第35話 「密室ローテバトル開幕! 恋は、順番通りにはいかない」
◆ 特設:恋愛ブース『Room.0(ゼロ)』
文化祭・最終日。
裏会場に、再び静かに現れた「恋愛密室ブース」。
その運営ルールは、こうだ。
・1ヒロインにつき持ち時間10分
・ユウトと2人きり、外部干渉一切禁止
・どんなアプローチも自由(言葉・行動、問わず)
・終了後は「ユウトの評価カード」を提出
誰が一番、彼の心を揺さぶれるか。
審判はユウト自身。
そして――その心の中。
◆ 1stターン:イオリ
(淡い照明、テーブルには紅茶とパズルキューブ)
イオリ「この10分、“私との最適解”を探してもらうわ」
ユウト「……すでに難問きたぞこれ」
イオリ「まずは“手を握るのにかかる心拍上昇率”を測定する。拒否は認めない」
(理論と実験、でも表情はほんのり赤い)
イオリ(※心の声)
「……ユウトに“触れる理由”が、今だけある。それだけで、充分よ」
◆ 2ndターン:アリサ
(室内にはマットと抱き枕、なぜか柔道着)
アリサ「よし、組もうぜ。恋のガチ組手な」
ユウト「え? なんで道場モード!?」
アリサ「“押し倒し”は言葉より早いんだよ! ……冗談だけどな!」
(からかうような笑み、でも――)
アリサ(※心の声)
「マジで好きになっちまってんだよ……バーカ」
◆ 3rdターン:リリカ
(キャンドルとアロマ、安らぎの空間)
リリカ「あのね、私、派手なことはできないけど……
ユウトさんが疲れたら、隣で黙って座ってたいなって思ってて」
(お茶を手渡し、そっと微笑む)
リリカ(※心の声)
「勝てなくてもいい。でも……“私がいる”ってことだけは、覚えててほしいの」
◆ 4thターン:ユキ
(部屋の真ん中に小さなゲーム機とクッション)
ユキ「ねぇ、今日さ、勝ったらごほうびちょうだい?」
ユウト「ゲームで?」
ユキ「ううん――恋、で。」
(にこっと笑って、でも目は本気)
ユキ(※心の声)
「私だって、戦うよ。“楽しい”だけじゃ、もうダメだってわかったから」
◆ 5thターン:真昼
(再び仕掛けられた恋愛シチュエーション。今回は……“砂浜の夕暮れ風ブース”)
真昼「……今日だけは、演技でもいいの。
ユウトくんの隣で、“彼女みたいに”させて?」
(そっと肩を寄せる。
けれど、瞳だけは真剣だった)
真昼(※心の声)
「私、まだ全部をぶつけてない。
――だって本気出したら、ユウトくん……戸惑うでしょ?」
◆ ユウト、選べない
ユウト「……どうしろってんだよこれ……!!」
(どの10分間も、心を激しく揺さぶった。
そして“その想い”は、全員が本物だった)




