ステータス
ステータスの解説です。
アークとコセルシアの言葉は本人達の認識なので気にしないでください。これに関しては解説ではありません。
・ステータス
全ての存在が持つ絶対評価による個の情報。
それぞれ形式は異なるが生き物は勿論、人工物や土地にも存在する。風などにまで存在するが、その手のものを鑑定出来る者は少ない。そもそもそれ等はあまり見ない方がよい。
ステータスを見るには主に〈鑑定〉スキルや“鑑定”の魔術が必要だが、自分のステータスを見る分には何も必要ない。ただ念じれば見る事が出来る。
尚、自分のステータスについては読み書き出来なくても理解できる不思議仕様。
冒険者ギルドを始めとした各ギルドでは、自分のステータスを表示できる金属カードが配布されている。
お互いのステータスを確認するには主にこれを使用する。
ステータスは幾つかの項目に別れており、人のステータスの項目は以下の通りである。
名前:
ステータスの所持者を表す固有名詞。つまりそのまま。誕生して一年以内に名付けないと自動で仮の名が付けられる。
また、どうやっても個人では付けられない名が存在する。四つの貴族号はその最たるもので、力ある存在や術がなければ付けられない。
一度決めると特殊な技を持つ者以外には新たな名を役所に届けても、街単位の広範囲に新たな名を周知させても変更する事は出来ない。この事から明らかに変な名付けをした者が重罪に問われる地域もある。例外は四つの貴族号で、これは自称でも真に力有るものならば自分の名に入れる事ができる。
アーク:「そう言えば僕には四つの貴族号が全部あるよ」
コセルシア:「確か全部並べるとフォン・―――」
村長:「お願いですから並べないでください……」
称号:
ステータス所持者の立場や名声を示すもの。例えば二つ名やどこどこ王国人、爵位から罪状など不名誉なものもここに出る。
基本的に特定の行為を達成するか力有るものに認められる、大人数に認められることで称号は手にはいる。因みに全くの嘘はどんなに周知されていても称号にはならない。寧ろその場合偽なんちゃらと言った称号が手に入ってしまう。
また称号には何らかの効果がある。ゴブリンスレイヤーやドラゴンスレイヤーが効果の判り易い代表的な称号。
アーク:「称号って多すぎて見にくいよね。ボソって言った事が称号になる事も多いし」
コセルシア:「そうですね」
誰にでも称号の一つはあるが、二つ以上になると有名人といった感覚。色々な呼び名を持つ一国の名君でもせいぜい十を越えるぐらい。
種族:
ステータス所持者の生物学的な分類。つまりそのまま。種族にはレベルがあり、これを上げる事を覚醒と呼ぶ。進化と呼ぶ者も存在するがこれは間違い。条件を満たして覚醒すると本当に進化して別の種族になる。
種族レベルに関しては一般的に何故あるのか知られていない地域もある程上り辛い。このレベルが2以上でも大抵の国では英雄として招致される。
アーク:「僕達の眷属、いつの間にか凄い種族レベルになってたんだけど……」
コセルシア:「ステータスシステムも故障するのですかね……」
年齢:
ステータス所持者の生きた年数を表す。強力な鑑定だと秒単位も見れる。年数の数え方はどんな暦や数術を使用していても統一されているが、その数え方自体があるタイミングで変化する。
現在の1年は1461日。四季のある地域だと1年で4回の四季が巡る。基準は人族Lv1の最大寿命を120年としたもの。どの種族も〈大賢者の加護〉により15歳まで同程度の成長速度で、地球の人の15歳と同じ程度まで成長する。
アーク:「コアさんって何歳?」
コセルシア:「……生まれ変わったので0歳です」
アーク:「…………(無言の圧力)」
コセルシア:「……数字の羅列で良いですか?」
能力値:
ステータス所持者の素の能力を表す。基準は、ステータスシステムに含まれない人間(人族)がいると仮定し、その十五歳男性の平均能力を生命力魔力体力を100、それ以外を10としたもの。単純計算で、20の値だったら10の値の二倍の力を持つ。
値が大き過ぎると表示が変わる等、様々な表示形式が存在し地方によっては書き方は変わるが、能力値自体が変わることは無い。
上げるには職業レベルを上げるか、鍛練すればよい。筋トレ等も有効。職業レベルを上げるとその値から下がることは無い。
