牧場へ……
私はたまに牧場へ行く事がある。
といっても、実際にリアルで牧場へ
行く訳ではない。
架空世界(ゲームの世界)で、
疑似飼育&疑似栽培などをする
のだった――。
私はとある牧場ゲームにハマって
いる。
無人島(条件をクリアすればどん
どん住民が増えていく)にて村再興を
するという牧場ゲームだ。
最初は出荷業者の家族(道端に
落ちていたお花等をお金に換金して
払ってくれる人達)と自分プレイヤー
としかいない。
だがしかし、しだいに大工さんや動物
屋さん(牛や鶏を売ってくれたり、餌を
売ってくれたりする店)や、食堂や喫茶
店や宿屋や雑貨屋さんなどどんどんお店が
出来ていくのである。
食堂や喫茶店ではお持ち帰りは出来ない
けれど、体力ゲージを回復する事が出来る。
その牧場で何をするかというと、かぶ
などの畑を作ったり、牛や鶏などを飼って
お乳や卵を取ったり(売ってお金にする、
もしくは自分で食べてもよし)するのだ。
初期だと壊れているのだけれど、少し
ゲームが進んでお金がたまってくると、大工
さんが橋を修理してくれて(もちろんお金が
いる)、お祭りなどのイベントをする事が出来る
エリアや、お花やしいたけなどが落ちているエリア
や、鉱山(宝石が採掘出来る)など行ける場所も
多くなってくる。
魚釣り、採掘、畑仕事、動物の世話が基本的な
作業だったりする。魚などは出荷箱に放り込んで
置くと、後は自動的に出荷業者さんがお金に換えて
くれるのだ。
そうやってお金を貯め、箸を修理したり、道路を
整備させたり、いろいろな作物を育てたり、動物を
どんどん飼ったり、魚をどんどん釣ったり、鉱山で
採掘しまくったりという条件を満たすとどんどん
住民が増えてくるのである――。
しかし、この住民というのが癖物である。
牧場生活には四つ月があり、春の月・夏の月・秋の
月・冬の月があるのだが、その一つの月で三十日間
口を利かなかったり、三十日間魚を一個も出荷しな
かったり(住民によって条件は微妙に異なる)という
条件を満たすと勝手に離島してしまうのだ。
中には離島しない住民もいるけれど、ほとんどの
場合離島する。
なのであいさつだけでかなり時間を喰う場合が
あったりもする。
作物が育てられない冬だけは暇なので大丈夫だが。
それと、住民の中にはプレイヤーが結婚出来る相手が
何人か存在するのだ。このゲームでは男と女の中から
自由に選択出来、それによって結婚できる相手が違う
(男性は男性、女性は女性と結婚する事は出来ない)。
女性なら男性との間に愛を育む事が出来、男性なら
女性と愛を育む事が出来るようになっていて恋愛
イベントも発生する。
好物を上げる、話しかける、誕生日にプレゼントを
するなどなど手順を踏むとゲーム内で結婚出来る。
……惜しむらくは、結婚しても相手が何もして
くれない(ただ家の中を基本うろうろしてるだけ)と
いう事だったりするけれど。
女性なら出荷業者の息子、原住民の少年、動物屋さんで
働く青年、漁士の少年、別の村の牧場主(男プレイヤー)。
男性なら、お金持ちのお嬢様、釣りが好きな女性アイドル、
出荷業者の娘、年齢不詳の魔女、牧場主(女プレイヤー)、
動物屋の娘から選ぶ事が出来る。
もう一つ注意が必要なのは、相手によってはライバルが
いるために結婚を後回しにして放置して置くと、いつの間
にか他のキャラとの好感度が上がって結婚してしまうという
事だ――。
最初の牧場生活は、動物も何もいないので道端に落ちて
いるお花や草(雑草の他にも食べられる草がある)、そして
海にある岩から海苔を取って売るという事から始まる。
所持金が序盤では0なのでちょっとずつお金を貯めていく
のだ。
出 荷箱に放り込んで置くと午後五時に自動的にお金が入る
ので、それを繰り返しお金を貯めていくのである。
出荷業者のおじいちゃんからかぶの種(×2)をもらえる
ので、畑を耕して種をまくのもOK。やっぱりかぶなど野菜を
育てるのが一番効率的なのだ。
ちなみに、種は雑貨屋さん(序盤からいる)で買う事が
出来る。
春だと、じゃがいも・かぶなどが初期から植えられる。
でも、どっちも取ったら畑が空になるのでまた種を買ってまか
なければいけない。
住民にはそれぞれ好感度(友好度)システムという物があり、
上げていき条件を満たすとイベントが発生し、馬を飼う事が
出来たり(乗って移動出来る)、犬を飼う事が出来たり(
放牧中の動物を野犬から守ってくれる)、釣竿がもらえたり
という事が起こる。
釣竿があれば、暇な時に川や海などに行けば魚が釣れるのだ。
魚には三つのカテゴリ分けされており、大魚・中魚・小魚となる。
たまに海賊の宝と呼ばれるアイテムや魚の化石や、魚の骨や空き
缶や穴の開いた靴などのゴミも引っかかる(出荷しても1円にしか
ならない)。海賊の宝や化石は滅多には釣れないけれど、その代わり
高額で買い取ってもらえるのである――。
少しゲームが進んでお金が貯まると、動物小屋と鶏小屋を
建ててもらう事が出来るようになる。
動物小屋は羊と牛を、鶏小屋は鶏を育てる事が出来るのだ。
建てた直後に、出荷業者のおじいちゃんからひよこを一匹
と、子牛を一匹もらう事が出来る。
