第49話 「彼氏体験:イオリ編 ~論理に恋を混ぜる日~」
◆ 08:00 待ち合わせ 5分前の静かな朝
イオリ「ふむ……予定より3分早く着いた。ユウト、時間厳守は好感度上昇要素よ」
ユウト「……朝からテンション高いな、イオリ」
イオリ「違うわ。“これは”恋愛シミュレーションの実験なのよ。
……貴方が“恋人になった場合の幸福値の変化”を、きちんと観測してあげるわ」
(ユウト、引き気味だがなんだかんだで従う)
◆ 09:00 科学館&知的アミューズメント
イオリ「この恐竜の骨格標本、私たちのDNAの歴史的継続性における“進化的ロマン”を感じるわね」
ユウト(心の声)「今のコメント、デートで言うセリフか……?」
(だが、ユウトの好きなテーマに合わせてちゃんと調べてきているイオリ)
イオリ「……貴方の趣味に寄り添うこと。それも“恋人行動”の一部よ」
◆ 12:00 予約済みの落ち着いたカフェでランチ
イオリ「事前にレビューサイトで高評価、かつ静かで話しやすい空間。
さらにユウトの好きなオムライスがある。ここは最適」
(完璧に見えるが、妙に緊張して手が震えているイオリ)
ユウト「……そんなに頑張らなくてもいいよ?」
イオリ「ばっ……! 違う、これは研究で……っ!」
(赤くなるイオリ)
◆ 14:00 公園のベンチで「恋人質問表」
イオリ「この“36の質問で恋に落ちる実験”をやってみましょう。科学的に証明されてるのよ」
ユウト「えっ、やるの!?」
(質問が進むにつれ、普段は見せない彼女の素直な部分が少しずつ顔を出す)
Q.「あなたの人生で最も感謝していることは?」
イオリ「……出会えたこと。あなたに」
(ユウト、沈黙)
イオリ「……いまのは、ちょっと予定外だったわね」
◆ 17:00 黄昏時、図書館の裏庭で
イオリ「……私、こういうの慣れてない。でも……」
(そっと、ユウトの腕に触れる)
イオリ「今日一日、ずっと楽しかった。だから……“これが恋”だと、私、思うわ」
(小さく、揺れるような瞳で見つめて)
イオリ「次は、検証じゃなくて、“本番”でもいいかしら?」




