遥くんはダンディーになりたい(切実)
ネタに関しては難民なので許してください(;゜∀゜)
短めですが、ではどうぞ(  ̄ー ̄)ノ
俺、伝田遥は大人の男に憧れている。
具体的には、ダンディーな髭の似合うバーテンダーや喫茶店のマスターのような存在。
包容力に溢れ、気さくだがどこかミステリアスな大人の男。
つねに、余裕の表情を浮かべて、シェイカーを降ったり、コーヒーを入れたりしているようなあんな感じ。
声は渋めか低くて落ち着いた感じ。
声優で言うと速〇奨さんみたいな感じの声。
ごち〇さのチ〇ちゃんのお父さんのタカ〇ロさんみたいな感じ。
え?喫茶店とかで働け?
そうじゃないんだよ。ようするにあんな感じのダンディーさが欲しいの。
渋い大人の男って格好いいだろ?
それを高校の友人に語ったら笑いながら否定された。
「いや~はるちんじゃ無理でしょ?だって、そんなの女の子みたいなはるちんとは真逆の方向性じゃんww」
・・・失礼なやつめ!
確かに俺はちょこっと童顔(男物の服を着てても女と間違われるくらい)で、少し背丈が低く(女子の平均の155㎝くらいで男子の中では一番前)て、若干声が高め(合唱では女子と同じソプラノパートに組み込まれる)で、多少男子の中では肌が色白(肌質と色白さは女子のなかでも上位にされている)で、ほんの少し趣味が家庭的(女子力の権化とこないだ評された)だけど、別にそれだけで対して遠くはないはずだし!
・・・えっ?遠い?
いやいや、そんなはずは・・・ないよね?
気になって、近所の年上の幼馴染である奏姉さんにも聞いてきたみた。
そしたら、奏姉さんはいつものようににこにこして俺を抱き締めた。
俺と奏姉さんは身長差があり、奏姉さんの方が俺より10㎝は高いので、自然と抱きつかれると奏姉さんの豊満な胸に俺の顔は押し付けられる。
い、息が・・・
「遥は可愛いのがいいのよ~。だからダンディーにはならなくてもいいの~。」
「むぐ・・・・(おふ・・・息が・・・や、柔らかい・・・でも苦しい・・!)」
「ふふ・・・やっぱり、遥は抱き心地がいいわね~。可愛いし、やっぱり遥大好き~!」
「ふ・・・ぐ・・・がく・・・(い、息がもたない・・・ダメだ・・・ああ、でも奏姉さん柔いな・・・さらば人生・・・がく・・・)」
「あら?遥・・・って、きゃー!しっかりして!遥~!」
奏姉さんのいい香りと柔らかい感触を味わって気絶した俺は、しばらくして、柔らかい感触を後頭部に感じて目を覚ました。
なんだろ・・・この気持ちのいい枕は・・・
そう思って俺は反射的に頭の後ろに手を伸ばして、何度かむにゅむにゅ「きゃっ!」柔らかい感触を堪能した。
ん?ほんとになにこれ?それに今の悲鳴は・・・
「あ、遥起きたんだ。よかった~。ごめんね。あと、そろそろ太ももから手を離して欲しいな~。くすぐったいよぅ。」
「太もも・・・奏姉さんの・・・?」
「そうだよ~。」
そういえば、さっきから奏姉さんの顔が見上げて真上に見えるなー。
ん?太もも?見上げて寝ている?柔らかい枕・・・
これってまさか・・・
「ご、ごめん!奏姉さん!!」
まさか膝枕をされているとは・・・!
急いで起きようとするが、奏姉さんは俺の頭を撫でてそのまま「もう少し寝てていいよ~」と言って自分の膝へ俺を戻した。
奏姉さんの太ももの柔らかさに俺はそのまま寝そべってしまう。
悔しい・・・!
でも、気持ちいい・・・
「ねぇ、遥はどうしてダンディーにこだわるの?」
そんなことを考えていたら奏姉さんにそう聞かれた。
理由は・・・
「だって・・・奏姉さんが昔言ってたから・・・」
「ん?私?」
「その・・・大人の男は格好いいって・・・そういうタイプの男と付き合いたいって・・・だから俺は・・・」
あれは、そう。忘れもしない中学時代のこと。
奏姉さんは何かの影響なのか、「大人の男って格好いいわ~。私もダンディーな人と付き合いたい!」と、そんなことを言っていたのだ。
昔から俺は奏姉さんが好きなので、そう言われてから、自分の外見の幼さを嘆きながらも必死に奏姉さん好みのダンディーな男になろうと努力した。
まあ、途中から俺自身もダンディーな男が格好いいって思うようにはなったけど、奏姉さん好みになりたいというのも本音だ。
「私は、遥のこと好きだよ?」
そんなことを考えていたら、頭上からとんでもない台詞が降ってきて俺は硬直する。
「な、な、奏姉さん!?」
「だから、無理して変わる必要はないんだよ?私好みに変わろうと考えてくれたのは嬉しいけど、遥は遥のままでいて欲しいな。私は可愛い遥のことが大好きなんだから。」
どこまでも奏姉さんは笑顔で俺にそう言った。
俺はその台詞に思わず顔を赤くして視線だけでもと思い別の方をみた。
「ふふ・・・可愛い反応だね。じゃ~これならどうかな?」
そい言って奏姉さんは俺の方に顔を近づけて、そのまま唇に唇を重ねて・・・・えっ・・・これって・・・
「ん・・・私のファーストキスは遥だね。」
奏姉さんはそう笑顔で言った。
・・・えっ?今俺、キスされた?
奏姉さんとのファーストキス!?
「か、かな・・・・奏姉さん!?」
顔を真っ赤にして慌てて奏姉さんの顔をみると、奏姉さんも少し恥ずかしかったのか頬を赤く染めていた。
照れてる奏姉さんも可愛い・・・
「遥は可愛いね♪」
そんなことをご機嫌で言った奏姉さんに俺は・・・
「・・・ずるいよ、奏姉さんは・・・」
顔を赤くしてそっぽを向くことしか出来なかった。
惚れた弱みとはよく言うが、俺は一生奏姉さんには勝てそうもないや・・・
「好きだよ遥。」
「・・・僕も奏姉さんが大好きだよ。」
ダンディーになりたいと思いつつも、このまま奏姉さんに可愛いと言われたいとも思う複雑な今日この頃。
お読みいただきありがとうございます。
今回は「ダンディーに憧れる女顔主人公」というコンセプトで書きました。
まあ、あと、年上の幼馴染のお姉さんがにこにこしながら主人公の背伸びを見守っていちゃいちゃして欲しかったのです。
作者としては地味に年上お姉さんがにこにこしているのが好きです。
続きは・・・気が向いたら書きます。
ではではm(__)m