第93話 「私だって、“本気”になっていいんだよね?」
◆Aパート:仮面のヒロイン・真昼の素顔
放課後、教室。誰もいない夕暮れ。
真昼(……わたし、ずっと“軽い子”に見せてきた。
ふざけて、笑って、わかりやすくアピールして、でも――)
窓辺で夕日に照らされる彼女。
手に握られたスマホには、下書き保存された「ユウトへの告白文」。
真昼(……本当は、“ふざけてばっかの子”なんかじゃないよ。
誰よりも臆病で、誰よりも真剣で……でも、“傷つくのが怖かった”だけ)
一歩踏み出したい――けれど怖い。
そんな自分を、夕日がそっと照らす。
◆Bパート:イオリの告白未遂を目撃してしまって
真昼は校舎裏を歩く途中、偶然イオリとユウトの会話の一部を聞いてしまう。
「“好き”なのかもしれません、私」――
驚いて、立ち止まる真昼。手が震える。
真昼
一瞬、視線を落とし、俯く。
真昼(そっか……。やっぱり、もう……遅かったのかな)
だが――そのまま引き返すかに見えて、彼女は足を止め、振り返る。
真昼(……違う。
あの子は“頭がいい”けど、
わたしは“気持ちでぶつかる”って決めたんだ)
息を吸って、心に言い聞かせる。
真昼(今度こそ、ちゃんと“好き”って伝える。ふざけてない私で――)
◆Cパート:真昼、覚悟を決める
翌日。文化祭前の準備が進む学校。
真昼はユウトを呼び出し、人気のない図書準備室へ。
ユウト「ここ……誰もいないな。どうしたの、真昼?」
真昼「ねぇユウトくん……」
(微笑まず、真正面から)
真昼「わたし、これまで“ふざけてばっか”だったけど、
今日は“真剣”に言うから、笑わないでね」
ユウトが驚く。
真昼の瞳には、冗談の色が一切ない。
真昼「好き。……好きなの。
ずっと前から、気づいてたけど……怖くて、逃げてただけだった」
息を詰める一瞬。
だが真昼は、視線を逸らさず、真正面から彼を見つめる。
真昼「だから、お願い。
今度はわたしのこと、“ちゃんと見て”」
◆Dパート:不穏な余韻
告白の返事をしようとするユウト――
だが、その瞬間、視界が揺れる。
ユウト「っ……なんだ……!? 頭が……」
後頭部に“黒い囁き”のような違和感。
微かにすみれの気配――
??「まだ、“私”を忘れないで……」
ユウトが顔を上げると、真昼の表情が曇っていた。
真昼「ユウトくん……大丈夫? いま……泣きそうな顔してた」




