出会い
男の車に行くことにした前原愛
車のなかで一体何が起きるのか
「どうぞ、天井低いから気を付けて」
3分ほど歩いたところにパーキングエリアがあった。
そこには男のものと思われる一台の車が止まっていた。
車をよく知らない私でも分かるくらい、男の車はきれいで高級そうだ
車だけでじゃない。男の着ているスーツ、腕時計、微かに香る香水までもが高級に思えた。
彼は私とは住む世界が違う。直感的にそう感じた
「さっきみたいに抱き着いたりしないから安心して。」
男は落ち着いた声でそう言った。
私は頷くことしかできなかった。
「ごめん、右手だけ貸して」
私は言われたとおりに右手を差し出す
すると男が手をつないできた
私の手をすべて覆い尽くしてしまうほど大きくて、ごつごつした男らしい手だった
そして何より、とても冷たかった
このとき私は初めて異性と手をつないだ
初めてなのにクラスメイトが話していたドキドキは感じられなかった
まるで子供が親に手をつながれているような光景をしばらく見つめた後、男の顔を見上げると目を瞑っていた。
寝ていないことは分かる。そして抱き着いてきた時よりも穏やかな顔をしていることも、、、
ゆっくりと男の手が私から離れた
「もう大丈夫、変なことに付き合ってくれてありがとう。」
そう言い、男は少し困った顔で微笑んだ
そのとき初めて男と目があった。
吸い込まれそうな漆黒の瞳だった
「さあ、もう遅いからお帰り。送ったほうがいいかと思ったけど、それじゃさすがにしつこくなっちゃうからね。ごめんね、気を付けて帰るんだよ。」
気配りが細やかだなと感心してしまった。
さっきとはまるで人が違くて、一人の中に二人の彼が存在している、そんな気がした
「さようなら」
もっと言える事があっただろうけど、今の私にはこれが精いっぱいだった。
いまだに投稿の仕方が分からず頭を悩ませています、、、
自己満足で始めた小説ですが、この前読んでくださる方がいるだけでとても楽しいものだと感じられました!