モブ紹介 第八十二話〜
第八十二話に登場したモブ達の紹介です。
八十二話
・エレン
芸能科主席。偶像教司祭な大人気アイドル。その名は複数の世界に轟き、ファンの数は何れ十桁代に届くと確実視されている。
元々は固有スキル〈残機〉を持って生まれ、複数回の死を経ても甦れる能力を有していた。通常、この手の能力は任意で使う様なものではなく、また自死など極端な方法以外では任意で使おうとする発想すらも湧かない力であるが、その力の原理に気が付き平時でも力を引き出す事に成功する。その結果、スキルを通常使用では届かない高みまでレベルアップし、復活や生死に関連する事象を司るスキルまで手にした。
死する故に事実上完全なる不死に辿り着いた規格外の英雄。老衰しても全ての記憶と力を保ったまま転生する。加えて転生出来る世界は一つに限らない。
しかし不死であるが故に常人ではあり得ない数多の別れを経験し、この力で人々を救おうと世界を滅亡させる程の脅威に何度も挑み、そして自分だけが生き残った。
常人ではあり得ない数と深さの挫折を味わい、遂には多重人格にまでなった。特にこの多重人格は転生する度に肉体が新しくなりその肉体に魂が引っぱられる事もあり、あらゆる面で別人格と言っても良い程のものであった。
しかし、エレンはもはや自分限定であるが命を与えるとまで評して良い程までに高めた力で乗り越えた。複数の人格を受け容れ否定し真の自分となるのでは無く、それぞれを完全なものとする事で、ある意味混ざらない事で克服し、そしてそこまでの道で身に付けた英雄性の人格に、挫折を乗り越える全ての人格にとっての理想によって全ての人格を率い複数でありながら一つとなった。
この理想で率いた事が、全ての挫折や後悔を乗り越え一つにした経験が、アイドルになるきっかけとなった。因みに偶像教以外にも複数の世界宗教に入信している。
そして複数の人格をそれぞれ完全なものとした事で、その人数分の器までも獲得し、力量全般において急成長を遂げた英雄。
人格の人数分の姿には転生せずとも常時変化する事が出来る。尚、スキルは人格毎に別々ではなく一つであり、しかし残機数などは人格の数だけ倍になる規格外仕様。加えて短時間だけなら複数の人格を実体を持たせて顕現させる事も可能。魔術などは実体化させなくとも個別に発動出来る。
二つ名は【百輝夜光】。百鬼夜行の真逆の様な存在であると讃えられそう呼ばれている。百の輝きをその身に秘め、夜を光で満たす。英雄としてもアイドルとしてもそう賛美されている。
アイドル面としてはライブを開催すると英雄レベルのファンも複数駆けつけるので、その世界の安全面が驚異的に解決するとされ、グッズの費用を稼ぐためにと争うようにして魔王級の脅威も含めて根こそぎ狩り取られる事が実際に多々ある。実際に駆けつけるファンは百輝どころではない。
そんなアイドルとしても規格外であるが、最も得意なのは実は農業。転生したとしても確率的に農家に生まれる可能性が高く、初期の頃は生まれ直しても農家をしていたので、農作業を極めている。一番最初の生で冒険者をし自分だけが残機で生き残る体験を複数した為、初期は農業以外にも生産職に従事していた。
アイドルとして王子様扱いや姫様扱いされる事が多いが、実は王族どころか貴族にも、何なら騎士に転生した事もなった事も無い。それらはオーラのみで幻視させている本物以上の理想の体現。
かのアイドルが主人公の物語に題名を付けるのならば、【百輝夜光】である。
・アレット・ウィーメル
3年22組。冒険科。
死の魔剣使い。その実鉄塊使い。切れない不良品の剣を普通の剣と信じて、自分の実力不足だと思いながら戦い続けた結果、抜き出た力を身に着けた。
全く切らないなまくらが一番安かったからと買い、切れないのに剣である限りは切れる筈と努力し続けた。僅かに切れる位置を巧みに使い、魔力を流して切れ味が上がると分かると、それが普通だと思い込んで魔力の通りも悪いなまくらで切り続けた。
なまくらが耐えきれずに曲がり初めても剣を逆向きに叩きつけ整形しながら切り続け、その遠心力で伸び始めると突いて縮めた。殆ど切れない剣であるため、相手は下級の魔獣であり、落ちこぼれと罵られ続けたが、戦い続けた。
そして魔力操作と剣術、またその他武術や鍛冶に近い技能まで鍛えられた結果、なまくらを魔剣の如く使うまでに技能を高める。落ちこぼれだと決めつけていた周囲はそれを魔剣の力だと決めつけ、彼から剣一本分の金貨を投げ渡し、実質的になまくらを奪った。
