第77話 「そして、ささやく声が彼女を呼ぶ」
◆夕方前・文化祭終盤
ユウトはヒロインたちの“微妙な空気”を察しながら、逃げ場を失っていた。
それぞれの視線が刺さる。
イオリ:冷静に見えて、目が本気。
真昼:笑顔だけど、気迫は凄い。
ユキ:のんびりしてるけど、手はずっとつながろうとしてる。
そんな中で――
◆すみれの声が、背後から
すみれ「ユウトくん」
振り向くと、夕陽に照らされたすみれの笑顔。
だけどその目の奥が、どこか…違った。
すみれ「ねえ、少し、歩かない?」
◆人気のない通路にて(すみれ×ユウト)
すみれ「全部見てたよ、あたし。
みんなが、ユウトくんに“好き”って伝えようとしてるの」
ユウト「すみれ……?」
すみれ「でも――あたしも、“好き”だよ」
瞬間。
彼女の背後に、黒い羽の幻影が揺れる。
悪魔の“兆し”が、本格的に顕現しようとしていた。
◆ユウト、問う
ユウト「……それは、“すみれ自身の言葉”か?」
すみれ「え?」
ユウト「その“好き”は……本当に、すみれの気持ちか?」
黒い影が、一瞬、止まる。
すみれ(……わたしの……気持ち……)




