第98話 「すみれの中の影、実体化――ヒロインたちの防衛線」 ――「このままじゃ、ユウトが“私”じゃなくなる」
◆Aパート:静寂の登校風景
登校中、誰よりも早く教室に入ったすみれ。
その目は、透明で、けれど“濃い色の膜”が張ったように鈍く光っていた。
誰にも気づかれないように笑って、誰よりも自然にふるまっている。
でも、ヒロインたちは気づいていた。いや――本能で“察していた”。
◆Bパート:イオリの仮説
イオリ「これは、論理じゃ説明できない。“存在そのものが、書き換えられている”」
彼女は自室でデータを並べながら、過去の異常行動記録を照合していた。
そして気づく――「すみれが“すみれ”でなくなる前兆」。
イオリ「私たちが……すみれを“止める”必要があるのかもしれない」
◆Cパート:真昼、先行して接触
放課後、真昼は人気のない廊下ですみれを待ち伏せていた。
「笑顔の仮面」の裏にある“何か”を暴くために。
真昼「ねえ、すみれ。アンタ……最近、何か、見えないものに操られてない?」
すみれ「……ふふっ、真昼ちゃんって、そういうの好きなんだね」
真昼(――違う。笑ってるのに、寒気がする)
すみれの手が、すっと真昼の頬に触れる。
一瞬、世界の温度が――数度、落ちた。
◆Dパート:影の“声”と、実体化の兆し
???「あなたが『悲しみ』を知ったとき、私は『形』になる」
すみれ(……やめて、お願い……もう、ユウトにだけは……)
???「彼が他の誰かを見たとき、あなたは気づくはず。
――“恋”では彼をつなぎ止められないと」
そして放課後の校舎裏、夕日が差す中――
すみれの背後に、誰にも見えなかった“黒い影”が立ち上がり始める。
◆Eパート:ヒロイン緊急会議(通称:ユウト保護作戦)
イオリ、真昼、ユキの三人が初めて真剣に「すみれ対策会議」を開始。
イオリ「状況は悪化している。彼女の中に何かが“棲みついて”いる」
真昼「黙って見てるだけじゃ、ユウトが危ない」
ユキ「……でも、すみれちゃんのこと、嫌いになんてなれない……」
それでも彼女たちは決断する。「今、ユウトを守れるのは私たちだけだ」と。
イオリ「ここから先は、“恋”だけじゃ解けない。
――私たち、連携して“戦う”しかない」