そして魔剣だと思ってなまくらを買った人物はその地域で最強とされる人物であったが、なまくらを持って強敵に挑んだ事であっさり死亡。実は選ばれし者にしか使えない魔剣に選ばれし人物だと誤解され、一気に名声を高めた。
何度もなまくらをその手に戻し、何度も奪われた事で勝手に奪った人物が死に、勝手に死をもたらす魔剣に選ばれし者として持ち上げられるようになった死の魔剣使い。本人もなまくらを魔剣だと思い続けているが、実は普通の剣を持てば圧倒的に強くなる人物。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【死の魔剣使い〜所持者が死ぬ魔剣を使っても俺だけは死なない。だってその魔剣、なまくらだから〜】である。
・レリッシュ・オーグル
3年41組。司書科。
悪魔の書を開き悪魔の力を乗っ取った司書の少女。禁書を読破し続けた狂気の魔女。
平民出身でありながら文字が読み書き出来た彼女は王立図書館の司書に就職する。彼女以外は貴族で運営されている図書館であったことから、殆どの仕事は彼女に押し付けられた。そうして残業続きのある時、彼女は大悪魔が封印されていた禁書を開いてしまう。
しかし、彼女は無事であった。残業続きで普通の精神状態では無く、かつ特製のエナジーなドリンクを何杯も開けておりギンギンに覚醒していた為、通常の精神を対象とした大悪魔の精神を追い詰め破壊し憑依する術式が効かなかったのだ。
大悪魔は小娘一人を一瞬で乗っ取れると過信し、そんな彼女の中に入ってしまった。精神が完全に無事であった為にまだ発動し続けていた大悪魔の精神破壊術式、それが発動している中に。大悪魔の精神はそうして破壊され、その力は彼女のものとなる。
ただ、大悪魔は別名憤怒の悪魔、憤怒の力を手に入れた彼女は支配されずともブチ切れた。膨大な仕事量に対して。莫大な力を手にした状態で。そして上司である貴族、終いには国の上層部を叩きのめして国政にまで口出しする様になった自称ただの司書。
本で蓄えた知識を駆使して国力を上げるまでに至っており、忌避だけでなく畏敬を込めて各所から化け物呼ばわりされている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【モンスター〜エナジーなドリンクを飲んでいただけなのに化け物と呼ばれるようになりました〜】である。
・ブルックス・ロイアード
4年5組。騎士科。
遍歴の騎士。曽祖父が著名な遍歴の騎士であり、彼はそんな曽祖父に憧れ遍歴の騎士となった。
曽祖父は一代限りの騎士であり、世襲職や貴族位への誘いもあったがそれを断り旅をし続けた騎士であった。彼の祖父も父親も職業としては行商人をしており、曽祖父の訓練などで護衛要らずの行商をしているが騎士でも無ければ冒険者でも無い。
その為、代々の騎士という訳でも無ければ、実は正式に騎士としてどこかに仕えた事がある訳では無く、正確に彼の立場を示すのならば遍歴の騎士と言うよりも自称騎士である。
ただ在り方と実力は確かであり、人助けをする為に強い相手にも一歩も引かず挑み続けて来た為に相当強い。
だが、騎士を詐称する事は罪であり、政府の勧誘も断った為にちょっとしたお尋ねになっている。しかしそれでも逃げも隠れもせず、正面から撃ち破り続け、既に王国一と言っても良い実力を身に着けている。正義感や騎士道精神を持ち合わせているが、お尋ね者になるのは構わず、礼儀もそこまで正しくない破戒僧的な遍歴の騎士。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【無免許遍歴の騎士の世直し旅】である。
・グライ・アルオス・エレ・ラ・カ・ヒュルトラン・ウル・テトラム
4年5組。仙人科。
数千年もの間、龍脈の中心に座り続け災害を抑え続けていた仙人。かつてテトラム王朝の後継者であったが荒ぶる神と契約し、自ら人柱となりいつしか仙人に至った大聖人。
龍脈を完全に鎮圧する事に成功し、数千年振りに人里へと出る。しかし、そこにはかつてのテトラム王朝、その後継どころか人類の姿は無かった。後に、龍脈を抑えてから千年後にはこの地の文明が滅びていた事を知る。
が、精神も仙人と化していた為に何も思えなかった。それと同時に何も思えなかった事には理性的に衝撃を受ける。そこでかつて守った人々が大切であったと思い出す為に数千年振りに人里に降りる事にした。
そして仙人としての正体がバレない様に気を付けつつ、仙人から俗人への逆修行に出た異色の仙人。しかし彼は知らなかった。彼がかつて学んだ数千年前の普通の魔法ですらも現代では失われた強大な力である事を。そして、数千年間人と接せず、かつても王族として人から注目され、時に持ち上げられて来た彼は現代の人々から規格外扱いされている事にも気が付かなかった。
