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11話 連れて行かれたホテルにて 6

 引き続き主人公のターン……?

 と、とりあえず、ホテル編の最終です。



 


 言いたいことを言ってしまうと、ちょっと頭が冷えてきた私。

 なんか、もしかして、とんでもないコトをしましたでしょうか?……というか、もしかしなくても、確実に、しました、よね?

 一国の貴族の公子サマご一行に、庶民且つ若輩者の私がおこがましくもお説教をたれるなんて、ナニサマのつもりなんですか、私!


 そう気がつくと少し怖くなって、公子サマをそろっと見ると、相手はうなだれて上目遣いでこちらを伺っている。

 う゛っ!なんか、叱られて耳やしっぽが垂れた大型犬に見えます。ク~ンという声まで聞こえてきそうです。

 いやいや、これは気のせいです、気のせい。

 首を振って幻を振り払い、もう一度公子サマに目をやると。

 う゛う゛っ!鼻血を噴くかと思いました。

 だってだって、うるっと潤んだ上目遣いで「ごめんね?ゆるしてくれる?くれるよね??」って目でこっちをみてるんですよっ!!幻には違いないのにへなっと伏せた耳とか、しょぼんと垂れた尻尾が見えます。

 ・・・くっ、なんて凶悪に可愛いんでしょう!!!あれですか、金髪ってことは、金毛のゴールデンレトリバーとかですか!?

 いやいや、私より年上の成人男性に‘かわいい’は無いでしょう、‘かわいい’は! 幻覚にもほどがありますっ! ああ、でもでもっ!!

 思わずナデナデしようと手が伸び、はっと気づいて止める。

 だめです。家には可愛いコたちが待っています。ここで幻覚に浮気している場合ではありません!

 みんな、ごめん!ココロが揺れたおねーちゃんを許してね、ちゃんと帰るからっ!!


 私は大型犬モドキの幻を振り切り勢いをつけて立ち上がる。

「私の言いたいことはそれだけです。差し出がましいことを言いましてすみません。失礼しますっ!」

 深々とお辞儀をし、急いで荷物を持って部屋の出口である扉に向かう。

『----!』

「待って・・・うわっ!!」

 悲鳴に振り返れば、部屋の皆さん一斉に四つん這い。

 あ~、足が痺れたんですね。


 公子サマも、セパシウスさんも、通訳少年も、その他黒服の方々も、何の合図もないのに揃いも揃って足を痺れさせて四つん這い……って、何のコントですかって笑えるくらい滑稽な光景だったが、私は逃げることで頭がいっぱいでそれどころではなかった。

 ラッキーなことに、扉の前に立って逃げ道を塞いでいた黒服さんも足が痺れて立てずがっくりポーズ中で、背後には私が通り抜けるスペースが空いている。

 そこをすり抜けて外に出ると、廊下には誰もいなかった。

 更にラッキーです。

 この階に連れて来られる時に乗ったエレベーターに向かって早足で歩く。不審者に思われないように。でもできるだけ急いで……。今呼び止められたら心臓が止まってしまうんじゃないかというくらい緊張していた。

 

 幸い呼び止められることもなく、エレベーターも一階までの直通で、五分とかからず外に出られた私は、ホテルの前の客待ちタクシーを避けて通りがかったタクシーを止めて乗り込む。

 ……けしてサスペンスドラマを意識したわけではではないです。ええ。

 駅前まで急いでもらうよう運転手さんに伝えて、発車したところで振り返ってみたが誰も追ってくる人はいなかった。

 まだ皆さん足が痺れているのでしょうか?靴を脱いで良いとは言ったけれど、普段正座とかしない方たちばかりでしょうから無理もないでしょう。

 合掌。


 その後、無事最終バスに間に合った私は、予定以上のぐったり感を抱えて座席に沈み込んだ。

 ほんとに疲れました。はぁ……。


 ホテル編終了です。でもお話は終わっていません。

 最初はフェア会場でキスされて呆然……で終わっていた妄想だったのですが、今となってはそんな‘ささやかさ’は他の銀河に逃げて行ってしまったような気がします。orz


 見直すと、投稿間隔がじわじわと開いてきていて申し訳ございません。

 続きを楽しみにしてくださる方には大変恐縮ですが、今週はリアルで仕事が立て込む予定に加え週末は遠出しなければならないため、もっと間隔が開いてしまうかもしれません。orz×2

 ど、どうかご容赦ください。


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