第66話 「文化祭、恋の終点(ゴール)ラインは私が越える!」
◆文化祭終盤、午後の学園――
あちこちでステージイベントや催し物がクライマックスを迎える中。
ヒロインたち、それぞれが“ユウトと過ごす最後の時間”を狙って動き始めていた。
◆ユキの場合
ユキ「ねぇユウトくん、こっちこっち〜♪」
(お化け屋敷の裏手、誰も来ない裏道)
ユウト「え、こんなところに何かあるのか?」
ユキ「ないけど。……でも、ふたりっきりになれる場所なら、いいでしょ?」
(無邪気な笑顔の奥に、かすかな決意)
ユキ「ねぇ、今日の文化祭……一番たのしかったの、なに?」
ユウト「……ユキと、こうして歩いてる時間かな」
(その言葉に、ユキの目が見開かれる)
ユキ「そっか……じゃあ、もっと欲張ってもいい?」
(突然、ユキが手を繋いでくる。自然な流れで――でも、しっかりと強く)
ユキ「ねぇ、ユウトくん……あたし、こうしてたい。ずっと。」
(穏やかな言葉、だけど確かに“想い”をぶつけてきた)
◆真昼の場合
(生徒会企画・スペシャルステージ。恋愛朗読劇の主演が真昼に変更される!)
放送『代役決定!主演は――風間真昼さんです!』
真昼「ふふ……チャンスは、自分で引き寄せるものだから」
(ユウトを強引にエスコート)
真昼「見てて。私が舞台の上で、恋を演じるから。……でも、全部演技だと思える?」
(ステージ上、真昼が演じる“ヒロイン”のセリフが――どこか本音混じりで)
真昼(あなたの隣にいるのが、私じゃなきゃ嫌――そう言ってもいい?)
(演技終了、会場拍手喝采――)
(でも舞台袖、ユウトの目だけを見つめる)
真昼「……ユウトくん、私のこと、どう思ってる? 本気で、答えて」
◆イオリの場合
(知的ゲーム大会の司会を終え、学園中を歩くイオリ)
(だが、その表情は普段の冷静さを欠き、少し焦りすら見える)
イオリ(……私は、他の誰よりユウトに“適合”してる。分析的にも、性格的にも)
イオリ(なのに――なぜ、こんなにも落ち着かない?)
(目の前に現れるユウト)
ユウト「イオリ? どうかしたか?」
イオリ「……ちょうどいいわ。聞きたいことがあるの」
(正面からユウトの目を見る)
イオリ「私と、デートしてみたいと思ったこと……ある?」
(その声は、珍しく震えていた)
イオリ「“理屈”じゃなく、“気持ち”で答えて。お願い」
◆一方その頃、すみれ――
屋上に佇む少女の背後に、影が渦を巻いていた。
すみれ「……誰かに負けたくない。ユウトくんは、譲らない」
(その表情は微笑みを保ちながらも、目だけが――赤く輝いていた)