そんな仙人の力を使わなくとも他を圧倒し、本気を出せば現代の神々すら凌駕する常識を遥か遠くに忘れて来た仙人。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【神超え仙人の逆修行〜世俗にどっぷり浸かりたいのですがどうも上手くいきません〜】である。
・エッテル・メイラー
4年5組。鑑定科。
お金大好き聖女。呪われた品を安く買い集めるどころか高額で引き取り、それを浄化して売り捌く生活をして来た。
父親が没落神の加護という不幸体質の詰め合わせの様な力を受けており、兄弟が何人もいるのに何度も困窮して来た為に商売を手伝うようになった。呪われた品は父親の加護で探さなくとも勝手に集まって来る。
実は彼女も没落神の加護を引き続いでおり、本当の聖女であるが聖女としての力を使わない限りは相殺されている。この為、彼女を含めてアンミール学園に来るまでは誰も聖女だとは気付かなかった。
没落神の加護の力とは言え、国や神殿などからは何度も没落させられるような仕打ちを受けている為、聖女として助ける気は全く無い。しかし弱い立場の気持ちは日頃からよく分かっているので、困っている人は進んで助ける心優しき聖女。
没落神の加護の力で不幸体質な変わりに成長速度が促進されており、聖女としての力はかなり強力で腕力だけでも大抵の事は解決出来る色々と逞しい系聖女に成長している。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【銭ゲバ聖女の荒稼ぎ〜聖女と不幸は相性が良いようです〜】である。
・アテイン・リード
4年5組。門番科。
メルエナスタの守護者。メルエナスタの入り口である聖門を守り続けて来た一族の現当主二百八代アテイン。守る理由が遠の昔に失われてからも守り続けて来たが、大地震により聖門が崩れ落ち役目から解放された。
守護者としてメルエナスタという土地そのものと契約しており契約時は絶大な力を得る代わりに一定範囲から出られないという制約を課せられていたが、実はメルエナスタは完全に崩壊しており最後の残滓である聖門が崩壊し土地が契約を反故にするという本来ならあり得ない事態になった為に制約から解放されると同時に守護者の力よりも強大な土地そのものの化身と呼べる程の力を手にした。
加えてメルエナスタはただの土地では無くかつてメルエナスタ世界で最も力を有した神の聖域であり、邪神を封じた土地である為に魔獣が邪神を解放しようと聖門周辺の地域は跋扈していた為に技術面でも実戦を積み重ねており強い。
尚、土地が滅びたのは邪神と神の対消滅が永い封印の末に起きたからであり、聖門の崩壊と同時に魔獣の出現頻度は下がった。そこで魔獣から人々を守る必要も無くなり一族で旅に出る事にした。
因みに彼が当主であるがこれはアテイン一族の男子にしか成れないだけであり、アテイン一族の母も婿入りして来た父も、老年の為に引退した先代アテインである祖父も皆健在。
そしてラストダンジョンどころか真のラスボスの部屋の前で普通に暮らしていた一族やその他親戚一同は外の世界に出て無自覚に無双する事になった。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【家族無双〜俺達普通の(真のラスボス部屋前的場所で暮らしていた)村人です〜】である。
・テトア
4年5組。料理科。
お弁当売りの少女。ダンジョンが産業の中核を成す迷宮都市にて冒険者相手にお弁当を売っており、気が付けば魔物が跋扈するダンジョンの中で何事も無かったかのようにお弁当を売っていた無自覚天才系少女。
特殊なスキルがある訳では無いが、幼い頃からお弁当作りの手伝いをして食材、即ち魔物に触れていた為に捌き方、つまり弱点や筋肉等の付き方から動きが分かる観察眼と応用力、そして動じぬ度胸の天才。
食材を調理するのと全く同じ感覚で魔物を捌き、ダンジョンの内部でお弁当を売り続けて来た。客を求めて売り切れるまでダンジョンの奥に進む事までしており、結果としてそこらの冒険者の数段上の実力を手にした。
料理面でも魔物を倒し続けた事によるレベルアップで手にした多くの魔力を利用して、料理に特殊効果を付ける技術を身に着けており、ダンジョン攻略者にとって有り難いバフを与えるお弁当の作成に成功している。
