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端書
強くてきれいな女に憧れてた
昔の私は、ガリガリの身体と、醜い顔、根暗な性格という、いじめられっ子になる為の全ての要素を併せ持つような女の子だった。
長くきれいな髪や、よく回る舌、大きく零れ落ちんばかりの瞳に憧れて、憧れて、いつかああなりたい、あの私を見下す顔の、そのどれよりも美しい顔になるんだ。そうして、今度は私の方が見下してやるんだと、そう強く思った。
強い女。美しい女。男を掌の上で転がし、言葉を巧みに使いこなす、そんな女。
いつしか私の強い女の肖像は、夜の女への変化していった。