序章
どうも、さすらいの小説家です。このたびは、私の作品に目を留めて頂きありがとうございます。
また、今回が初めての投稿になります。なので、色々なところにミスがあるかもしれませんがご容赦ください。
それでは、本編をどうぞ。
「早く起きろー!」
いつもこの朝の弱い頭に鳴り響く声で俺は目覚める。時刻は7時半。俺はとりあえず洗面所で顔を洗い眠気を飛ばすことにした。そして、朝食を頂く。ふと、俺はテレビを見た。
『えー、昨日○○通りで通り魔事件発生。被害者は約3名。犯人はまだ捕まっておらず、現在逃走中です。』ふーん。最近物騒だと思ったがうちの近くまでこんなことになるとは。○○通りは俺の通学路だ。無いとは思うが、俺が事件に巻き込まれませんように。
やがて制服に着替えた俺は家を出て駅に向かう。おっと、自己紹介が遅れたな。俺は霧島悠一。某有名な進学校に通っていて、ルックス成績など殆どが普通。彼女と友達がいない事を除けば。しかし、こんな日常を俺は嫌っていない。安定した生活を送っていけるのはとても素晴らしい事である。まぁ、欲を言えば美少女たちにチヤホヤされたいなぁ、ってところかなぁ。
ただ、人それぞれにはスペックというものがある。だから、そのスペックにあわせて生活するのが安心かつ安全なのだ。
そんなことはさておき、俺はスマホの時間を確認する。時刻は8時半。やべぇ!遅刻する!平凡かつボッチな俺に遅刻、欠席は許されない。学校に時間通りに登校するのは普通のことである。そんな普通のことをすっぽかすと、周りから(悪い意味で)注目されてしまう。なんとしてもそれは避けたい。俺は全力で駅に向かうことにした。こういうときに限って、人や信号に行く手を阻まれる。それでも俺は走る。
その時だった。ドンッ。誰かにぶつかった。これは起こられる前に謝らなければ。ごめんなさい。んっ?声が出ない。それに腹部に猛烈な痛みを感じる。もしやと思って目線を下にやった。俺が予想したとおりだった。俺の制服に穴が開き、そこから血がでていた。何とか抵抗して犯人の手を外そうとするが、余計に押し込まれる。ついには立てなくなりその場に倒れた。周りは突然の出来事でとても慌てていた。中には悲鳴を上げる人もいた。まわりが恐怖と不安(?)でざわついてる中、俺はゆっくりと目を閉じた。
あー。俺の人生もここまでか。こんなときに「わが生涯に一片の悔い無し!」って言えたら最高なんだろうなぁ。
別に今までの生活が悪かったわけではない。ただ、この年で死んでしまった(仮)のはもったいないと思ったのだ。ということで、ずいぶん前に言った事を撤回する。本当はもっと充実した生活を送りたかった。それこそ、『リア充』になりたかった。友達だって欲しかった。毎日遊んでイケイケな生活を送りたかった。彼女だって欲しかった。勇気出して告白したら実は私も…。なんて言われたかった。週末や誕生日にデートだってしたかった。それで人気の無い公園のベンチでキスもしたかった。このまま童貞でしにたくなかった。etc…
こうして今までの後悔を一気に清算して、死を受け入れた。すると、目の前が真っ暗になった(感覚)。もう思い残すことは無い。と言ったら嘘になるがここまできたら認めるしかない。一番楽なのは認めて意地を張ることを諦める事なのだ。
こんなグダグダで適当な生活を送ってきた俺だったが、チャンスだってほしい。ということで、言わせてくれ。もし、こんな俺にもやり直せることができるならどうか、どうかやり直させて欲しい。後悔の無い生活を送らせてほしい。
そう心で言い放った時、俺は温かい光に包まれどこかへ飛ばされたような気がした。
この作品は不定期に投稿します。
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