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第75話 「すみれ、抗う。欲望と理性のはざまで」
◆放課後、準備が終わった教室
ユウトは偶然、残っていたすみれと二人きりになる。
すみれ「……あたし、何でここにいるのか、わかんない」
ユウト「すみれ?」
すみれ「みんなみたいに可愛くもないし、頑張り方もわかんないのに……なんで、こんなに、苦しいんだろ」
(彼女の背後、わずかに“黒い炎”が立ち上る)
ユウト「……すみれ、君は――」
その瞬間。
すみれの目が揺れる。
中に潜む“もうひとつの何か”が、ユウトに気づいた。
◆ユウトの声が、すみれの闇に触れる
ユウト「俺は……たぶん、“恋”が怖いんだ。誰かを選ぶってことが、誰かを傷つけるって……ずっと思ってた」
すみれ「……」
ユウト「でも、すみれが笑ってると、俺、嬉しかったよ。昔も、今も」
その言葉が、確かに“悪魔”の力を押し返した。
すみれ「――バカじゃないの」
でも、すみれの瞳には、光が戻っていた。




