第100話 「僕が君を“救いたい”と思った理由」 ――「すみれの心に、手を伸ばして」
◆Aパート:崩れ落ちる校舎の屋上
黒い“影”の残滓が空間を歪める中――
ユウトは、傷だらけのまま、すみれに手を差し出していた。
ユウト「すみれ……君を、“助けたい”んだ」
すみれ「なんで……なんで、そんなこと言えるの? 私は、あんなふうに暴走して……!」
すみれの瞳は、まだ“闇”の色を残していた。
でも、ほんの少しだけ――揺れていた。
◆Bパート:心の檻の中で
見つめ合う二人。
ユウトの手は、まだすみれに触れていない。だが、それは明らかに“踏み込み”だった。
ユウト「君が何を感じて、どうしてこんなふうになったのか――全部、わかるなんて言えないよ」
「だけど、もし君が“誰にも選ばれない”って思ってるなら……それは違うって、言わせてほしい」
すみれ「……じゃあ、私を選んでよ」
「全部忘れて、“今”この瞬間、私を好きだって言ってよ」
涙を浮かべながら、感情に揺れるその顔は――かつての明るい“すみれ”ではなかった。
◆Cパート:答えの形
ユウト「……それは、言えない」
すみれの表情が止まる。静かに、そして深く絶望が落ちていく。
ユウト「でも……“好きになりたい”って、心から思ってる。君の全部を知って、それでも、そばにいたいって」
「それが、僕の……今の答えだ」
ユウトの手がすみれの手を、そっと包む。
ユウト「だから、君も……自分を嫌いにならないでくれ」
◆Dパート:すみれの“決断”
黒い影が再び揺れる。その中から、“もう一人のすみれ”のような声が囁く。
影の声《裏切られるくらいなら、全員を拒絶すればいいのに》
すみれ「……ううん。たしかに私は、怖かった。選ばれないのも、嫌われるのも」
「でも……ユウトの言葉、信じてみたいって思った」
すみれの背後にあった“闇”が、ゆっくりと薄らいでいく。
それは、すみれ自身の決断の光だった。
◆Eパート:少女の涙と、新たな始まり
すみれはそっと、ユウトの胸に顔をうずめて――震える声で言う。
すみれ「……ありがとう、私……ほんとはずっと、誰かに抱きしめてほしかった」
ユウト「……遅くなって、ごめん」
二人の静かな時間を遠くから見つめているイオリ、真昼、ユキの姿。
その表情には、それぞれの“決意”があった。




