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25話 翌日自宅にて 14


 東北・関東大震災の犠牲者の皆様にお悔やみを申し上げますとともに、被災され今なお困難な状況下におられる方々に心からお見舞い申し上げます。




 祥くんのおかげで、とりあえず公子サマとセパシウスさんも落ち着いたよう。

 ……さすがに訪問先で口論になったのが恥ずかしいのか、ちょっと姿勢があらたまった感じがします。

 あれ?この雰囲気どっかで……う~ん、思い出せません。こういうのを既視感(デジャ・ヴ)というのでしょうか??


 本題に入る前に、さっきのセパシウスさんの語りみたいなことになった時に備えて、お水を用意することに。

 ただのお水と侮ること(なか)れ!これは地元の湧き水――このあたりは一家に一本敷設――なのです。ミネラルを適度に含みつつ、やさしい口当たりの軟水はファンも多く、わざわざ県外から公共の水場まで汲みに来る人も多いのです!

 ……そういえば欧米の方は硬水に慣れているんでしたっけ。

 …………一応、ローズウォーター作れるように準備をしておきましょう。レモンでもあれば輪切りにして浮かべたんですけど…ホントにお買い物行かなきゃ、です。


 あまり奥に行かなくてすむように、ピッチャーに氷水を入れて一緒に持って行く。お冷を皆さんの前に配り、これでOK。

「お待たせいたしました、それではお話の続きをお願いします」

 席に着いて、ペコリとお辞儀をした。


 ウォッホン!

 大きく咳払いをしたセパシウスさん。

 頬の辺りが薄紅色なのは言わないでおきます。

『-------------,--------------』

「先ほどはお見苦しいところをお見せし、たいへん失礼いたしました」

『---,--------------,---------------』

「これから、私たちが本日こちらへお伺いした用件について説明いたしたく存じます」


 いよいよですね。

 こちらも思わず背筋が伸びます。


『-------------,----------------――』 

「当方の抱える問題について、そもそもの背景を簡単に申し上げますと――」

そう言ってセパシウスさんが、今度は(・・・)簡単に説明してくれたのが、


 クロウシェン公国は永世中立国であるが、非武装である(代表的なスイスは武装の永世中立国)

 軍隊は数代前に廃止され、同盟に基づき隣国がクロウシェン公国の防衛も担当している(警察はクロウシェン公国も保有)

 クロウシェン公爵位は直系のみ継承権を有し、継承権保持者が絶えれば公国の統治権は隣国に移譲される

ということだった。


『-----------,-----------,--------------------』

「この場合の‘直系’とは、長子長男という意味ではなく、クロウシェン公爵――大公閣下のお子様たちを指します」

『---------------,----------------』

「公爵位が次の世代に継がれた時点で、先代のご兄弟は継承権を失うのです」


 ……え~っと、つまり、今の公爵サマの継承権は、公子サマやそのご兄弟姉妹が持っていて、公爵サマの兄弟姉妹は(もし居たとしても)継承権が無い、と。

 そういうことですか?と聞いてみると、返ってきたのは肯定。

 でも……


「しかし、それじゃあ公子サマの国の統治権を手に入れるために隣国の上層部が公爵ご一家暗殺、なんてことになるんじゃないのか?」

 考え付いても言いにくいことをズバッと聞いたのはやはり祥くん。

 しかしこれは、公子サマにきっぱりと否定されてしまった。曰く

『~~~~~~~~』

「メリットがありません」

とのこと。


『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~』

「私たち一家が揃って事故等の不自然な死に方をした場合、真っ先に疑われるのは隣国です」

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

「そうなれば内外から強い非難が浴びせられ、統治権の移行はまず実行不可能になるでしょう」

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~』

「隣国を陥れるために第三国が仕掛けるというのも、隣国がやはり永世中立国であることを考えれば勢力図の変動に結びつきにくく、可能性は低いでしょう」

 淀みなく説明されると、なるほど~と納得。


『~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

「それに、隣国に移譲されるのはあくまでも公国の統治権のみです」

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~,~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

「公爵一家の私的財産は傍系一族に分与相続されるため、隣国が私たち一家を抹殺しても益は無いのです」

 へぇーーー。日本の一般庶民にとってはドラマのようなお話ですねー。






 私の所は今回の震災の影響は受けていません。

 所用により更新できず、心配された方もいらっしゃったのではないかと、申し訳なく思っています。

 せめて今できることをやって、少しでも被災地の皆様のお役に立てればと思っています――と言っても義捐金や節電くらいなのですが……


 先週分、というわけでもないのですが、もう1話書いている分を投稿したいと思っています。

 よろしければどうぞご覧下さい。



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