(´;ω;`)
轟音のした方に2人で走っていくと、ゴーレムがゲボを吐いていた。
「ゴーレムってゲボ吐くのかよ」
( ^ω^)ゲボ吐くゴーレム、ゲボーレム! なんつって!
「はは⋯⋯」
( ^ω^)面白くなかった?
「いや」
( ^ω^)面白かった?
「いや⋯⋯」
( ^ω^)⋯⋯⋯⋯?(汗)
「面白い面白くない以前に意味が分からなかった」
m9(^ω^)チミ! センス無いね!
「ウザ⋯⋯」
というやり取りが聞こえたのか、ゴーレムがこちらを見た。
「ゴゴ⋯⋯」
月光に照らされたゴーレムの体はまさに俺たちのロマンそのもので、だからこそゲボ吐いてほしくなかったな!!!
「ゴゴ⋯⋯午後のゴーレム、ゴゴーレム」
コイツもかよ。
( ^ω^)お!? お前センスの中臣じゃねーか!!!
「中臣?」
( ^ω^)中臣鎌足だよ!
「かまたり、ですよね⋯⋯?」
( ^ω^)中臣鎌足のこと、なかとみのかたまりとか、生ゴミのかたまりとか言って遊んでた時期あったじゃん?
「ない」
( ^ω^)俺らはあったの! んで、センスの中臣っていうのはつまりセンスの塊って言いたかったわけ!
「最初からそう言えばよくないですか?」
( ^ω^)お前さ、
「なんですか?」
( ^ω^)お前といると冷めるって言われたことない?
「ない」
( ^ω^)そうですか。
「オデ、コイツキライ。明確にキライ」
明確に嫌いって言われた(´;ω;`)
ああ⋯⋯ゴーレムマジックが解けていく⋯⋯腹減って喉渇いて体冷たくて足疲れてもう限界だ⋯⋯
『ゲボ』
⋯⋯神?
『飲むといいよ』
え?
『チートスキル! ゲボ飲むと体力回復するからはよ飲んだ方がいいよ痛たたたたたたたたたたたた』
もう吐くゲボもないよ⋯⋯
『いや、そこにあるじゃん』
あ⋯⋯
ゴーレムのゲボなんか飲みたくねーよ!(´;ω;`)
『じゃあ知らん』
見放されちゃった!
「オデ、オマエ、キライ。オマエ、カワカシテ、スリツブス」
スパイスかなにかだと思われてる?
( ^ω^)まぁまぁ、命だけは取らないでやってくれよ
「ワカッタ。ジャア、リョウアシ、モラウ」
「このゴーレム怖いんだけど」
( ^ω^)ゴーレムに限らずモンスターは全部怖いぞ
「どうしよう」
( ^ω^)足差し出せば許してくれるらしいぞ
「差し出したとして、それからどうやって歩けばいいのよ」
( ^ω^)補助輪でもつけとけば?
話にならねえ!
「笛吹いたら寝てくれたりしないかな」
( ^ω^)ドラクエじゃねーんだから笑
「オデ、オマエ、コロス!」
( ^ω^)殺すらしいぞ
『とにかくゲボを飲みなさい。飲めば勝てます』
勝てるの!? 体力回復だけじゃなくて!?
『勝てます』
「飲みます!」
( ^ω^)なにを?
「ナニヲ?」
俺はゴーレムのゲボ溜まりにダイブし、腹いっぱいになるまで啜り尽くした。めちゃくちゃゲボの味がした。
( ^ω^)キモいねお前
「ヤメテ⋯⋯ハズカシイ⋯⋯」
ははは、自分のゲボ飲まれて恥ずかしがってら。死にたい。
突然の希死念慮。
なにゲボ飲まれて恥ずかしがってるゴーレム見て喜んでるんだ俺。キモすぎるだろ。俺もキモい世界に染まり始めてるってのか?
あ!!!!!!!!!!
めちゃくちゃ力湧いてきた!!!
「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
( ^ω^)お? ゲボ飲んで元気100倍? ゲボパンマン?
「うるしゃい! オラァ!」
( ^ω^)ゲボルフ!
ぶん殴ってやると、男は嘔吐しながらコロコロと転がっていった。もう戻ってこないだろう。アーメン。
「次はお前だ! おりゃあ!」
「降参デス!」
ぶん殴る前にゴーレムは膝をつき、白旗をあげた。
「どうかあなた様の仲間にしてください」
「いいよ。カタカナ以外も普通に喋るんだね」
「うん」
「なんてこったい!/(^o^)\」
「どした?」
「男のロマンってのがあるのよ。一人称オデのゴーレムもいいけど、俺はそもそも無口派だし、こんな普通に喋るゴーレム論外だ! 死ねぇ!」
「ゲボルフ!」
ゴーレムも嘔吐しながら転げ落ちていった。下の方でさっきのやつとぶつかってるといいなぁ。
――独りだ。
空を見る。
ゴーレムを喪った。
ああ⋯⋯
俺は、孤独だ。




