人は一人なら兎も角、規格外が二人もいてとっくの昔に驚くのやめたので何も言っていない。
そんな風に普通の少年として育った畑仕事も家事全般も出来る家庭的魔王。しかし強さ以外にも常識は軒並み欠落しており、幼馴染にちょっかいをかける勢力相手には、例え国家が相手でも野生動物を追い払う為に脅す感覚でちょっと王都を燃やしに行ったりする。
のほほんとのんびりした性格だが、彼を知らぬ者から見たら気ままに力を振るい、その意思を強制する紛うことなく暴虐非道な魔王であったりもする。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【無自覚魔王のスローライフ〜魔王とやらが現れて世間は大変なようです。そんな事よりも人間が畑を荒らすのでちょっと街を燃やしてきます。〜】である。
・ウェルン
商業科。
一日の大半において全ての能力値が半分になる代わりに、3分間だけそれらの2倍、約500倍の力を発揮できる少女。
この力は生まれ付きのものであり、0時にしか500倍の力を発揮出来なかった為に、長い間、ひ弱な少女として過ごして来た。
しかしある時、実家の商店の仕入れに付き従った時、0時に強大な魔獣の群れに遭遇する。馬車がひっくり返えり、逃げ遅れた彼女は近くに有った石を全力で投げ付けた。そして、一撃で500倍の力を以て相手を木っ端微塵にした。そして膨大なレベルアップを果たす。彼女の力は成長率にも作用しており、500倍の成長率でレベルアップを遂げたのだ。
そうして自分の力に初めて気が付き、レベルアップした事で力が半減しても何も問題が無くなった。更にその力自体を鍛錬し、0時では無く任意の時間帯に力を発揮できるまでになり、一気に力を身に着けた超人。
一方で本人は虚弱体質だった頃に献身的に支えてくれた家族に恩返しをする事を第一としており、強大な戦闘能力を手に入れても家業の商売を手伝う商人としての知識や技術の習得に熱心であり戦闘力を活かそうとは考えていない。
尚、スキルに関しても一日に3分だけ成長率が上がるので、商人関係のスキルも高めており商人としても優秀である。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【無双はカップ麺の前で】である。
・サルドレア
薬学科。
毛生え薬を生み出した薬師。出身世界の大国ヅラバッカで高位貴族達の髪を生やす為に超高待遇で雇われているが、その理由を隠す為に最強の戦士と言う偽りの肩書きを与えられている。
元々はペットのもふもふだった毛が抜けてしまい、それを治す為に試行錯誤した結果、毛生え薬を開発した。この薬は魔法薬であり、レシピでは再現不可能でその魔法も強い適性が必要であった為、属人的な薬となっている。その為、髪に困った権力者達に強固に囲われる事となった。
毛生え薬を作ってからというもの、様々な勢力から狙われた過去がある為、本人も進んで最強の戦士のフリをしている偽りの英雄。それを続けてきた結果として、薬学関係の能力よりも演技関係の力が身に付いた。
実は薬師としての実力はそこまで高くない。寧ろ秘匿されている関係上、他の薬師との接触も絶たれているので一般的な同年代の薬師と比べて劣っている。一方で偽りであるが英雄としての戦闘力は、ガチガチに高位のマジックアイテムで守られており、更に自分でも身の安全の為に莫大な報酬で買い集めているのでドラゴンを倒せる程の力はある。
アンミール学園では人を救える本物の薬師を目指している。しかしそれでも演技力の方が際立っており、入部した演劇部の一つで活動する内に、かなりの数のファンを獲得している。そして、最強英雄でへ無いと言っても信じてもらえていない。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【神≪髪から全てを授かった薬師〜毛生え薬、作っただけなんですけど〜】である。