尚、周囲はダンジョンで客が集まるからこそ魔物が現れず、そこまで危険では無い状況でお弁当を売っていると思い込んでいるが、寧ろ移動している冒険者よりも美味しそうな匂いを撒き散らし移動しない彼女の方が当然魔物に狙われており、実際はその階層で魔物の大量発生が生じた際と同程度の危険度でも何事も無く過ごせる実力を身に着けている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【ダンジョン弁当はいかがですか? 〜何故か独占市場なので繁盛しています〜】である。
・ヴィルレイン・ロバーディガ
四年三十八組。剣術科。
飛剣術師。〈剣魔法〉という剣を生み操る魔法に特化したスキルを持つ。実家は代々続く著名な鍛冶の家系であるが五男であり、継ぐ気は無いが手伝いをしながら幼少期を過ごした。そして魔術師を目指すようになり魔法学園に通うも、身に着けられたのは剣魔法だけであった。これは一族が身近で鍛え続けていた魔剣の魔力を浴び続けた結果であり、全ての属性を使えるが、剣としての形でしか発現出来ない様になってしまった。
魔術師としては遠距離攻撃手段を得る為に、魔力で生み出した剣を飛ばすというスタイルに落ち着いたが、ある時、実物の剣を魔術のように動かせる事に気が付く。そして親族達が本気で造った剣を飛ばした方が自分の魔術よりも威力が高いと知る。
そして元々魔術師としての拘りはそこまで強くなかったので剣を飛ばすスタイルに落ち着いた。この剣を操る魔法では強力故に扱えない魔剣、例えば生み出す炎が強過ぎて持ち手まで燃える様な魔剣等も問題無く扱える為、親族達から失敗作の魔剣を貰い使っている内に高い実力を身に着けた。
魔剣のお礼に素材採取に行ったりと冒険を重ね、その素材で造られた一部の失敗作を受け取るといった事を繰り返した結果、歩く兵器と呼べる程の力を身に着けている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【廃棄魔剣も使い捨てれば最強です】である。
・ロンルー・ウォン
四年三十八組。魔法格闘家。
元々は魔術家志望であったが、肉体と魔力の親和性が高過ぎた為に放出系の魔法が使えない為に断念した。しかし代わりに格闘家としての適性が非常に高い事に気付き、格闘家の道に進んだ。
しかし魔法の道も諦め切れず、座学や魔力操作を学び続け、その結果魔術的な型に辿り着き、動きによって魔術に似たものを発現出来る様になった。見かけは脳筋に見えるが、理論により魔術の新たな発動法に気が付いた頭脳派な格闘家。
彼の世界では優れた魔法文明が出現し、魔術師が広く活躍し魔獣などの人類の敵と戦っていたが、それが永く続いた弊害で魔術耐性に秀でた魔獣が現れ始める。術式を撹乱し術を発散させる。加えて強力な魔術に耐えうる強固な肉体を持つ。放出系魔術は減衰し、術式を刻む事も困難。歴戦の魔術師達も多くの犠牲を出し始めた。
そんな中で、動きにより術者の内部で術式が組み上がる彼の魔導武術は阻害されず絶大な効力を発揮させ、瞬く間に世界の切り札の一つに数えられる様になる。そんな魔導武術の始祖。
しかし切り札扱いに興味はなく、魔導武術は魔法を使う為の通り道に過ぎず、そんな事よりも魔法を学びたいと考えている。だが、学ぼうにも高名な魔術師に弟子入り志願する度に高名故に彼の実力に気が付き逆に弟子入り志願され、なかなか正当な魔法を学べず魔導武術の実力ばかり伸びる状況になっている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【魔導師範〜弟子入り志願した筈が弟子の増加が止まらない件について〜】である。
・ロズベリィ・ターニヤ
四年三十八組。平穏科。
ゲームクリア後のステージ的立地の村に住む少女。しかし村は安全地帯にある為、森などに入らなければ危険は無く、彼女も村人も極一般的な力しか持たない一般人である。
しかし、ある時、勇者召喚が彼女の住む世界で行われた。勇者召喚は不完全な伝承を元にした儀式で行われ、当然の如く失敗した。ただ、莫大な代償を用意した儀式は勇者召喚の一部だけを再現し、ある少女を召喚した。同じ世界に住む彼女を、元いた位置から三歩だけ前に…一応、召喚した。
その結果、莫大なエネルギーが流入し、気が付かない内に勇者に届く力を手に入れた。
そして偶然迷い込んでしまった近所の森で、当たり前の様に出現してしまった高位の魔獣を薙ぎ払い、着々と、何段も飛ばして強くなった。
