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26話 翌日自宅にて 15


「しかしそうなると、こんどはその財産を目当てに親族が、ってことにはならないのか?」

 さらに質問する祥くん。

 ……食いつきますね。普段はあんまりこういう‘お家騒動’とか‘家族間抗争’とかって好きじゃなかったと思うんだけど。根が単純だから。


『~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

「財産と言っても、そのほとんどが先祖代々受け継いだ土地・建物といった不動産です」

『~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

「下手に売り払うと‘お金に困っている’と言われて貴族としては不名誉なことになります」

『~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~』

「城の中の動産――美術品等は、これも先祖伝来のもので、公国から文化財指定を受けているものも多く、勝手に処分できないものばかりです」

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

「中にはかつて仕えた皇帝からの下賜品などもありますし、実際に生活している私達も壊さないようビクビクしています」


 最後は冗談っぽく肩をすくめながら言ったので、思わず笑ってしまいました。

 確かに、お祖母ちゃんが大切にしていた大きな絵皿、洗うだけでも手を滑らせたりしないか冷や冷やしていたのに、それがもっと高級だって分かっている品だったりしたら……とても持てません。


『--,------------……』

「そして、ここからが本題なのですが……」

 私の笑いがおさまるのを待って、またセパシウスさんに戻る。

『--------,----------,--------------------,--------』

「暗殺云々はさて置き、このような事情により、我が国では継承権を持つ者を絶やさぬよう、ある不文律がございます」

『--,--------,--------------,-----------』

「それは、公爵位を継ぐ者は、結婚し2名以上の子をもうける、というものでございます」

『---,-------------------』

「そのため、代々の大公閣下は皆様早婚でございました」


 へぇー、そうなんですか。

 私は別に王室ファンとかではないので、そういう‘ロイヤルファミリー’(でいいんですよね?)のお家事情とかはまったく知らなかったのだけれど、こうしてお話していただくと面白いと思うものです。


『-------!!』

 おっと、ここでセパシウスさんのテンションが急上昇です。

『--------------------,---------------,-----------------!』

「しかしながら、第17代公爵となられる予定のクラウス殿下はご結婚どころか婚約者もおらず、周囲の者も皆焦っている次第でございます」

 白いハンカチを取り出し、目に当てています。

 

 でも……

「さっき28歳って言ってなかったか?そんなに焦らなくても良いんじゃ……」

 そうそう、祥くんの言うとおりですよ。こくこく頷く私。

 女性は第一子を出産する好ましい時期とかがあるみたいだけど、公子サマは男性だからそんなの関係ないだろうし。日本の男性なんて30代で結婚する人が多いんですから。

 それに、公子サマならいくらでもご縁があると思うんですけど……。


『-----,--------------------,----------,-----------------』

「殿下のお父君、大公閣下が殿下のお歳の時には既にご成婚され、お子様もいらっしゃり、公爵位を継ぐ準備をしておられました」

『--------------------,--------------------』

「しかしながらクラウス殿下には女性の影すらなく、ゴシップ誌に‘聖職者のよう’と書かれる始末」


 ゴシップ誌に女性との記事が載らなくて嘆かれるって、どんだけ…??


『--------,--------……』

「何より絶望的なのは、クラウス殿下は……」


「殿下は?」

 言いよどむセパシウスさんに、思わず先を促す私。

 ここまで来てタメは無いでしょう。


『-------------!!』

「殿下は女嫌いなのでございます」


 セパシウスさんの叫びに、変わらず落ち着いたユーリくんの声。

 おんなぎらい、オンナギライ……って、あの?


「「はぁ!?」」

 今度は私と祥くんの叫びが同時だった。


 

 ようやく…というか、まだここって……orz

 

 ……頑張りますとしか言えませんが……頑張ります。



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