アーク:「僕は基準より随分と低いから弱いんだね」
コセルシア:「私も低かったので一緒に高めていきましょう」
二人以外:「…………(何言ってんだ?)」
基本は以下の項目に別れている。
生命力 /
命そのものの量と考えてよい。HPと呼ばれ表示される事も。減っても大怪我や病気でない限り、常に限界値までゆっくりと回復している。
生命力は身体に関りが深い力の為、身体能力を上げるなどの利用も出来る。莫大な量を使えば魔術みたいな事も可能。
魔力 /
魔力の量。MPと呼ばれ表示される事も。回復は魔力が多いダンジョンなどの領域では早いが、それ以外の場所では非常にゆっくりと回復する。また、集中したり眠ると早く回復できる。
魔力は精神と関りの深い力で、使えば様々な現象を引き起こす事ができる。生命活動には無くても問題ない程度にしか関わっていないが、使い過ぎると気絶する場合が多い。
体力 /
動く為の力の量。SPと呼ばれ表示される事も。消費した場合ほぼ食事でしか回復出来ない。仮に体力が無くなると生命力を消費しなければ動けなくなる。
特殊な能力でも持たない限り、体力を使う事で目立った技等は発動出来ないが、技によっては勝手に消費されてしまう。
力
力を表す。筋力と言い換えてもそこまで間違いではない。ただ、攻撃力ではない。腕力や脚力の力強さから心拍の力強さまでこの値が関係する。
因みに不思議な事に力の値が高いからと言って、外見が筋肉隆々となる訳ではない。
頑丈
頑丈さを表す。皮膚の強度や温度の耐久性等を表し、これは防御力や死ににくさと考えてもよい。
人族の場合20の値になっただけで気温100℃まで耐えられるようになるので、能力値の中で上げると一番常人から離れやすい値である。
俊敏
素早さを表す。反射神経や小回りの効き方等もここで表される。頭の回転の早さもここである。
直線で走る速度で言うと、これが二倍の値になると二倍早く走れるようになる。
器用
器用さを表す。運動神経もここである。達人や職人はこの値が高い。またあまり知られていないが、この値が高いと身体で覚える事が容易になる。
特定の技術力を上げるだけでもこの値が上がるので、戦士よりも強い職人と言うのもいる。
知力
知力を表す。頭の良さと考えてよい。ただ、咄嗟の判断力等は俊敏の方に入る。
知識によってもこの値は上がるので、異世界人はこの値が高い事が多い。それに伴い頭の容量や記憶力も上り、忘れていたことも思い出すので、異世界転生者に妙な知識を持つ者が多いのはこの値が高いのせい。
また、この値が高いと魔術等の威力が高くなる。
精神力
精神力を表す。心の強さや意志の強さと言い換えても良い。この値が高いと発動する魔術の効果や、魔術に対する耐性が高くなる。
心の強さと言っても善悪は関係無く、趣味に対する熱い想い等でもこの値は上昇する。その為、例えば殺人鬼が何かの要因でこの値が急激に上がったとしても、善人になることはほぼ無い。
アーク:「僕のにこの項目無かったけど!?」
コセルシア:「私も無いですよ……」
村人達:「「「そりゃそうでしょう」」」
運
そのまま運の良さを表しているのでは無い。ステータス所持者の外的要因からくる力や助け、直感力などを表していると考えるのが一番近い。しかし幾ら値が高くても幸運に導かれるとは限らず、精々切っ掛けを得る程度の事しか起こら無い。それによって不幸な結果を招く事も多々ある。
この値が高いと魔物のドロップアイテムの出は良くなる。また、一度負けた相手に満身創痍はまま勝つ等、物語に有りがちな現象も起こる。後、自分の攻撃で味方が傷付かなかったりする等、常にプラスの現象も起こる。
アーク:「僕、運は高いよ。どこ掘っても温泉出てくるし」
コセルシア:「落としたもの、全部人に当ててませんでしたか?」
職業:
ステータス所持者を成長に導く力。恩恵に近い。
特定のスキルや技能を身に付け易くなり、レベルを上げるとその効果と特定の能力値が上がる。直接何かの力を使えるようになる訳では無いが、職業が違うだけで種族が違うと考えても間違いではない。
基本的に一つの職業にしか就けず、適性によっては転職する事も出来るが、その場合元の職業の効果はそのままだがレベルは上がらなくなる。
