表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/7

第4話 近づけないなら行かなきゃいいじゃない


成り行きで外に出ることになってしまった

城の流行っている奇病は

ここから出て東に進んだ洞窟にあるらしい

数時間歩けば着くらしいって所までゲッカさんから聞いた

およそ5kmくらいってとこか……


触らないことで感染を防ぐ魔物に素手はあんまりだろう、ということで

早速武器屋に入った

多種多様な形の武器があり、さっぱり私に似合う武器が分からない

無難に剣か槍かなぁ……

と悩んでると、ベリーが慌てた様子で駆け寄ってきた


「アイカ様!ゲッカから聞きました、ポイズゾンビを倒しに行くと」


「うん、今の惨状を見て、流石に行かないとなって」


「ポイズゾンビの住処は既に毒ガスで立ち寄れません、何か策はあるんですか?」


初耳な情報に、思わず眉間にしわがよる

あの人いちばん重要なことを言い忘れてるじゃん

もしかして私が来るまでいなかったということは

その住処で1日以上、あの人耐えてたってこと?


困ったな、私はそんなの耐えれる自信がない

かと言って、放置させる訳にもいかないし……

そうだ


「ねえ武器屋さん、弓ってここにある?」


「ゆみ?なんだそれは?」


「じゃあ今から言う物を特注で作ってくれないかな?」


私は弓を紙に絵で書いて用途を説明すると

武器屋もベリーも興味津々で

「凄いです……!」と褒められる

現実世界の知識を披露するだけでひと稼ぎできるのでは…?とは思ったが

最終手段にしとくか、とやめといた


「こりゃ面白そうだ!いいぜ!」と、快く受けてくれた武器屋さんは

かなり時間をかけて紙に書いた見た目通りに造ってくれた

私の知ってる弓そのものだ、流石武器屋


「出来たぜ!しかしあんた凄いのを知ってるんだな、でもこれはどうやって戦うものなんだい?」


「まあ見てて、あ、ベリー、魔法ってどう使うの?」


「魔法ですか?簡単ですよ。自分が想像したものを手に宿せばいいのです。後は自分の魔力が勝手に作ってくれます」


意外と簡単なんだな

何かを唱えたり、魔法陣がーとかならないんだ

私は早速、矢をイメージして掌に力を込める

するとカチカチって音を立てながら氷の矢が現れた

あれ、ゾンビだから燃やそうとしてたけど、氷が出てしまった


「まあ!アイカ様は氷属性の持ち主なのですね!お似合いです!」


あぁ、適正ってことか

まあ、貫けばゾンビでも倒れるだろうしいいか


私は店の外に出て

武器屋さんやベリーが見てる中

弓に氷の矢をつける


「アイカ様?まさかここからその氷を放つおつもりですか!?」


「近づけないなら行かなきゃ良くない?」


私は少し嫌らしく笑みを浮かべてから

弓を引き絞り、矢を放った

うん、あの飛び方なら届くだろう



【その頃、ポイズゾンビ達は…】


「あの兵士め……このわしの片腕をもっていくとは……」


「500匹まで繁殖したゾンビが、たった50匹まで減らされるとはな……」


「あれが白い悪魔か……とんでもない痛手だった」

「いいじゃないか、騎士団長も近衛騎士も落とした今、あの城は潰れたも同然だ!」


ケタケタ、カタカタと笑い声が聞こえる

その時、キランと空が光った


「なんでいありゃ?」

「流れ星か?」


「あの大きさ、魔法でねえか!?」


ゾンビが気づいた時にはもう遅く

調子に乗っていたゾンビ全員を一瞬で氷漬けにしてしまった

(え……?ワシらの出番……もう終わり……?)



【場所が戻ってセレニア王国】


……なんか、魔力込めすぎた気がする


「ア、アイカ様は、武力だけでなく、魔力も凄いのですね……流石アイカ様……!」


手で口を覆いながら目をキラキラさせてるベリーに

慌てた様子で兵士が駆け寄ってきた


「姫様!奇病で倒れていた患者達が治っていきます!!」


どうやら上手くいったみたい

医務室に行くと

どんよりとした空気が一転

親子で泣きながらハグしてる人達もいれば

兵士たちが肩を組んで喜びあっている

こういうのを見ると、勇者も悪くないな、と思ってしまう



「旅のものよ、この度の騒動の解決、兵士を代表してお礼を言おう」


ゲッカさんも元気な姿で出てきてくれた

…奇病で顔や見た目がよく分からなかったけど

すごく美人なお姉さんだ、20代後半…かな?

とにかく、みんな無事でよかった


「しかし、まだ安心するのは早い。殆どの病原体は消滅したが、痺れなどを訴えてる人もいる、もしかしたらボスは違う場所にいるかもしれない」


確かに、元気な人もいれば

苔のような緑の毒はなくなってるけど動けない人もいる

毒の根はまだ断ち切れてないか


「私と手を組み、そのボスを共に打ち倒さないか?」


え……ゲッカさんと?

それを聞いてた周りの兵士たちがざわめく

「あの単独で先頭を突っ切る白い悪魔の異名を持つゲッカ様が!?」

という言葉も聞こえる

なんだその異名……悪魔って仲間に付けていい異名じゃなくない……?


「いいよ、ここに住む以上奇病は見て見ぬふりできないしね」


「……感謝する」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