まだまだ続くぞぉぉぉッ!!
ゲボ飲んで元気100倍になったけど、やっぱ寂しいよな⋯⋯どんだけ歩いても誰にも会わない。可愛い子とかいないかな⋯⋯
あ、
「ゴゴゴ⋯⋯ヨクキタ、ユウシャヨ」
別のゴーレムがいる。
「ココヲトオルシカクガアルカドウカ、タメシテヤロウ」
さっきのより堅物っぽい。ていうか、2連続ゴーレムかぁ⋯⋯。せっかくだから他のモンスターがよかったな。
「タメシテヤロウ」
ああ、待ってる⋯⋯めんどくさ⋯⋯
「ココヲトオリタクザ、タクバ、ワタシヲタオシテユケ⋯⋯」
「ゴーレムも噛むんだ。んで一人称オデじゃないやつもいるのね」
「オマエラダッテソウダロ」
「そうだね、一人称ぽっくんのやつもいるもんね」
「ワカッタラサッサトワタシヲタオセ」
「マゾヒスト?」
「チャウ」
「チャウ!?」
「チガウ」
「違うのね」
さて、さっきのゴーレムは元気100倍ゲボパワーで一撃で倒せたけど、こいつはどうだろうか。大きさは同じくらいに見えるし、重さも多分⋯⋯ていうか、顔も全部同じじゃん。量産型か? でも鳩とかも量産型じゃなくても全部同じ顔だしなぁ。
「サクセンヲネッテイルノカ」
「違うし、カタカナ読みにくいからやめてくれよ。別のゴーレムで普通に喋れるのは確認済みだからさ」
「ぽんたか⋯⋯我らのアイデンティティを手放すとは。一族の面汚しめ」
さっきのゴーレムぽんたっていうんだ。
「勇者よ、さっさとかかってこい」
「それなんだけど、なんでみんな俺のこと見ただけで勇者って分かるの?」
「え、それはまぁ⋯⋯」
「まぁ?」
「なんといいますか⋯⋯」
「えっなに? なんでそんな歯切れ悪いの?」
「まぁ⋯⋯いいじゃん」
「よくねーよ!?」
「聞かない方がいいこともあるんだよ」
「俺が勇者って分かる理由の話してるんだよね?」
「うん」
「そんな言いたくないの?」
「まあ言ってもいいんだけど、傷つくよ」
「勇者なのに!? 勇者になるって良いことじゃないの!?」
「どうしても知りたいなら、ワタシヲタオシテミセロ⋯⋯」
「ゴーレムモードに戻った」
2秒後
「ミゴトダユウシャヨ⋯⋯」
「早くおしえてくれよ」
「まぁ、それはだな⋯⋯」
「それもういいから」
「我ら魔族にはある伝承があるのだがな」
「ふむ」
「世界一キモい男現れし時、魔族に存亡の危機が訪れるであろう、というものだ」
「俺世界一キモいの?」
「キモい」
「そんなに?」
「超キモい」
「さっきまで気遣ってくれてたのに」
「もう言っちゃったから、もういいかなって。キモっ」
「そんな咄嗟に出る? 傷つくんだけど」
「ああっ、さっき殴られたところから勇者菌がぁ! ぐああ!」
「小学生?」
「がああああああああああ!」ボーン
大爆発した。勇者菌のせい? いじめられてるのかと思った。
それにしても、俺ってそんなにキモかったんだ。生前操縦されてたせいか、自分の顔のことなんて気にしたことなかったな⋯⋯名前もないし。
もういい! ちぬ!
『勇者!?』
俺は自分の顔にゲボパンチをお見舞いし、息絶えた。元気100倍のゲボパンチはそれはそれは強烈で、顔が完全に消し飛んで体だけになった。新しい顔が飛んでくるわけもなく、残された体は時間をかけて土に還るのであった。




