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21話 翌日自宅にて 10


 庭の奥で勇ましく四肢を踏ん張り、扉の脇に立っている護衛さんに向かって吠えたてているムゥくん。

 その脇には同じように立ってじっとこっちを見ているシィさん。


 ギャンギャンギャンギャン!!


 ムゥくんの吠え声は今や最高レベル。

 早く止めないと!

「すみません、ちょっと手をお借りします!!」

 ぎょっとする護衛さんの右手を自分の右手で握って大きく上下に振る。

「ほ~らムゥく~ん、握手だよ、あ~く~しゅ。この人はお客さんだからね~」

 ムゥくんに見せつけるため、通常の握手より大きく上下にぶんぶん振る。


 ウ~、ワンワン、ワンワンワン!


 警戒レベルは下がったものの、まだ吠えているムゥくん。

 ……うぅ…握手で治まって欲しかった……。

 次はちょっと恥ずかしいんですけど……。仕方ありません。ちょっと自己暗示、自己暗示。

 この人は護衛の人、お巡りさんやお医者さんと一緒、その道のプロの方、恥ずかしがることは無いのです、無いのです……。よしっ!! 


「またまたすみませんっ、ちょっと腕をお借りします!!」

 握手したままの護衛さんの右手の先――腕に、自分の左腕を回す。いわゆる腕を組んだ形です。

 とっさに振りほどこうとする相手の腕の動きを、自分の腕に力を込めて押さえつける。体を腕に押しつける形になってしまったけれど、ここで振りほどかれてしまっては元の木阿弥、ムゥくんの警戒レベルが上がってしまう。

「ほぉ~らムゥくん、腕組んで仲良しさんだよ~。お友達だから吠えちゃダメだよ~」

 顔はムゥくんに向けて笑顔。左腕はしっかり相手の腕を捉え、右手の握手をほどいてムゥくんに仲良しぶりをアピール。


 ウ~~~、ウ~~~。


 吠え声はおさまったものの、今度は唸るムゥくん。

 この状態で私が中に入ると、また吠え出すかもしれません。

 これだけはやりたくなかったのですが……。

「本当に、ほんっとうに、すみません!ちょっと頭を下げてもらっても良いでしょうか?」

 右手を護衛さん――この方もずいぶん背が高いです――に向けてチョイチョイと振ると、訳が分からないでしょうに腰を屈めてくれた。

 良い人です。

 手が届くようになった相手の頭に右手を乗せて撫でる。

 いわゆる‘イイコイイコ’です。

「ムゥくん、ムゥく~ん、ほらほらイイコイイコ~。ムゥくんと同じイイコだよ~。ムゥくんイイコだから、もう吠えないよね~」

 イイコイイコ。イイコイイコ。

 ……なんだか護衛さんが硬直している感じがします。

 ひ~ん、ほとんど見ず知らずの相手に‘イイコイイコ’されるなんて硬直して当然ですよね?ごめんなさい、ほんっとうに、ごめんなさい!!

 ここでムゥくんから視線を外すわけにはいかないので、心の中で謝り倒します。

 

 ようやく、ムゥくんが警戒を解きました。控えめながら尻尾を振ってくれているのがその証拠です。

 それを見てホッと一安心。

 これで護衛さんを一人にしても大丈夫なはずです。

 ムゥくんがまた警戒モードに入らないようゆっくり護衛さんから離れて、深々と頭を下げました。

「いろいろと失礼なことをしてすみませんでした」

 私の声に、硬直していた護衛さんも我に返ったのか直立の姿勢に戻る。

 ムゥくんの警戒を解くためとはいえ自分より年上の方に‘イイコイイコ’なんてやってしまった恥ずかしさで顔が上げられず、そのまま逃げるように(実際逃げたんですが)談話室に戻った。

 あ~、顔が赤くなってるかもしれません。


「お客様をほったらかしにして申し訳ございませんでした。あんまりうちの犬が吠えると、ご近所の方がなにか有ったんじゃないかと警察呼んだりするかもしれないもので……」

 言い訳をしながら席に戻る。

 …あれ?なんだか皆さん――王子様スマイルの公子サマ以外の皆さん――顔色が少し悪くありませんか?

「あの……」

「さや、頼むからもうちょっと時と場合を考えような?」

 何かあったのか聞こうとする私を遮るようにそう言った祥くん。

 考えてますよ?だからムゥくんがこれ以上吠えないように止めにいったんじゃないですか。

 なのにどうしてそんなことを言われるのか、首を傾げる私に、

「いや、いい…。分かれと言う俺が無理を言った……」

祥くんは‘ぐったり’?という口調で溜め息混じりにそう言った。

 ??さっぱり訳が分からないんですけど???


 ゥオッホン!

『-----------------------?』

「本題に入らせていただいてよろしいでしょうか?」

 咳払いとともに話を引き戻したのはやはりセパシウスさん。

「あ、はい。よろしくお願いします」

 思わず背筋を伸ばして頭を下げてしまいます。

『-----!』

「佐原様」

「はいっ!」

 セパシウスさんの呼びかけのあまりの迫力に、学校の授業で先生に指名された時以上の緊張が走る。

『---,-------------!!』

「どうか我が国をお救いくださいませ」

「はぁ!?」

「・・・・・・は、え?え?」

 セパシウスさんの口から――実際はユーリくんの口からだけど――飛び出した言葉に、先に反応したのは祥くんの方でした。



 お気に入り登録が250件も!?

 あ、あ、ありがとうございますっ!!

 遅筆で申し訳ございませんがこれからも頑張ります!(低頭)


 次でようやく公子サマの事情が出てきます(……ハズです)。

 が、期待されると読後に石を投げたくなると思いますので、あまり期待されないほうがよろしいかと……気弱ですみません。


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