もちろん、動物屋さんで牛や鶏を飼う事も出来るのだが、
ひよこや子牛から育てた方が愛情度が上がりやすかったりする。
ひよこは鶏になると卵を毎日生んでくれ、子牛は大人(大牛)に
なると道具があれば毎日乳搾りをする事が出来る。
羊は序盤では育てられないが、大人になると毎日ではない
けれど道具があれば毛刈りが出来るのだ。
愛情度が高ければ高いほど品質のよいお乳や卵などが取れる。
ただし、牛達や鶏達には寿命があるし、餌を上げなかったり
道具で攻撃したりするとストレスがたまって行き病気になって
しまう。
犬や馬はそういう物は出してはくれないが、寿命がないので
絶対に死なないという利点があったりする。
鶏は抱き上げるだけ、牛は乳搾りをしたりブラシをかけたり
(羊と馬もブラシがかけられる)、羊は毛刈りをしたりという
事をするだけなのでリアルよりは手は掛からない。
後は餌をちゃんと動物屋さんで買っておいてあげるだけだ。
妊娠場所を作ってもらい、アイテムを購入すれば牛や羊は子供を
出産可であり、鶏は孵化場所場所を作ってもらい卵をそこに置く
だけでしばらくするとひよこが生まれてくる。
だが、一つ注意しなければならないのは冬の月には大雪、夏の
月には台風が発生し一日家から出られなくなる事だろうか。
もちろん動物達のストレスゲージが上がり、下げるのが非常に
面倒な事になってしまう。
翌日晴れていれば外に出して放牧し、下げる事が出来るけれど、
冬は曇りや雪が多いので要注意。
大雪に二度振られ、ストレスをなかなか下げられないまま
進んでリアルで泣きそうになったのは今ではいい思い出
である――。
いろいろ書いたが、やっぱり牧場物語の醍醐味は自分で
野菜等を育てられるという事かもしれない。
春にはじゃがいもやかぶや苺やきゅうりやきゃべつ。
夏にはトマトやとうもろこしやたまねぎやかぼちゃやパイ
ナップル。
秋にはなすやにんじんやほうれんそうやさつまいもや
ピーマンが育てられる。一部条件を満たさないと販売され
ないけれど。
条件を満たせば、桃やバナナやオレンジや林檎やぶどう
なども育てる事が出来たりする。
シイタケやマツタケやドクツルタケ(毒があるので食べ
たら危険だが、普通に出荷出来る)なども育てられるのだ。
お米やそばや小麦や大豆も育てられるものの一つだ。
アイテムが必要になるが、イベントが発生すると田んぼのある
場所に行けるようになりお米を育てられるのだ。
果樹やお米などは育つまで時間は立つけれど出荷額は高い。
でも、育てられるようになるまでにも時間やお金がかかるので私は
お米しか今までのプレイで育てた事はない。
お米は種をまいて後は放置するだけで育つので一番育てやすいのだ。
秋になると本当に稲が実り収穫できるのである。
書き忘れていたが、それらの野菜などは台所を購入すれば(台所は雑貨
屋さんで売っている)料理に使えるのだった。
チーズメーカーなどのアイテムや、レシピがあれば(レシピは喫茶店等で
指定の材料を渡すともらえる)マヨネーズ・チーズ・ヨーグルト・バターを
牛乳や卵で作る事が出来る。
脱穀機や製粉機というアイテムがあれば、お米をご飯に、小麦を小麦粉に
したりも出来たりする。ちなみに羊の毛は毛糸メーカーというアイテムが
あれば毛糸玉に出来る。
牛乳などは普通に出荷してもいいのだけれど、チーズ等にするとさらに
高い出荷額が取れるのである。もちろん料理に使っても構わないが――。
そのゲームの副タイトルは「君と育つ島」なのだが、本当にその名前の
通りである。壊れた橋を修理してもらったり、道路を整備したり、本来なら
村長さんがやるべき事を主人公が担っているのだ。
他の住民は一切お金的な支援はしてくれないため、たまにあなたが頑張って
くれるからうんぬんという感謝の言葉を聞かせてくれるだけ。
このゲームは一応結婚を一区切りとしているのだが、その後も子供を出産
したり(女プレイヤーの場合のみ。男プレイヤーの場合はお嫁さんに産んで
もらおう)、子育てしたりといろいろゲームは続き、RPGのように条件を
満たせばクリアという事もない。
子供は男と女のランダムで決まり、それによって好きな食べ物等も違う。
赤ん坊のうちは話しかけるだけだが、しだいに成長してくると食べ物などを
プレゼントすると懐いてくる。
一切話しかけずにいると嫌われるらしいので要注意だ。
ちなみに私は女プレイヤーに設定して出産した事はあるけれど、まだ子供を
大きくした事はない。
クリアがないゲームなので飽きたりもするのだけれど、好きなゲームなので
唐突にやりたくなったりもする。
これは、リアルでは野菜を育てた事もない虫が苦手な私が、釣りをしたり
野菜を育てたり、牛達を育てたりという体験をさせてくれるゲームである。
まあ途中でお金を貯めるために(宝石の)採掘物語や、漁士物語になって
しまい冬などは気づくと牧場生活してないじゃん!という事になったりも
するのは余談である――。
※エッセイ村に掲載されていた
作品です。
以前私が寄稿した作品のうちの
一つなのですが、削除されてしまう
との事なのでこちらで再投稿する
事にしました。
私の好きな牧場ゲームについての
お話です。