職業を得るには〈転職〉のスキル持ちや魔法道具、もしくは圧倒的な適性や偉業が必要。
50レベルから急激に上り辛くなるために、最大レベルは50とされているが実際は100。
アーク:「職業っていつの間にか変わってるよね」
コセルシア:「どういう仕組み何ですかね? 都会の方には簡単に与える事も出来ますし」
職歴:
転職した後の元の職業。効果はそのままだがレベルは上がらない。
職の適性を得る為の見習い職以外、転職をする、出来る者は少ないのでこの項目がない者も大人数いる。
アーク:「僕には無いよね」
コセルシア:「全部権威になってますからね」
魔法:
魔法属性の適性を表す。
その属性の魔術がどれだけ使いやすいかであって、例えこのレベルが幾ら高くともイコール凄い魔術の使い手と言う訳では無い。
因みに魔法の属性は主に風、地、火、水と光、闇の6つ。他にも色々と稀少な属性がある。
アーク:「僕には〈時空間〉しか無いんだよね」
コセルシア:「普通に他の魔術、使ってましたよね? まあ、私も無いものの方が多いですけど」
加護:
神や龍等の超高位存在からの恩恵。かなり強力な職業と考えてもよい。
通常、どうやっても見ることの出来ない〈大賢者の加護〉は人ならば全員持つが、これがあってもこの項目は開放されない為、持たない者が圧倒的に多い。どんな加護であれ、持っていれば重要人物として目を付けられる。
稀に全員が加護を持つ世界があるが、それは大体神が異常に強大な力を持つか、創造されてから時がまだ経っておらず神との繋りが強いか、保護しなければいけない程何かが不安定かのどれかである。
アーク:「加護って簡単に与えられるよね。でも何で加護を持っている人は少ないんだろう?」
コセルシア:「恐らく弱い存在の加護は役に立たないから付けないだけですよ」
スキル:
様々な技能や能力を、またその成長を補助する力。
そのスキル名の技術等を鍛えると獲得する事が出来る為、一般的にそのスキルをレベル1で持っていたら、その道の資格を持っている程度の力を持つと考えて良い。
しかしスキル自体が力を持つ訳ではない。種族的に出来ない事、例えば人族が〈飛行〉を突然獲得してもいきなり飛べるようになる程の力は無いが、多少宙に浮けるようになる。しかし〈剣術〉を剣術を鍛えずに獲得しても、才能を手に入れるだけでいきなり剣が上手くなる訳ではない。レベル1スキル単体での力はこの程度。
スキルの真髄は通常不可能なレベルまで技能を上げる事が出来るようになる事だが、それを理解している者は非常に少ない。これは主に魔力を対価に“武技”もしくは“文技”と呼ばれる技を、スキルレベルを上げる事によって発動できるようになるからである。
アーク:「僕、どうやっても武技とかは使えないんだよね。スキルを創ってあげたりはできるんだけど」
コセルシア:「私も魔術の武技を使えません。スキルを与えるのは簡単なんですけどね?」
因みにスキルが補助なら武技と文技は補正。
〈パッシブスキル〉
常時発動しているスキル。
レベルを上げる事で種族としての性質を変えると言っても過言ではないスキルである。
〈アクティブスキル〉
意識して使うスキル。
特定の行動でのみ効果が発揮されるスキルである。一応常に効果はあるのだが、範囲が狭いために種族として大きな違いが出たりはしない。
これ等の他にも以下のものを始めとした無数のものがあるが、知られていない。そもそも幾つかは〈鑑定〉のレベルが10であっても見られないものである。
性別:
そのまま。
見て判る為に鑑定する場合、無意識の内に省かれる。
身体:
身体を始めとした体格や体重、髪の色瞳の色まで身体の特徴が表示される項目。
スキル等とは違って外見からでも大雑把に測れるものだが、鑑定の難易度は非常に難しい。プライバシーがどうとか言う理由からだそうだ。
因みに本人の了承があればすんなり鑑定できる。
状態異常:
毒や病を負っている状態や怪我の状態、精神異常等が表示される項目。
簡単に鑑定できるのだが通常は健全と表示される為、普段鑑定する時は無意識の内に省いている事が多い。ステータスカードでもコストパフォーマンスの点から異常がない限り表示されない。
賞罰:
これは称号に似ているが、それよりも簡単に付けられるもの。
