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05話 帰宅途中にて

傍から見ると「犯罪にしか見えません」という表現があります。

 

 午後6時には片づけを終えて会場を出た私たちは、ちょっとした打ち上げ代わりに癒しコーナー有志で晩御飯を食べ、8時くらいに店を出た。

 みんな帰る方向はばらばらなので、フェア会場近くの中華料理屋に入ったのだけれど、料理はとても美味しかった。

 特にデザートの烏龍茶ゼリーが絶品でした!烏龍茶という名前なのに、さっぱりした紅茶をそのままゼリーにしたような風味。でも、以前日本のスーパーで買って食べた紅茶ゼリーのくどくベタついたような甘さが無く、いくらでも入りそう(料理をあれだけ食べたのに!)。持ち帰りが無いのが残念!!


 お店の前で解散して、JR組の人と駅まで一緒に歩いて、私一人だけバスなので、只今着替えの入ったキャリーケースを引いてバス停に向かっている途中(ホテルはもちろん今朝チェックアウト済み)。

 ちょっと辺鄙な路線で、駅前のバスターミナルからは出発せず、いささか離れたバス停まで歩かなきゃいけない。おまけに本数も少なく一時間に一本しかない。22時台が最終なので、それを逃すとタクシーになるのだが、ビジネスホテルに一泊するのと変わらないくらいかかってしまう(泣)。

 とはいえ四日ぶりの我が家、待っている皆にも会えると思うと足取りだって軽くなっちゃいますよ〜、おねーちゃんは♪

 

 目的のバス停を目前に信号待ちをしていると、目の前にすっと止まった黒塗りの車。

 大きい!エンブレム付き!!でも、なんで横断歩道に停まるの???

 もしかして危ない職種のヒトの車では、と一歩下がった私の前で、後部座席のドアが開いた。

 おや?

 中に座ってらっしゃったのはフェアに来ていた公子サマと一緒に来ていた執事さんと通訳少年。

 おおっと、後部座席が対面式だなんて初めて見ました。だからこんなに大きいのですね。

『--,---』

「どうぞお乗りください」

 は?

 一瞬何を言われたのか意味がわからなかった私。

『-------,----』

「長く停まっておくことができません、早く乗ってください」

 そう言われましても、どうして乗らなくちゃいけないかがわかりません。

「あの、遅くなってしまいますので失礼します」

 ペコリとお辞儀をして、車の後ろを回り込んで青になった信号を渡る。私の乗る予定のバスが、スピードを落としながら追い抜いていった。

 良いタイミング!あれに飛び乗っちゃえばあとは一時間半くらいで我が家です!!

 と思ったら、左腕が掴まれて引き止められる。


 えっ!?


 振り向いたら、黒いスーツの背の高い男性が二の腕を掴んでいるではありませんか。男性の背後には、こちら側の後部座席の扉が開いた、今だ停まったままの黒塗り。

 さっきは執事さんと通訳少年しか見えなかったけれど、その向こう側に乗っていたらしい。とっさに反応できない私を黒スーツの男性はずるずる引っぱっていき、キャリーケースごとぽいっと座席に放り込んだ。

「な、な、なっ――」

 悲鳴を上げる間もなく、黒塗り車は出発。

「何するんですか!これは誘拐ですよ、犯罪です!!」

 慌てふためく私に、執事さんは落ち着きはらって言った。

『----,------------』

「心配御無用です。この車は外交官ナンバーですので治外法権です」

 そんなこと心配してませーーん!!



 いくら青プレートでも犯罪は犯罪でしょう(苦笑)。


 烏龍茶ゼリーも実在します。台湾で食べ、文中のとおりでとても美味しかったです。

 後日、日本のスーパーで紅茶ゼリーというのを発見し、同じ風味を期待して食したところ、べたつくような甘さに泣きました。


 そろそろ書き溜めていた分が尽きそうです。

 いよいよ本当の亀更新になると思いますが、よろしければ気長にお付き合いください。


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