何故突然強くなったのか、そもそも自分が圧倒的な力を有していること自体に無自覚なので、噂を聞きつけた勢力の様々な勧誘を断り続けている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【三歩前召喚〜なんか一瞬光ったと思ったら調子が良くなりました。私が召喚されし勇者? いやいや、召喚なんてされていませんよ?〜】である。
・ハイレン
四年三十八組。従者科。
メイド型生命体。超古代に主に仕える為に造られた存在であるが、完成した時、数万年の時を経て覚醒めた時に仕えるべき主は存在しなかった。そこで仕えるに相応しい人物を探すようになる。
しかし超古代の力を秘めた彼女に見合う主は見つからなかった。彼女の目からしたら今の時代の権力者達はあまりに下劣、物理的な力を有する筈の実力者はあまりに下等、古代から生きるドラゴンや悪魔ですら彼女にとっては取るに足りない存在であった。
実はメイド型ではあるが彼女を創り出した主とはその世界の主神であり、従者は従者でも神の従者、神の使徒であった為に、その主神が超古代に滅びた後では見合う主が居るはずも無かった。
それ故に、従う相手を意思ある存在ではなく世のルール、道義へと変える。そして正義をただ執行する様になった執行者。人も龍も神も、その数も規模も関係なく処罰する見かけは完全にメイドな断罪の天使。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【主を求めて三千年〜相応しき者がいなかったので正義に仕えます〜】である。
・ブレンアラシュⅨ・フォン・ニーク・レベット
王侯科。世界貴族。
新興世界貴族レベット男爵家の次期当主。レベット家は数多の世界に跨がる名声を得た大英雄が興した世界貴族家では無く、英雄同士の婚姻を続けて来た結果いつの間にか世界貴族に至った家でその末裔である為、飛び抜けた一は持たないが複数の英雄級技能を受け継いでいる。
三千万年の歴史しかないが、世界貴族の名に相応しい広大な領地世界を複数所持しており、その管理に必要な人員の確保に頭を悩ませている。
その為、自らスカウト活動をしているが、正体を露わにしていてはお願いも命令と変わらなくなってしまうので、常に隠れて活動している。その結果、血筋の力もあり分身と隠形が既に英雄級な正体隠し系超越権力者。
臣下にもお供されない様に分身の強度と偽装を鍛えに鍛えており、分身であっても英雄級の力を発揮できる。それを続けた結果、複数の分身であっても力を宿せるようになっており、スカウトした人材の数よりも質も数も格上の分身を生み出せる様になり、領地(世界)運営に利用している人を集めている筈なのに一人で解決する系世界貴族。
複数の英雄級技能も分身で使えるので、様々な人材代わりとして利用可能で、数を優先すれば百億の一般人並の分身を生み出す事が可能なもはやもう一人で良いんじゃないかを極めた一人世界な力を持つが、目的のスカウトが出来ていないので実力不足だと思っている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【御忍び超越権力者の人材発掘〜何故かもう一人でいんじゃないとか言われています〜】である。
・ドナード
三年。魔導工学科。
武器を魔術で構築し戦う魔術師。主に銃を生み出して戦う。自分の手の届く範囲でしか魔術を扱えないが、近距離では非常に精密な魔力操作を行える。
この魔術自体は珍しくとも特段強力なものでは無かったが、武器を維持しながら戦うと言う行為で魔術と武術、武器の構造に関する知識などを大きな負担なくまとめて高められた為に複数のスキルが同時に成長し、急成長を遂げた。
尚、本人はただ武器の整備費を節約する為にこの技術を使っている。
彼が主人公の物語に題名を付けるのならば、【インフィニティ・ブレット〜買えないので自作しました〜】である。
・ビビア
三年。光学科。
不可視の光使い。光属性の攻撃魔法から攻撃力の低い無駄な波長を省き、紫外線などにそのリソースを振る事で効率的かつ強力な魔法を手に入れた少女。
元々は光属性魔法で日焼け対策が出来ないかと試していたところ、波長の違いによる効果に気が付く。そして攻撃として応用。紫外線魔法は無駄な波長を省き魔力消費量が低いのみならず破壊力が強く、また同時に視認する事が出来ないので元と比べて極端に強くなった。
最近は極端紫外線まで扱う事が出来る様になっている。
彼女が主人公の物語に題名を付けるのならば、【極紫爵】である。
本編最新話はもう少し時間がかかりそうです。最新話のモブ紹介も同時に書いていたら時間が……。モブ数残り九十以上……。最新話を書く限り紹介するモブ数に殆ど変化が無い様です……。