領域系の力で与えられる。地域によっては付ける側が存在しない場合もあり、そもそも褒賞を受賞するか犯罪を犯すかしないと付かないので、必ず誰にでもある項目では無い。
大体力ある国の出身者が持つ。鑑定はこの項目の役割的に極めて容易。
存在:
もう一つの種族が示される項目と考えて良い。
有名どころだと異世界人、勇者や魔王といったものが表示される。他の項目に勇者や魔王と書かれていても、本来の勇者や魔王と呼べるのはこの項目に表示されている者だけだ。
アーク:「〈主人公〉を付けてあげればお嫁さん創りに役立つかな?」
コセルシア:「やってみましょう」
権威:
レベル100まで上げた職業。
この項目を持つ者は歴史を見ても非常に少なく、到達した者はどこかしらの歴史書に載っている。これがある者はその分野において他の追随を赦さない程の力を持つ。
苦役:
過酷な職業。
奴隷等の強制的にされるような、自分からはならない職業がこの項目に表示される。普通に鑑定しただけでは称号に表示されるぐらいで出てこない。
このレベルを上げる事で色々な効果が表れる。その効果の殆どは器の拡大。
権能:
世界を制御する権限。
まず神の類いにしかこの項目は無い。例えば光の神ならば単純に〈光〉を持つ。権能の種類によっては世界に一つしかなく、本人の力と言うよりも世界に認められ貸し与えられた力と言う面がある。
運命:
その者の歩むであろう定められた運命。
決定では無いが乗り越える受け入れる覆すの選択が迫られるところまではほぼ確実にやってくる。
その分運命の内容はそんなに細かくは無い。誰々と結ばれる等と言う運命は、前世か何かに余程の因縁がなければ誕生する事はまず無い程。
アーク:「〈ラッキースケベ〉ってお嫁さん創りにぴったりだよね」
コセルシア:「与えまくりましょう」
業:
善悪の偏り。
善人はプラスの値、悪人はマイナスの値である。ステータスの創造時に定められたものなので、現在の人の善悪基準からずれている場合もある。単純な計算式なので殺人犯のカルマ値よりも、毎日スリをしている犯罪のカルマ値の方が低い場合も多い。
簡単に見られそうなものだが見る為には特別な力が必要。
アーク:「この項目、どんなに探しても無いね」
コセルシア:「何故でしょう?」
ギフト:
超越存在から与えられた力。
一般のスキルよりも強力な力で、主に異世界勇者が神から与えられている。加護よりも小数しか所持者が居らず、これを持つ者は神に選ばれた者で間ほぼ違い無い。
神の宣伝と言う側面もある為に鑑定は容易である。
アーク:「スキルより簡単にあげられるよ」
コセルシア:「そりゃ当然ですよ」
契約:
何かを対価に与えられた力。
誰かと契約する場合と自分と契約する場合等がある。かなり強力な力だが代償も大きい。有名なものだと神との間に契るゲッシュがある。
通常はまず無い項目で、契約の内容は弱点になる為に秘匿される事が多い。
アーク&コセルシア:「子を産んでくれたら簡単な願いの一つくらい」
スキル:
〈固有スキル〉
固有のスキル。
〈種族スキル〉
その種族のみ獲得可能なスキル。
〈感情スキル〉
感情の名を冠する強大なスキル。
〈大罪スキル〉
大罪の名を冠する強大なスキル。
〈美徳スキル〉
美徳の名を冠する強大なスキル。
〈世界スキル〉
権能に準ずる強大なスキル。
プライバシースキル:
誰もが隠したいようなスキルに近いもの。スキルでは無い。
主に〈童貞〉や〈処女〉等、隠したいパッシブスキルのようなものが多い。性癖や〈器用貧乏〉、〈運動音痴〉や〈馬鹿〉等もここに出る。
理解し、使いこなせるようになったらかなり強力。ものによっては克服もできる。
鑑定系の上位スキルでもまず見る事は出来ない。
このようにステータスは無数の項目に別れているが、実際はもっとある。言ってしまえばステータスはその者の情報全てだからである。
当然の事だが上位のスキルを駆使しても、上記の項目を見るくらいがやっとである。ただし、世界によってはあたりまえのように表示されるものもある。
また、基本的に能力に関してはあたりまえの事は見れない傾向だ。完璧な飛行をする鳥以外の鳥に〈飛行〉のスキルは無いし、ずば抜けた風の精霊以外の風の精霊に〈風属性魔法〉は無い。
モブ達の物語に移る前に、モブ紹介、通貨&金属解説、魔術解説等を投稿します。