第55話 「笑顔の爆弾、投下――文化祭前夜、すれ違う想い」
◆ 放課後、美術準備室
すみれ「先輩、ここリボンどうしたらいいですかー?」
ユウト「あ、そっちはポスターの額縁と合わせて……」
(自然と肩が並ぶ。笑い合いながら作業)
すみれ「先輩とこうして何かするの、楽しいですね!
……あ、べ、別に変な意味じゃなくて! ただ、なんか――一緒にいると、空気が好き、っていうか」
ユウト「……空気が、好き?」
(その言葉に、他のヒロインたちが一斉に反応)
◆ 遠巻きに見ていたヒロインたち
イオリ「“空気が好き”? わからない、定義が不明確。でも……なぜか、ムカつく」
アリサ「うわ……“恋してる自覚ない系”だよあれ。
しかも悪意ゼロ。無垢な分だけ無敵じゃん」
真昼「何気に一番“距離”詰めてない? こっちはキス未遂までしたのに……!」
ユキ「……なんか、ユウトくんが笑ってるの、いつもと違ってて……ちょっと……」
◆ 後輩の爆弾、炸裂
すみれ「ねえ、先輩。もし、文化祭が終わったら……またどっか、一緒に行きませんか?」
ユウト「え、また?」
すみれ「うん! だって、先輩ともっといろんな“楽しい”作りたいですもん!」
(無邪気な笑顔。だが、その一言がヒロインたちの中に“針”を刺した)
◆ その夜:各ヒロインの心中
イオリ(メモを取りながら)
「感情制御不能状態。対処法未設定。……嫌。負けたくない。明日、すべてに決着をつける」
アリサ(ぬいぐるみに向かって)
「ちょっとさ、そろそろ私の番でしょ?ね?……ううん、待つのもうやめよ。文化祭、ぶっ飛ばす」
真昼(鏡を見つめて)
「負けるつもりなんてないよ。あの子が爽やかで、笑顔が眩しくたって――“勝つのは、恋の覚悟”だよ」
ユキ(日記帳を閉じて)
「……明日、がんばろ。ううん、“がんばる”んじゃ足りないかも。……“欲張って”みようかな」




