表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

88/165

交友会の続きをはじめる


「あっ……軽く寝坊した」


 目覚まし時計を掛けていたはずなのに、お外はすっかりと日が暮れていた。


 本来の予定では休憩二時間だったけど、こればかりは仕方ない。

 水分補給よし、身支度よし。シクスオにログインした私は、天界クラムベルンのクラフトルームに足をつける。


「ごめんなさい……って、他の二人がいない?」


 クラフトルームにいたのは、私の他にはまだ熟睡中のヤジョウだけだった。


 交友会の続きがもう始まっているのかもしれない。

 大きく出遅れるのは勘弁なので、私はダンジョンの様子を映し出すモニターを出してみた。


「どこにもいない……」


 ノアとセレネがいないので、不安になる。


 ヤジョウも熟睡中なので、尚更だ。

 そこに、ログインしてくる人型のアバターが私の瞳に映り込む。


「二人ともごめんね、夕飯の買い出し行ってたら電車の遅れが発生して」


 セレネがやってくると、心の片隅に抱きかけていた寂しさが吹き飛んでいった。


「あれ、パルトラちゃんだけ?」

「う、うん……」


 私は何度か頷いた。


「ノアちゃんはまだ来てません」

「そのうち来ると思うね。全員揃わないことには交友会のシナリオが進まないからね」

「そうですね……何かワープしてくる気配がします」


 視線が動いた私は、突如出現したワープゾーンの位置を捉えていた。


 ノアがクラフトルームに顔を出してきたら、三カ国ダンジョンマスター交友会の続きが無事に始められる。


「パルトラ様、セレネ様、すみません。今後のアップデートについて緊急会議をやっていたのですが、終了時刻がちょっと遅れまして……」


 ワープしてきたのは、赤毛の姿をしたノアだった。


 シクスオの会議はきっと、赤毛の姿で行われたのだろう。

 そこに欠伸をしながらふわふわと、ヤジョウが急接近する。


「あっ、五番さま。こんばんはーなのです」

「この方は――なんでですかぁああー」


 ノアの奇声が、クラフトルームに響き渡った。


「こちらは、ヤジョウちゃんです。というか、ノアちゃんが五番様……?」


「五番って何なの? わたくしが知らない脚本が増えてません?」

「セレネさん、それは気のせいです……」


 ノアは驚いて動きが固まっているので、代わりに私が弁解することにした。


 休憩時間中に私のダンジョンでヤジョウを発見して、いろいろ遊んでいたことはこれから話すすつもりでいる。


 ノアの驚く反応をみた感じでは、ノアはヤジョウの姿を見ることが出来ていた。


 しかも、ノアが五番ってどういうこと?

 ノアのことが、とても気になってきた。


 一方でセレネは、シクスオのウワサのことなんて知らないも当然なのだが……。


「セレネさんは、ヤジョウちゃんの様子が見えてます?」

「それはばっちり見えてますよ」


 セレネは、ヤジョウのことを認知出来ているようだ。


 この場にいるダンジョンマスターは三人。三人とも見えているということは、ひょっとしたら何かメッセージを受け取っているとかあるかもしれない。


 まずはそこから尋ねてみようかな。


「お二人さんが休憩に入られた後、私のもとにひとつのメッセージが入りました。送り主はニケさんです」

「ニケ様から……。ニケ様ですか……?」

「わたくしにはメッセージなんて入ってません」

「同じく、ノアもこれといったメッセージはないですね」

「――となると、ニケさんからのメッセージは、私だけになるのか」


 ニケの手掛かりを欲しかったのだが、予想に反していた。


 私以外にメッセージがないとなると、それは本当に何のために送ってきたのか。


 謎が増えるだけである。


「とりあえず、現状報告です。ヤジョウちゃんと一緒に感情エネルギーの回収を行いました」


 私が指をさした方向には、恐怖の感情エネルギーがたっぷりと詰まったクリスタルのオブジェクトが設置してある。


「あっ……女神ネフティマを活性化させる為にやっていることなのに、完全に忘れていました。ありがとうございます」


 感謝を私に伝えてきたノアは、少しシナリオを見返す素振りをみせる。

 恐怖の感情エネルギーだけでは、まだ足りない。


 残り三つの感情エネルギーを回収してから、これらを使用する。

 使うといっても、演出上での話だ。


 とにかく、他の感情エネルギーを集めないことには物語が進まない。


「トルマリナブロッサムは、無事に討伐されてますね。ログをみた感じだと、いまから八分程度前といったところでしょうか」

「あのモンスターを倒すのに、随分と苦戦しているのね」

「セレネ様、あれは最強モンスターの五本指に入るくらいの難敵なので……」


 徐々に落ち着きを取り戻してきたノアは、モニターを出して部屋の確認を行っていた。

 恐怖のボスモンスターであるトルマリナブロッサムが倒されたのならば、次にやることは見えていた。


 新たなボスモンスターの作成である。


 次はどんな感情エネルギーを集めようかな?

 あと、手が空いたら同時進行でやりたいこともある。


 監獄塔の通路をよりダンジョンらしく見せるために、採取場所の作成も行いたい。


 手元にある宝石の数はまだ少ないのだが、クラフトルームにある採取場所が復活していた。

 ヤジョウの力も借りれば、よりたくさんの採取場所の作成を行える。


 でも、シナリオ進行は疎かにしたくない。

 なので、採取場所の作成については……程々に、且つ大胆にやっていきたいところだ。


お読みいただき、ありがとうございます!!


本日は自分の誕生日になります

(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