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第79話 「覚醒の兆し、そして――」
その瞬間、すみれの目が少しだけ赤く光る。
ユウト「……すみれ?」
すみれ「……あ、ごめん。ちょっと疲れちゃったみたい」
微笑む彼女の背後に、見えない“黒い影”がふわりと揺れる。
◆夜、すみれの部屋
鏡の前で――
すみれ(わたし、あんなに……“幸せ”だったのに)
『それで満足? 手に入らないままで?』
耳元で、“声”が囁く。
『あの子たちは、動いた。君だけが、立ち止まった』
すみれ「……違う……わたしは……っ」
でも鏡の中の“もうひとりの自分”が、赤い瞳で微笑んだ。




