第68話 「恋心が堕ちる音。すみれ、悪魔的恋愛攻勢へ」
◆その微笑みは、優しさか――それとも
文化祭の最終日が終わり、校内には余韻と喧騒の名残が漂っていた。
ユウトが荷物整理のため教室に戻ると、そこには一人の少女が待っていた。
すみれ「……ユウトくん、おつかれさま」
ユウト「すみれ? こんな時間まで残ってたのか」
すみれ「うん。だって……どうしても、今日、伝えたいことがあったから」
(彼女の声は甘く、優しく、しかしどこか“違和感”があった)
ユウト「……何を?」
すみれ「……“好き”って言ったら、どうする?」
(その瞬間、空気が一変する。ユウトの背筋に、微かな“悪寒”が走った)
すみれ「ねえ、ユウトくん。わたし……あなたと“ずっと”一緒にいたい。誰にも邪魔されずに」
(彼女の背後に、黒い羽の幻影が揺れる)
ユウト「すみれ……まさか、お前……」
すみれ「ふふ、やっと気づいた?」
(その笑顔は、やさしさと“執着”が混ざった、恐ろしくも美しいものだった)
◆悪魔的恋愛攻勢、開始
すみれは歩を進め、ユウトとの距離を詰める。
すみれ「他の子たち、かわいかったよね。でもね、あたし……ちょっと、ズルくなることにしたの」
(彼女の指先が、ユウトの胸元に触れる。その動きには“誘惑”の魔力すら漂っていた)
すみれ「魔法を使ったら、ダメかな?」
ユウト「すみれ、やめろ……お前、本当に“悪魔”になりかけてるんだ!」
すみれ「だって――悪魔になってでも、あなたを手に入れたいって思ったのは、あたしが一番だったから」
(瞳に揺れる“黒”の光。すみれの感情が、形を持ちはじめていた)
◆しかし、三人のヒロインたちが――動く
その場に、突如として現れる三つの影。
イオリ「――そこまでにしておきなさい、“すみれ”」
真昼「ユウトに何してんのよ! それ、恋愛のルール外れてるでしょ!」
ユキ「……みんなで争ってるつもりだったのに、一人だけ魔法使ってズルするなんて……!」
すみれ「……そっか。じゃあ、ここからは本当の勝負だね」
(すみれの背から、幻影の羽が大きく広がる)
◆“恋”と“力”の交錯
イオリ「論理的に考えて、彼の意思を曲げる“魔的干渉”は、断固として排除すべき対象よ」
真昼「ユウトが“好きだ”って思うのは、あたしの中身、であってほしいの。……だから、こんなチカラで近づくなんて許せない!」
ユキ「――ユウトくんを、“みんなのもの”にしたかった。けど……今は違う。わたし、“自分だけの恋”がしたいの!」
(ヒロインたちの感情が、思考が、想いが、すみれの悪魔的な誘惑に対抗するように燃え上がる)
◆そして、ユウトの叫び
ユウト「――やめろ、すみれ!」
(ユウトの手が、彼女の肩を掴む。強く、震える声で)
ユウト「オレは……誰かを“好き”になるのが、怖いんだよ。でも――今みたいに、みんなが命がけで想ってくれるのに、黙ってられるわけないだろ!」
(ユウトの言葉が、すみれの胸の奥に突き刺さる)
すみれ「……そっか、そうだよね……でも、あたし……」
(涙を浮かべながら、すみれの魔力が徐々に収束していく)




